ゆるふわ構造化ヒアリング 基本編

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プランナーの柴田です。

企画や提案を考える時に「クライアントから〜の部分を聞いておけばよかった」と後悔したことはありませんか?私はめちゃくちゃあります。

企画の段階においてはクライアントサイドの要望が決まりきっていないことがほとんどです。そのため、リスト形式のようなヒアリングでは検討時に情報が不足してしまいがちなのです。ヒアリングが不足していると表面的な要望から根幹部分を推測することになってしまい、それに依拠した企画でクライアントを納得させられなかったことなど一度や二度ではありません。

これはちょっとした改修やデザイン変更の提案時にも同じことが言えます。きちんとしたヒアリングがなされていないと、こちらからの提案は的外れになり、納得させるのに十分な説明ができなくなるのです

今回はヒアリングにおいて、根幹部分の要望や具体的なイメージを拾い上げるためのポイントを整理してみました。やや長くなってしまいそうなので、ヒアリングのポイントを説明するための基本編と、ゆるふわレベルの方法論を紹介するための実践編で記事を分けて提供します。

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必要なのはヒアリングではなくインタビュー

「ヒアリング」というタイトルにしてしまいましたが、実はいわゆるヒアリングは本来英語では"Interview(インタビュー)"と言うべきものです。日本語で表記するなら「取材」が近いでしょうか。"Hearing"では受動の意味が強過ぎて誤解されがちですが、本来「聞く」のではなく「相手から提案材料を引き出す」のがヒアリングで重要なことなのです。

実際の場面では、相手が用意してきた要望を単に聞いてしまいがちではあります。しかし「こんな機能を入れたい」「デザインテイストはこれで〜」と表面的に聞いたことをそのまま持ち帰りプランにする行為は提案ではなく作業と呼びます。良い提案はこちらで咀嚼し再検討した上で提供されなければなりません。そのためヒアリングでは、先方の要望は単なるやりとりの入り口として捉え、どれだけ咀嚼可能な情報を引き出すかがポイントになるわけです。

聞くべきはコアの部分 、「目的」と「根拠」

では何を聞いてきたらいいのか。ポイントは2つです。

・プロジェクトの「目的」をしっかりと掴むこと
・引き出す情報は必ず「根拠」や「理由」とセットにすること

前者は提案の大前提となる重要な要素です。プロジェクトには何らかの目的があり、提案や企画はそれを達成する手段を考えることに他なりません。目的を達成できるのなら表面的な要望はすべて無視した提案でも喜ばれ、逆にここを抑えていなければ革新的な提案も空を切ることになります。

後者は各項目を検討する時の土台になる部分です。根拠という名の土台がしっかり出来ていなければクライアントを納得させる提案はできません。当然ながら「赤にして」という要望に対して「青の方がいい」と提案するためには根拠が必要です。赤にしたいという要望と一緒に「可読性を高めたいから」という根拠を聞き出して初めて「背景色との相性を考えれば青の方が読みやすい」という提案ができるのです。

実はこの2つ、本質的には同じ「提案時の根拠集め」であり、プロジェクト全体のマクロ視点か各要素ごとのミクロ視点かの違いぐらいしかありません。煎じつめれば「目的に合致」して「提案の根拠が明確かつ適切」であれば提案は通せます。そのため、ヒアリングでは「どのようにしたいか」よりも「なぜそうしたいのか・すべきなのかという」部分を明確にして、その部分に対してこそ企画や提案を考える必要があるのです

構造化しながらのヒアリング

「んじゃ、クライアントが言うことに対して片っ端からなんで?って聞いてくのかよ。エジソンか俺は。」と思われた諸兄。おっしゃる通り、片っ端から聞いていったらアホみたいだし嫌がられるに決まってます。

そんな人にオススメしたいのがヒアリングしながらの構造化です。構造化とは(難しい定義を差っ引くと)「どんな要素があって、それぞれがどんな関係性にあるかがわかりやすくまとまっている状態にすること」だと思ってください。Webサイトの階層構造図とかロジックツリーとかは典型的な構造化情報ですね。

ヒアリングで聞き出した要素同士を「要望」と「根拠」の関係で構造化できれば、どの要望がどんな根拠と紐づいているか、逆にどの要望が根拠と紐づいていないかが明確になります。そこさえ明確になればあとは不足している根拠の部分を聞き出したり、根拠から要望を具体化していくだけです。例としてヒアリングした情報をロジックツリーの図にすると、こんな形で聞いてきた要素を整理するイメージです。

これを見て瞬発的に「こんなのヒアリングしながら作るの不可能だろ!」って思った方、正解です。ヒアリング時は雑多で抽象的な情報をさみだれ式に聞くことになり、このように綺麗に整理していくのは至難です。見えない聞きもらしや要素同士の関係性も分かりにくいため活用しにくいものになってしまいがちです。

そこで実践編ではもう少しゆるくふわっとした構造化で、情報を整理しながら必要な部分で質問をするテクニックを紹介したいと思います。


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しばた / Fenrir Inc.

フェンリル株式会社のデザイン部所属のプランナー。主にアプリやWebサービスの企画などを担当。 柴犬が好きだが飼ってないし描くこともできない。趣味は自転車、旅行、漫画、睡眠。 論理的な考え方が好きだが、単純に自分の直感が頼りなさすぎるだけのような気もしている。

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