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【恋愛エッセイ】3人の女の分岐点と私の平和な休日

今週末はインスタグラムを見るのが憂鬱だった。

なんてたって3人の知り合いが結婚式(披露宴)を挙げたそうで、
フィールドやストーリーズがその写真であふれかえっているからだ。

うらやましいとかそんなのではない、はず。
ただ、少し考えさせられるから疲れる。

1人目は東京の超有名外資系ホテルで盛大に披露宴をしていた。
これでもかと盛りにもられたフリフリのドレスが彼女に似合っていたけれど、どうしてもお祝いのコメントをする気にはなれなかった。
(そこまで深い仲でもないのが事実だけど)
それよりも彼女達の前にドンと置かれたケーキがいくらするのか気になった。

彼女がこんな式を想い描いていたなんて検討もつかなかった。
そしてこれが彼女が掴んだ幸せなんだと思うとなんだかなんとも言えない気持ちになる。


2人目はカジュアルなガーデンウェディングだ。
なんとも可愛らしい、そして彼女達らしい式だと思った。
マーメードスタイルのドレスを着こなす少し痩せた先輩を見ると
「おめでとう」の言葉より先に、この日の為にどれだけダイエットしたのかな、なんて考えてしまう私は相当ひねくれているがそれも確かに私なのだ。

結婚した旦那さんと出会う前にどれだけ彼女が恋愛に悩んでいたか、
彼女の過去を知っているからこそ、ガーデンに映える外国人である旦那さんの笑顔を見ると、これが彼女が求めていたもの、そのものなんだと知った。

クルクルに巻いた長く黒い髪の先輩、昔はブリーチしてハイライト入れまくってたのにな、なんて思い返す私はもしかしたら彼女を羨んでいるのかもしれない。

3人目は沖縄でビーチウェディングをしたようだ。
恋愛に情熱的でかなりオープンだけどいつもこじらせていた、そんな先輩が誰も予想しなかったような男性の隣に並び、青すぎる海をバックにツーショットで写っているんだから、私はなんとも言えない気持ちになる。
彼女はむかし、外国人、特に白人が好きだと言い張っていたのに、
いま、彼女の隣で笑っているのは真面目そうな黒淵メガネの日本人男性だ。

片思いしている白人の旅人に会いにバリ島に飛んでいったことを自慢げに話していた彼女を私は忘れない、だけど、なんとなく先輩が日本人の彼と落ち着くことになりどこかでホッとしているというか、「そう落ち着いたか!」と私は関心してしまう。

3人の女の人生の分岐点が今週末だったようだが、私の週末はいつもと変わらず平和的で良い意味でフラット。
結婚はしてないし、ドレスも着ていない、なんなら髪もとかしていないし、化粧だってもちろんしていない。

私は特に夢もない、恋人もいない、お金もそんなにない、自慢できるものもない、普通のアラサー。

いつか私もこうやってインスタに自分のウェディングドレス姿を投稿し皆に見てもらう日がくるのだろうか…

なんて考えると、気が遠くなり気持ちが変に焦ってしまって、この感情をどこにしまっていいのか分からなくなったから、私は今夜ひとりで家にこもってジャスミンティーを飲みながらこのnoteを書いている。

どうか、この3人の女たちに………幸あれ。
そして私にも幸あれ。

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