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シキミ
2017年7月26日 15:18
わたしが両手いっぱいにのせているその小さい水晶のようなものはひとつひとついびつだがどうにか丸さを保っているこのひとつひとつにわたしを吹き込むのだふきこんだそれは透明からさまざまな色に変わり手からこぼれ落ちて道をつくる点々と落ちるにじいろのそれはわたしが歩んだ場所を色あざやかに飾るのだしかし色づいたそれを見ることはできなかった色づいてこぼれ落ちるその瞬間は
2017年7月18日 23:19
不安の種を食べた苦くて甘いいびつな形駅の階段を上っているときか14階の屋上から右折する車を見たときか発芽に最適な36度チカチカひかって種が萌え規則的な鼓動のリズムが母親が子供の背中を優しく叩くように細くて長い白い根を育ててく心をしっかりにぎりしめじわじわじわじわ侵していく優しく優しく締め上げてたっぷり栄養吸い上げる不安の種は結実し不安の種を撒
2017年7月13日 22:21
死臭が吹くプランクトンの死の臭い腐ったそれらは深く沈み分解され海から酸素が奪われる死臭が吹くよく知る不快なその香り海に浮かぶ死体が沈む死臭が吹く顔を背けるその匂いそれは死の臭いだからかもし死が甘いものならこの風も甘く感じるだろうか
2017年7月12日 01:32
雪を撫で冷気をはらんだ風が吹く足首をなで項をなでて頭上高くに抜けてゆく風の隙間を見つけたらすぐさま差し込む強い日が冷気に喜ぶ項を焼くじりじりとじりじりと四肢で感じる温度差がここがどこかを教えているハイマツの影にらいちょう頭上を気にしてちいさい影と共に歩むまた飽きずに一人旅に行ってきました。らいちょうが見たかったなあという詩。へたくそな上に
2017年7月4日 03:35
描けずに迎える午前三時黒鉛は擦りきれ進まないこんな時間の来訪者久々の友 食欲だおうどん食べたいおうどんが土鍋でクツクツ煮えている箸で持ち上げると汁を跳ね上げくったりと出汁に沈んでいくようなとろとろにとろけた白ネギとほんのすこしの豚肉のかけらほんのり甘い出汁がふわふわと湯気を押し上げるおうどんが食べたいああ食べたい卵をひとつ落とそうかう
2017年7月7日 01:53
ざあざあと雨ばかりを運んだ季節外れの台風が去りおおみず飲みの紫陽花が最後とばかりにみずを飲む雨にとけだす地面のいろを吸い上げてアスファルトに覆われた地面のいろを暴露するじつはね地面はほとんどみどりいろ植物たちが吸い上げた色素をふくんだみずが葉を茎を染め上げるあちらの地面はむらさきいろこちらはももいろあおいろとおおみず飲みの紫陽花は地面のい