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オンラインライブを観た2021⑥(3.3 HINA-MATSURI/3.6 桃野陽介)

3.3 HINA-MATSURI 2021@ TSUTAYA O-EAST(アーカイブ3.9まで)

"地方にいながら東京のスペシャルライブが観れる"というオンラインの醍醐味を去年、最初に実感したHINA-MATSURIが今年も開催。日向秀和が主宰となり、様々なアーティストとの共演を果たすコンセプト、ありがたいです。

1番手はHINA-MATSURI BANDのキーボードを務めるちゃんMARI(ゲスの極み乙女。)のソロ、FUKUSHIGE MARI。バンドメンバーはビートさとし(Dr)、雲丹亀卓人(Ba)、景山奏(Gt)、maigoishi(Key)というキレキレのメンツ。まだバンドセットは2度目だというが、かなり緻密なアレンジをアグレッシブに届けていてぐいぐい引き込まれる。ボーカリストとはまだ荒削りなちゃんMARIだが、その佇まいの涼やかさは普段の突拍子もない振る舞いからはかなりギャップがあって驚いてしまう。クールで滑らかなダンスチューンとシックな雰囲気のピアノバラッドを操るこのプロジェクト、まだまだ可能性秘めてる。

続いて今年の箱バンドとして「パジャマで海なんかいかない」なるプロジェクトが登場。鍵盤に別所和洋、ベースに日向秀和、ドラムに松下マサナオ(Yasei Collective)を迎えたジャムセッションを基調とするグループとのこと。まずはボーカルにNothing's Curved In Stoneの村松拓。かなり技巧派なバックバンドを備えながら、全編ストレートなメロディが光る歌モノを披露していて驚いた。どんな楽曲でも「俺よりギターみたいな音でピアノを弾けるやつはいない」と別所氏が語っていた通り、ギターレス編成とは思えない太さで届けていた。NCISの楽曲も普段とは異なる装いに仕上げきっていた。

最後はストレイテナーより我らがホリエアツシが登場。entの「Autumn Nightmare」を軽やかに奏で、ストレイテナーの隠れ名曲(「Melodic Storm」のカップリング)「Dive」をタイトに披露。アタックの強い鍵盤の音と骨太なリズム、まさに"パジャうみ"の真骨頂たるサウンド。そして驚きのカバーとして藤井風「やさしさ」。ハンドマイクに徹するホリエ、その滑らかな歌声にはうっとりせざるを得ない。その歌声もしっくり来るし、これ聴くだけでも一見の価値ありだと思う。ラストは大技、ミスチル「Tomorerow never knows」を衒いのない素直な歌声で披露。文句なしの大団円となった。

<setlist>
FUKUSHIGE MARI

1.スプーンの庭
2.CITY
3.沈丁花、低く
4.DRUNK
5.night dancer

パジャマで海なんかいかない
Vo.村松拓(Nothing's Curved In Stone)

1.イージュー・ライダー(奥田民生)
2.月に読む手紙(ストレイテナー)
3.ロックンロール(くるり)
4.Shimmer Song(Nothing's Curved In Stone)
5.Dream in the Dark(Nothing's Curved In Stone)

Vo.ホリエアツシ(ストレイテナー)
6.Autumn Nightmare(ent)
7.Dive(ストレイテナー)
8.優しさ(藤井風)
9.Tommorow Never Knows(Mr.Children)



3.6 SEVEN’S UTOPIA #2 ~生活に必要な音楽~ (アーカイブ3.13まで)

サブスク解禁によってモノブライトづいてた週だし桃野さんに引用リツイートされたおかげでnoteの記事もめちゃくちゃ読んでもらえたので、お礼をしたかった折に弾き語りライブの配信があった。迷うことなく購入しました。

1曲目は「冬、今日、タワー」。あぁこれは弾き語りでもしっくりくる。活動休止前は歌心を全面に出した曲も多く、こういう素の状態を聴けるのはありがたい機会。沁みきっていると印象的なイントロで「未完成ライオット」!デビュー曲で、荒々しいロックサウンドが耳に突き刺さる1曲なわけだが弾き語りだとどこか切なく、孤独なイメージが浮かんでいく。桃野さんの歌声も年を重ねたが故の良い渋みもあり、原曲からのイメージをがらりと変える。「あの透明感と少年」の、青々しさと未練が迸っていた原曲に比べれば随分と大人びていて、昔の出来事を回想しているかのような味わいがあった。

来週に控えているレコーディングに向けて(決して練習ではないと念を押していた)、新曲を披露。ソロ初作品だった『Momonoband』にも顕著だったが今の桃野は圧倒的に"聴かせるメロディ"にフォーカスしているように思う。具体的で私小説的な内省たち。早くレコーディングされたものを聴きたい。そこに連なるように歌われたのは「いとをかし」。「アナタMAGIC」のカップリングであったマニアックな選曲だが、意外にもソロ曲との呼応性も高く、モノブライト時代からしっかりと培われてきたことが分かる。ラストは、「ショーシャンク」的な曲という前フリを盛大にこけさせる「JOY JOY エクスペリエンス」をカラッと届けて本編は締めくくりとなった。

アンコールではこの日の共演者である未完成VS新世界の澤田健太郎とともに、自分たちの共作曲をという前フリでスピッツ「チェリー」をぐだぐだに鳴りながら弾き語り。桃野さんがサビで下ハモを担ったの、凄く良かった。

<setlist>
1.冬、今日、タワー
2.未完成ライオット
3.あの透明感と少年
4.ファントムボーイオンザラン
5.東京
6.何もなき詩
7.いとをかし
8.JOY JOY エクスペリエンス
-encore-
9.チェリー(スピッツ) with 澤田健太郎(未完成VS新世界)


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