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【オススメ中国本】初学者に最適『はじめて出会う中国』

こんにちは、小羊です。

今回は【小羊オススメ中国本】第2冊目をご紹介✨

有斐閣アルマの『はじめて出会う中国』(改訂版)

です。

この本は、始めて中国について学ぶ方、つまりは中国入門者にオススメです。


教科書的な書籍で、複数の大学の先生方が各章を執筆する構成になっていて、中国という国を政治面、経済面、社会面、外交面からバランス良く解説しています。

有斐閣アルマさんの公式サイトによれば目次は以下の通りです。とてもバランスがよく、且つどの章のテーマも中国の特徴を捉えるのに適した切り口ですね。

第1部 この大国をどうやって統治しているのか
 第1章 統合ツールとしての中国共産党:組織と個人のダイナミズム(小嶋華津子)
 第2章 「上有政策,下有対策」から「社会の安定」の時代へ:中央・地方・個人の微妙な力学(平野聡)
 第3章 多民族統治の困難:「中華民族」の理想と現実(平野)
 第4章 戸籍という身分制度:大量移動時代のパスポート(園田茂人)

第2部 市場経済化がどのような変化をもたらしているのか
 第5章 階層化という鬼っこ:格差は社会に混乱をもたらすか(園田)
 第6章 学歴社会の誕生:高等教育の大衆化という文化的遺伝子(園田)
 第7章 経済成長は民主化をもたらすか:天安門事件後のエリート政治の新展開(小嶋)
 第8章 消費され輸出される文化:グローバル化とローカル化のはざまで(谷垣真理子)

第3部 中国は世界で尊敬される国になるか
 第9章 中国人は世界をめざす:華人ディアスポラの現在(谷垣)
 第10章 自強という見果てぬ夢:愛国主義とナショナリズムのゆくえ(加茂具樹)
 第11章 新しい国際秩序の誕生?:中国の「大国」外交とは何か(加茂)
 第12章 友好から敵対へ?:日本の対中世論悪化をめぐって(園田)

有斐閣アルマ公式サイト

有斐閣アルマさんの学術書籍に共通の特徴でもありますが、初学者(例えばこれまで中国に関心を向けていなかった人)にもわかりやすく、しかし正確で客観的な作りで、「まずは中国という国の全体像を把握したい」場合にはもってこいです。

一方で主要な論点をさらっと簡単に紹介をしているのみなので、もともと中国に詳しい方からすると物足りないでしょう。また、この本で始めて中国について知った方も、特に気になったテーマを、さらにもっと詳しい書籍で掘り下げていくことをオススメします。

その意味では、各章の末尾に、読書案内として、その章のテーマと関連する参考書籍が挙げられているのは良い仕掛けと思います。
但し、参考書籍は少し古いものが多く、自分新しい書籍を探す方がより良いかも。

中国本を探す皆様の参考になれば幸いです。


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