見出し画像

エリートにはなれない私たちでも学ぶべきことはあるお話

おはようございます。きつね@人材育成担当です。
皆さんにとって、2021年度に印象に残ったニュースは何だったでしょうか?
私は、デジタル庁に石倉洋子さんが就任されていたことです。

一部メディアの報道により、「私はデジタルの専門家でもエンジニアでもない」という部分だけ切り取られたようで波紋が広がったようですが、質問全文を読むと言葉の端々からデザインシンキングの知見を感じる方です。
(プロトタイプをやる、動いたら次やる、といった発想はウォーターホール型で慣れ親しんだ日本人からは中々出ないです。ほんと。)

おそらくですが、「素人質問ですが」を枕詞にコア部分への問いかけができる方ではなかろうか、とペーペーのきつねさんは思っております。

そんな個人的に推している石倉洋子さんの「タルピオットーイスラエル式エリート養成プログラム」を通じて、今の私たちがすぐできることって何か考えてみました。

そもそもイスラエルってどんな国か

イスラエルは、地政学的、歴史的に恵まれているとが言い難い国です。石油や石炭といった天然資源がありません。また、内陸に位置しているため、海運で運べるような重量のある製品を作れません。そのため、輸出入ができるものとしては軽量な製品か、人の知見の2点がメインとなりました。

また、イスラエルはパレスチナ地区や宗教問題の関係上、交渉が重要になっていく環境に置かれています。

タルピオットでは何を学ぶのか

タルピオットとは、イスラエル国防軍の中でも毎年50人しか選ばれない、エリート養成プログラムです。約3年間、膨大な学習量を通じて学位取得をめざします。
そもそもイスラエルでは徴兵制を実施しており、男性は3年間、女性は2年間従事する。
イスラエルは資源が限られております。その中で、国力を確実に伸ばすために資源の集中を選びました。

タルピオットでは計7点の力を伸ばしていきます。
①課題を見つけて解決策を生み出すクリエイティブシンキング
→ここでは、自分の安全地帯(comfort zone)から抜け出し、課題を疑い、必要に応じて課題の再設定を行う
②イノベーションを生む力
→アイディアを発想するだけではなく、組織内での物事の進み方を把握して実行力を得る
③現場の声を聴く顧客主義
→成功/失敗事例も含めて現場の声を聴くこと
④チームワーク
→速く学ぶために、チームで学ぶことを意識する。
⑤失敗を恐れず、困難に直面する前向きさ
→失敗から成功に至るまでのプロセスを体感することで得る
⑥粘り強く任務を遂行する精神力と時間管理能力
→軍事訓練と並行して学位取得もめざすため、達成するまでに精神力と時間管理能力を身に着ける
⑦仲間意識、ネットワーク
→約3年間のプログラムを通じて、チームワークを進めた結果、仲間意識やネットワークが醸成される。

タルピオットのない日本でできること

日本にはエリートプログラムはありません。その中で何ができるのかと考えると、日々の積み重ねで研鑽していくことかと思います。飛び道具はありません。各項目ごとに(必要なものは集約して)、できる施策を考えてみました。
各項目には、「自分でまず考える」を前提においてください。

①課題を見つけて解決策を生み出すクリエイティブシンキング
・まずは、自分にとってのコンフォートゾーンとは何かを把握する
・いつも使っているフレームワークではない思考のフレームを使うこと
②イノベーションを生む力
・アイディアを生み出すためには、「これはイノベーティブだ!」と思える製品やサービスを探す。どこがイノベーティブか、理由も考えること
・組織のキーパーソンと、施策決定までのプロセスを把握すること
(あわよくば顔を売れると良い◎キーパーソン探しは、プロポーザルマネジメントの知見があると◎)
③現場の声を聴く顧客主義
・相手との接点を増やす
・相手がどのような状況か、何が課題化を考える。その際、「自分の所属団体のサービスは相手に受け入れられるか」という聞き方ではなく、「相手の課題は何か」など、相手の将来を考えたヒアリングをする
・現場の中でも、特にキーパーソンになる人を見定める(cf. プロポーザルマネジメント)
④⑦チームワーク、仲間意識、ネットワーク
・チームワークを作るためには、まずはアイスブレイクを徹底する。アイスブレイクの項目としては、個人情報に追加して、コミュニケーションスタイル(チャットが好き/対話が好き)や学習スタイル(1人でコツコツ派/集団でやりたい派)などを明らかにすると良いかも
・仲間意識やネットワークづくりについては、追って勉強(持続するネットワークづくりはまだ知見がない)
⑤失敗を恐れず、困難に直面する前向きさ
・まずは失敗を奨励する環境を作る(cf. 心理的安全性)
・失敗を風化しないために、ドキュメント化を進める(cf.ナレッジマネジメント)
・失敗から成功までのプロセスをコーチングする、または伴走する存在を作る
⑥粘り強く任務を遂行する精神力と時間管理能力
・⑤での環境で前向きさを醸成する
・精神力を醸成せざるを得ないポジションに置く
・優先順位付けをする

以上、ザーッとまとめてみました。結局施策に落とし込むと、内省、優先順位等、かねてより言われていた内容に立ち返ると思います。
いかに基礎を徹底するか、1日を大切に生きるかで変わってくると思いました。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?