どうすれば習慣形成できるのか?

1.問題意識

 なぜ、人は習慣をつくることが苦手なのか。なぜ、一度やろうと決めたことを続けることができないのか。いまからおよそ1か月前に、とにかく「書き続けること」によって思考の言語化をする、「書く」という行為に慣れるということをしたいと考えた。しかし、それが続いたのはわずか数日間だった。人は何かを続けることが苦手なのかもしれない。多くの人が、なにかを続けようと思い立つものの、それに失敗しているということは経験からもよくあることのように思われる。例えば、続けようと思ったダイエットの失敗、続けようと思った英語の勉強が続かない、毎日散歩しようと思ったけれども結局は続かない、など。
 私たちは、「続けたい」という希望や欲望をもちながらも、結局なんらかの理由で続けることができないでいるということは紛れもない事実であると考えられる。では、私に限っていえば、なぜ投稿を続けることができないのか? 
 私は、いつも何か原稿を書くときには、大きく3ステップで書くことが多い。

執筆の3STEP
①構想段階+資料収集 ②下書き段階 ③修正・推敲段階 

もっとも、Noteなどの投稿は、そのほとんどが構想を立てて、下書きをして、ろくろく修正や推敲をせずに投稿(公開)してしまうことの方が多い。ともかく、今回の記事を書くにあたっても、まずは構想をということでいくつか章立てを考えていた。そこで、先にしめした中心的な問いに対する仮説として、次の二つを考えた。つまり、わたしは次のような理由から投稿を続けることができないのではないか、と:
①ネタがない、②投稿すること(むしろ書くこと)に対して少なからずハードルがある

2.中心的な問い

ここまで考えたところで、次のような疑問が生まれた。そもそも、なぜ人は習慣化することが苦手なのだろう、と。そこで、Googleで次のように検索をしてみた:「習慣化 なぜできない」。驚くべきことに、習慣化できない理由については、(逆にどうすれば習慣化できるかという視点から)習慣形成というひとつの研究キーワードで、大変多くの研究が行われていることがわかった。

3.「やらなきゃ!」よりもルーチンワークを刺激にする

 その中の一つの記事(島崎、2024)によると、習慣形成をするうえで、「やらなきゃ!」というのはかなり負担が大きい、ということである。つまり、私の文脈で考えれば、「投稿頻度を上げることでアウトプットの機会を増やさなきゃ!」という願望を、記事の執筆という習慣形成にもっていくのは認知負荷が高く、とても難しいということである。

 では、どうすればよいのか。前掲の島崎(2024)によると、「日常にあるものを刺激にする」ということが重要であるという。つまり、日常のルーチンワークの中にあるものをきっかけとして行動を反復するこで、習慣形成が行われるという主張である。なるほど、こういう視点は気づかなかった。だから、自分の場合であれば、風呂から出てきたらブログを書くとかにすればよいのであろう。しかし、実践するにあたっても、最初は「今日は面倒だな」とか、「だる~」といった認知負荷が高い状態がつづくものである。これが低減するまでには、18日~254日(中央値は66日)を要するということである。だから、島崎は、はじめて2か月程度は「面倒でも頑張ろう」とい心構えが必要であると説く。

4.結論?

 わたしたちが日常生活を送り、何かを習慣づけようというときに、習慣づけが失敗することに嘆くことは多くても、なぜ習慣づけられないのかということを検討すること、要因をさぐるというところまではいかないことが多いように思われる。今回は、自分の特定の問題意識に目をむけて、それに対する要因を考えてみることとしたが、そういったことに対する解決策はあちこちに転がっているのかもしれない。もっとも、今回は複数の文献を検討してレビューするということは行っていないが、研究に目を向けてみることで、研究が私たちの悩みを解決する一助となってくれるかもしれない。

参考:
島崎崇史. (2024). 「誌上公開講座: 習慣形成の健康心理学」『心理学ワールド104』pp.28-29.

この記事が参加している募集

仕事のコツ

with 日本経済新聞

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?