紙布織 山内ゆう

島根県西部・石見地方で1300年の歴史を持つ石州和紙を素材に日々、糸を紡ぎ、布を織って…

紙布織 山内ゆう

島根県西部・石見地方で1300年の歴史を持つ石州和紙を素材に日々、糸を紡ぎ、布を織っています。 ◎https://shifuori.com/https://www.instagram.com/iwami_ori_yuy/

最近の記事

まだ挽回できそうな気がする。

友達と柿渋を作りました。 発酵して、ぷくぷく〜! みんなで作業する時間に、とても癒やされました! ・ 昔から、点と点を直線で繋ぐように動くところがって、それは限られた体力のなかでやるべきことを片付けるため身に付けた術のようでした。 また、そうやって自分の直線だけを見詰めて進むことで、自分の人生に他人が介入することを防ごうとしてきたのだと思います。 しかし最近、やっと体力も回復してきました。 そして、私は今、人と関わっています。 (どうしてこうなったのか、考えるほどに分

    • タテ糸とヨコ糸。いきさつ。敬意。

      「見えないケイイ。」展 皆さまのお蔭で、無事に終了いたしました。 ご協力くださった方々、ご来場のお客様に改めて感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。 今回たくさんのかたとお話しをさせていただいて、アートというのは、対話によって完成されるもの、つまり、その場に居合わせる人が変われば、作品も変わるんだと感じました。 厳密に言えば変わるのは作品の見方や解釈ですが、作品自体が変わると言っても良いような印象です。 私は作品と一緒に、私も喜んだり、照れたり、拗ね

      • 「見えないケイイ」展の1ヶ月半。

        展示もいよいよ終わりが近付いてきました。(寂しい…) お盆期間は、11-15日、14:00-18:00&20:00-23:00で営業いたします。 店舗の営業に準じて、展示の最終日は15日となりましたのでご留意ください。 連日暑くなりそうですが、みなさまのお越しを心よりお待ちしております! ///// ///// ///// 「見えないケイイ。」 どのような経緯があったのか。石州和紙は経糸になり、カレンダーは緯糸になった。 どのような敬意があったのか。2本の糸はであって布に

        • 7/1~8/16 見えないケイイ。

          島根県温泉津町にて個展を開催いたします。 今回は初めての試みで、紙布の技術を応用して、カレンダー(空き家からいただいたもの)から布を作りました。 その布を「時布(じふ)」と名付け、下の通りにお披露目をさせていただきます。 ///// ///// ///// 「見えないケイイ。」 どのような経緯があったのか。石州和紙は経糸になり、カレンダーは緯糸になった。 どのような敬意があったのか。2本の糸はであって布になった。 会場・ギャラリー時-Toki-(島根県大田市温泉津町

        まだ挽回できそうな気がする。

          最近のこと。いろいろ。

          棉農家の加藤完一商店さん、縫製家のAoi needle workさんと、服作りの事業をはじめました。(私は、糸を布に織る作業を担います) なんと全員、島根県内の事業者なのです! どんな素敵なものができるのか、我々3者が一番わくわくしています。 しかし、せっかくなので、みなさんにも一緒にわくわくしてもらおうではないか!ということで、先日、棉の定植イベントを開催いたしました。 日本の棚田100選にも選定された、山王寺の棚田の休耕田を活用された圃場です。 当日はお天気も良く、

          最近のこと。いろいろ。

          初めての作品展の振り返り。

          4/15,16の展示、「紡ぐ〜山内ゆう染織作品展」から2週間が経ちました。 展示が無事に終わったら一息つけると思っていたのですが、注文が入ったり、なんだりかんだり、ずっとばたばたしていました。(展示の翌日には、次のギャラリー展示について、夜中まで打ち合わせをしたりしていた) なかなか気持ち的には落ち着かないのですが、5月がまた怒涛の予感がするので、今日は思い切ってのんびりしています。 さてさて、やっと2週間前の展示の振り返りを、自分の記録として。 ・ 昨年の末くらいに、

          初めての作品展の振り返り。

          4/15,16 「紡ぐ」山内ゆう染織作品展

          展示をさせていただくことになりました。 「紡ぐ」山内ゆう染織作品展 日時:4/15(金)16(土) 10:00~16:00 場所:三原平田家母屋(「三原郵便局」をナビに入力してお越しください。駐車場係がご案内します) 入場:300円(高校生以下無料、コーヒーまたはお抹茶付き) 小展示:小西さんの自家栽培綿、手紡ぎ、手織りの布 物販:小丸さん(パン、キッシュ)、木下さん(パン)、ほか ※とても美味しいのに、数に限りがあります。 会場は江戸時代にタタラ製鉄で栄えた立

          4/15,16 「紡ぐ」山内ゆう染織作品展

          自分のことなのに、自分の手から離れて不本意な消費をされるところだった。そんなことを許してはならない。これは私の為事だ。 真面目すぎて苦しくなることもあるけれど、それでも、真面目であること。 ここ数日の葛藤に決着が着いて、法螺貝を吹きながら雄叫びを上げたい。(全然真面目じゃない)

          自分のことなのに、自分の手から離れて不本意な消費をされるところだった。そんなことを許してはならない。これは私の為事だ。 真面目すぎて苦しくなることもあるけれど、それでも、真面目であること。 ここ数日の葛藤に決着が着いて、法螺貝を吹きながら雄叫びを上げたい。(全然真面目じゃない)

          考える。ただ、自分が納得するために。

          セミナーで、紙布について30分ほどお話しをさせていただきました。 アーカイブです。 自分の考えを文章ではなくて声で表明することは初めてだったので、理論の弱さをつつかれないかなど考えて迷いましたが、結果的に一歩進めたような気がするので良かったです。 これからも声を出して、ちゃんとした批判をいただき、自分の考えを深めていけたらと思っています。 まぁ、しかし、誰も私に理論的な強さは求めていないでしょう…笑 私は自分の感情を動機に動けない人間なので、大義を持たないと仕事を続けられ

          考える。ただ、自分が納得するために。

          書くこと、織ること。

          文章(text)の語源としての「織る/編む」が、最近とてもおもしろいです。 はじめて布を織ったとき、自分の頭の中にあるイメージを布に落とし込み、そして機織り機から下ろして手に取る…さっきまで頭の中にもやもやと漂っていたものが実体を持っている!と、感動と同時に、意味が分からないと感じたのを覚えています。 頭の中にあるものを取り出して形を与えるという工程が、文章にも共通していて、それ故語源になったのかと。 しかし、私が以前書いたnoteを受け取ってくださったかたの文章を見て

          書くこと、織ること。

          たくらんでいることと、2/4の覚書。

          6月に島根県内で作品の展示をします。 たくらんでいることに必要な、空き家に残されたカレンダー。 寒い寒い立春の日、一軒の空き家から14組ものカレンダーをいただきました。 ・ ・ 朝、「新聞見たよ」との連絡をもらい、先日の取材が記事になったことを知る。まだ数日先だと思っていたので、不意を打たれて驚く。 9時、担当者さんが地域おこし協力隊の月面談のために家に来てくださり、最近の仕事の話をする。 そして前からの約束通り、空き家に案内してもらう。 「家の中どうなってるか分から

          たくらんでいることと、2/4の覚書。

          いちりんほどの暖かさ。

          庭の水仙が咲きました。 手入れの行き届かない庭の隅のほうで自生していて、でも球根なので、どうやって自生したのかなと思っています。 誰かが球根を捨てたのか、それとも、どうにかして種から育ったのか。 …なんでもええ、なんでもええ、 生きてさえいれば、なんでもええ… 目の前にいる私とは目を合わせずに、祖父は言った。 祖母が脳梗塞で倒れて、一命は取りとめたけれど、後遺症が残っていた。 あきらめと、さみしさが、目の奥に巣食っていた。 その頃、私の人生には島根の「し」の字もな

          いちりんほどの暖かさ。

          全国伝統的工芸品公募展で入賞いたしました。

          タイトルの公募展で、全国商工会連合会会長賞をいただいて、その作品と賞状を持って県知事へ表敬訪問をさせていただきました。 こちらは木綿の帯地になります。 このデザインは、銀座を歩いていたときにショーウィンドウに見つけた南国柄のスーツを見て、「これを絣で表現したものを見てみたいな〜」という好奇心から生まれました。 あえて伝統的な藍染の紺絣にすることで、柄の自由さ、めずらしさが引き立つようにと考えました。 こちらの公募展の主旨が「⾧い間受け継がれた伝統的技術・技法に、現代生活の

          全国伝統的工芸品公募展で入賞いたしました。

          WEBサイトを作っていただきました。

          紙布織 山内 https://shifuori.com/ 制作は、町に移住するころからお世話になっているRIVERBANKSさん。 撮影は、隣町で里山開拓をされているシーラカンス食堂さんのかたがた。 みなさまのお蔭で、見た目もかっこよく、内容もしっかりしたサイトになりました。 紙糸作りと、織りの流れを文章で。 写真も一日掛かりで撮影していただきました。 プロのお仕事って、やっぱりプロだなぁと。当たり前ですが。 サイト制作にあたって、私がモヤモヤモヤと行きあたりばった

          WEBサイトを作っていただきました。

          ひとりは、ひとり。

          ちゃんと決別したはずの孤独が 石鹸のようにつるっと滑り込んできたので。 びびって。 枯野に飛び出した。 ◎作業風景Instagram https://www.instagram.com/iwami_ori_yuy/

          ひとりは、ひとり。

          2021年、冬の日。

          11月、12月、 大切な人がふたり、立て続けに天国に旅立ちました。 まだまだ会えると思っていた。 自分の慢心が悔しいです。 そして、どちらもお見送りすることが出来なかった。 本当なら仕事のスケジュールの合間を縫って駆け付けるところですが、体の調子が悪くて動けませんでした。 「居場所」なんてただの幻想と思っていましたが、人こそが居場所で、私が失ったのは大切な人と、大切な居場所だったのだと感じています。 ・ 祖父のこと。 小学生の夏休み、家族はそれぞれに忙しく、私だけが

          2021年、冬の日。