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計算尺HEMMI No.2664Sで地震の規模を計算して分かったこと

そのむかし「計算尺」というアナログ計算器がありました。
竹製です。
計算尺とそろばんで、零戦や戦艦大和、東京タワーや新幹線を作っていたなんて、今では信じられない話です。
海外だと、最初期の原子炉、原子爆弾、宇宙船、人工衛星を作るのにも計算尺が使われていました。
世界で初めて原子炉を作ったイタリア人物理学者エンリコ・フェルミは(「フェルミ推計」のフェルミさん)計算尺の達人だったそうです。

今は製造販売されておらず(電卓がありますから)、わたしはネットオークションで買いました。

宮崎駿監督(スタジオ・ジブリ)の映画『風立ちぬ』では、主人公の堀越二郎が計算尺を使って計算しているシーンがありました。

本題。

「阪神淡路大震災(M7.3)の地震規模は、金曜日(2021.10.8)に千葉県北西部で起きた地震(M6.1)の地震規模の何倍か?」
※マグニチュードが1上がるごとに地震の規模は約32倍になります。(約30倍と覚えておくと便利)

を、計算尺HEMMI No.2664Sモデルを使って計算してみることにしました。 

約63.1倍。

電卓で検算してみると。

64倍。

だいたいあっていますが(誤差は1.4%くらい)、それにしてもこんなにきれいな値になるとは意外で、よくよく、元の

32^1.2

を眺めてみると。

    

実は計算尺(電卓)を使わなくても手計算で求められたことに気がつきました。

国立大学の理系出身者らしからぬ
(一応これでも大阪大学理学部化学科卒です)
迂闊ぶりでした……

安易に道具(ツール)に頼らず工夫しろ

という天の声だと受け止めます……

それにしても
個人的に、計算尺を復活させてほしい。
計算精度はもちろん電卓にかないませんが

●指数対数や三角関数になじめる
●有効数字や誤差の感覚が分かる
●工夫して計算する習慣が身に付く
●スケールをきっちり合わせて目盛りを読む集中力・注意力が身に付く

テストの点数には出てこないよさが、計算尺にはあります。

何より、停電していても使えます。
電気も機械もいらない。保守費用ゼロ。
防災グッズに計算尺を入れてもいいくらいです。
計算尺を復活させたい……

長さは30cmくらい。

裏面にも目盛り。三角関数と常用対数。

便利な換算表まで。至れり尽くせり……

【著者プロフィール】
1976年、兵庫県神戸市生まれ。1998年、大阪大学理学部化学科卒業。2008年、兵庫鍼灸専門学校卒業。神戸大学大学院医学研究科修士課程中退。2015年、兵庫県西宮市に「はりねずみのハリー鍼灸院」を開院。

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