子供を殺してくださいという親たち

♯028 本人との同居が限界。グループホームの入所を検討しているが…

精神疾患をもつ本人との同居について、「家族ではもう支えきれない」と、限界を感じている家族もいらっしゃると思います。

実際のところ、本人から家族への暴言や暴力、金銭の無心などがあるケースでは、親子関係が病気を悪化させる一因となっている場合も多く、【親子が物理的・心理的に距離をおいたほうがいい】と思うこともしばしばです。

そこまで親子関係がこじれたときには、「話し合って今後のことを決める」ことはな

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【押川剛;50歳からのキャンパスライフ】6 殺伐とした子育て

新潟、山形で大きな地震がありました。被害にあわれた方々の一日も早い回復、復興を願います。予断を許さない状況ですが、これ以上被害が広がらないことを祈ります。

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少し前の話になるが、数名の学生ちゃんから家族についての相談を受けた。みんな、『「子供を殺してください」という親たち』を読んでくれていて、「実はうちも…」となったらしい。

中には、「押川さんの漫画に出

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【押川剛;50歳からのキャンパスライフ】5 大切なことは「勇気づけ」

先週は、長期ひきこもりに関するメディアからの問い合わせが相次ぎ、大学の講義を幾つか休んでしまった。何が辛いって、一回授業を休むと、宿題や次の予習の範囲が分からなくなる。まだ友達の少ない俺は、教えてもらえるネットワークも構築できてない。昔と違って今の大学は、予習や宿題をしっかりやらないと単位がもらえない講義も多いので、「孤独」は死活問題である。これを読んでいる同級生で、「連絡係になってもいい」という

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【長期化した重度ひきこもりの問題を解決できる、現実的思考】

私の経験では、長期化した「重度のひきこもり」は、なんらかの精神疾患に罹患しているケースばかりだった。そもそも精神疾患の症状としての「ひきこもり」は昔からあり、たとえば統合失調症にも、ひきこもりの症状はある。そのため家族も、偏見や体裁から本人の状況を受け入れきれず、第三者の介入を拒む傾向がある。これは、長くひきこもりの問題に携わる専門家の間では周知の事実である。

今や世の中にはメンタルヘルスにまつ

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東京都練馬区・長男殺害事件【殺害することでしか解決できないのか】

今月1日、東京・練馬区で44歳の息子を刺殺したとして、父親(76歳)が逮捕された。

元事務次官が息子刺殺 部屋に“殺意”メモ
東京・練馬区で44歳の息子が包丁で刺されて死亡し、農林水産省の元事務次官の父親が逮捕された事件で、父親が神奈川県川崎市で小学生ら20人が死傷した事件を念頭に、「息子が周囲の人に危害を加える恐れがあると思った」などと供述していることが分かった。
(略)
熊沢容疑者は英一郎さ

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川崎市登戸・殺傷事件② 【事件の引き金とみる、川崎市精神保健福祉センターの大きなミステイク】

note川崎市登戸・殺傷事件①では、国の曖昧なひきこもり定義について書いた。今後は、「軽度」「中度」「重度」の見極めをおこない、それぞれに見合った支援を提供していかなければならない。その区別がないままに支援をおこなうことは、再び川崎市登戸のような凄惨な事件や家族間の殺傷事件を引き起こすことにもなる。

事件の経緯を振り返る

はじめに、報道から分かる範囲ではあるが、事件までの経緯を振り返っておく。

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川崎市登戸・殺傷事件①【孤絶を招く、国の曖昧なひきこもり定義】

5月28日朝、神奈川県川崎市多摩区登戸で、スクールバスを待つ小学生や保護者が刃物を持った男性に襲われ、2人が亡くなり、18人が重軽傷を負った。

理不尽に命を奪われた女児と保護者の男性に心よりお悔やみを申し上げます。また、心身に大きな傷を負った子供たち、保護者の方々にお見舞い申し上げるとともに、一日もはやく日常を取り戻せるよう願っています。

曖昧なひきこもりの定義

被疑者が「ひきこもり傾向にあ

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コミックバンチweb『「子供を殺してください」という親たち」電子版(無料)、最新話更新!
第23話【ケース10】すべて弟にのしかかる③
http://www.comicbunch.com/manga/tue/kodomowo/

♯025 現実的な解決の視点とは? 家族の問題の「レベル」を認識する

弊社が介入した(もしくは相談に乗った)「家族の問題」において、一定の解決をみた家族の共通項を挙げてみます。

①家族の中に、「判断力・決断力・行動力」のある人(キーマン)がいて、家族をまとめることができる(相談をしてきた人がキーマンとなる場合が多い)。
②キーマンとなる人が、自分の家族の問題がどのレベルか、緊急性と難易度を理解できている。

長く問題を解決できていない親に足りないもの

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患者さんの「よい」と周りの「よい」

「本人の意思」こそが最大限に尊重されるメンタルヘルスの分野では、患者さんのいう「(状態が)よい」と、周りが思う「よい」に大きな乖離が生じることがあります。

(漫画『「子供を殺してください」という親たち』2巻より)

弊社では、精神科病院を退院し、グループホーム等に入所した患者さんのサポートも行っていますが、定期的に通院治療や訪問看護を受けていても、調子を崩すことはあります。とくに、本人と人間関係

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