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読書日記

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読書の記録。
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読書日記『東京のぼる坂くだる坂』

読書日記『東京のぼる坂くだる坂』

星々ワークショップ第6回の課題図書。読書会用に印象に残った3箇所の抜き書きと、それに関するメモを用意したので、読書日記にも合わせて載せます。

機械で時を計るには時間というものが一定の速度で進んだ方が都合がいい。そうでなければ測れない。人が、時間は一定の速度で進むもの、と考えるようになったのも、時計ができたからなのかもしれない。(p.143)

主人公・蓉子は、亡くなった父から遺された「住んでいた

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読書日記『そして、バトンは渡された』

読書日記『そして、バトンは渡された』

しばらく本が読めていなかった。久々に読む本として選んだのは、瀬尾まいこさん『そして、バトンは渡された』。2019年の本屋大賞受賞作だ。

悲しいわけではない。ただ、私たちは本質に触れずうまく暮らしているだけなのかもしれないということが、何かの瞬間に明るみに出るとき、私はどうしようもない気持ちになる。(p.219)

主人公の優子が、義父・森宮さんとの行き違いに直面した際の一文。一見、平和で安定した

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読書日記 『ここじゃない世界に行きたかった』

読書日記 『ここじゃない世界に行きたかった』

本の感想を書くのは苦手だったのだが、書き残さないことには読んだそばから中身を忘れてしまっている。
ということで、2021年は読書日記をつけることにした。日記を書くにあたって、とりあえず決まりを2つ設けてみる。印象に残った文章をメモすること、そして何故印象に残ったのかを記録しておくこと。

日記をつけようと思い立ってまず読んだのは、塩谷舞さんのエッセイ集『ここじゃない世界に行きたかった』。

同じ種

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