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社会不適合者が『「子供を殺してください」という親たち』の感想を語る

昨日私は鬼滅の刃の鬼についての記事を書いた

今日はその鬼になってしまう前のグレーゾーンの人間について書く。

『「子供を殺してください」という親たち』というとてもショッキングなタイトルの本を読んだ。
子供というと、小学生以下の小さな子供を想像するかも知れないが、この本に書かれている子供たちは成人している。

この本は、引きこもりや家庭内暴力、薬物使用、ストーカー、DV、など様々な問題を抱えながらも適切な対応がとられていない対象者たちを医療につなげるための「精神障害者移送サービス」を営む押川剛氏の経験を基に書かれている。

まず引きこもりや暴力行為、非行などは本人が元々持つ性格のせいだと私を含め多くの人は思ってしまっていると思うが、この本によると実はそうではないそうだ。

一概に全てにおいてそうだと言い切れるわけではないが、こういった問題を抱える人たちの多くは生育環境で経験したストレスなどで精神疾患や人格障害になってしまっているらしい。

確かに犯罪者や非行少年の幼少期のエピソードの多くは、ネグレクト、いじめ、性被害、貧困、犯罪に巻き込まれたなど…とても胸が痛むものが多く、幸せに育った人はとても稀に思う。

代表的な精神疾患はうつ病だが、うつの患者のイメージは元気がなく自傷行為を繰り返す弱々しい人を想像するかも知れない。
しかしうつ病もワンパターンではない。
上記のような人もいるが、キレやすく他害行為に走ってしまうパターンもあるらしい。

うつ病は脳内の神経伝達物質のひとつで、精神を安定させる働きをするセロトニンというホルモンが低下することによって起きる。

睡眠、運動、日照が不足したり、ジャンクフード中心の食生活をしていると脳内のセロトニンは減少する。
つまり家の中に引きこもって昼夜逆転の生活を続けていれば、誰もがうつ病に罹ってしまう。

セロトニンは減少することで、疲れやすくなる、無気力、食欲の減少または増加、不眠、怒りっぽくなる、体の痛みを感じやすくなる、自尊心の低下、ネガティブ感情など…様々な不調を引き起こす。

引きこもりや家庭内暴力、薬物使用、ストーカー、DV、など様々な問題を抱えている人達というのは、まさに上記のセロトニン不足であらわれる症状が多く当てはまる印象がある。

やはり筆者の押川氏の言う通り、彼らの多くは精神疾患なのだろう。
適正に治療を受けて見事回復することができれば、問題行動は激減する。
しかし精神医療を必要としている彼らはどこに行っても招かれざる客だ。

精神疾患であるが故に人間関係が正常に築けないし、愛情に飢えている。
そしてなかなか家族を含め他人の言うことを素直に聞けない。
暴力性も併せ持つ。

だから彼らの受け入れを拒否する保健所は非常に多いそうだ。
そんな彼らを筆者は「グレーゾーン」という。
私は鬼滅の刃でいうところの、鬼になってしまう前の人間の状態がそれだと思っている。

行き場を失ったグレーゾーンの人々はどうなるのか…
どんどん状況が悪くなり、大きな事件に発展してしまう可能性を充分孕んでいる。
殺傷事件が起きてしまってから色々後悔したのでは何かもが遅い

近年、いじめによって命を経ってしまう悲しい事件が相次いでいる。
その度に世論では「いじめは犯罪だ!」「いじめっ子は法で裁け!」なんて声を多く見かける。

=↓↓以下私の経験を踏まえた考え↓↓=

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