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#373 「てんさい」はどんな作物?

日本では北海道が生産量のシェア100%で知られる「てんさい」。
ちなみに「天才」ではなく「甜菜」と書く。
あまりなじみのない「てんさい」は、どのような作物なのだろうか。

見た目は大根や株、芋のような作物だが、「甜菜」の「甜」が舌に甘いと書くように、「てんさい」は砂糖の原料になる作物である。
英語では「ビート」、日本では別名「サトウダイコン」とも呼ばれている。

そのまま食べることもできなくはないが、「あく」や土臭さが目立ち、そのままの食用には適していないようだ。

日本では砂糖の原料といえば「さとうきび」のイメージが強いかもしれないが、ヨーロッパでは「てんさい」の方がポピュラーで、世界の砂糖消費量の約30%、日本の砂糖消費量の約25%が、「てんさい」から作られた砂糖で占められている。

ちなみに、砂糖の原料になる作物は大きく分けると「さとうきび」と「てんさい」の2種類しかない。
熱い地域で栽培される「さとうきび」と、涼しい地域で栽培される「てんさい」。

そのため、日本では「さとうきび」は主に沖縄県と鹿児島県、「てんさい」は北海道で栽培されている。

砂糖の原料の生産は、気候によって見事に棲み分けされているのが面白い。

「てんさい」と聞くと、「聞いたことないよ」「北海道でつくられてる作物ね」くらいの感覚の人が多いと思うが、北海道産の「てんさい」からつくられた砂糖を使っているお菓子も多い。
知らず知らずの間に食べている人も多いはずだ。

「てんさい」は、私たちにとって身近な作物なのだ。

【目次】

【参考】


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