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小説 陸王 池井戸潤

池井戸潤さんの小説、「陸王」を読みました。

2017年にテレビドラマが放映されたときは全く興味がなかった私ですが、
昨年からランニングを始めたので読んでみようと思いました。

埼玉県の小さな従業員20名ほどの足袋メーカーが舞台。
時代の流れと共に足袋の売上は年々落ちていく。
このままでは潰れるのも時間の問題という状態であったが、銀行員の坂本の提案もあって新規事業としてマラソン足袋を開発することとなる。というあらすじです。

世界一のランニングシューズを作ろうという一つの「想い」に向かって全員が突き進んでいく。
特に最初は非協力的だった人たちも宮沢社長の熱意によってこはぜ屋の「ファン」になっていくのは読んでて非常に感慨深くなります。

池井戸潤さんの小説は毎回思うのですが、専門的で技術的なこともよく研究されているなあと感心します。
今回でいうと、マラソンやランニングの走法やランニングシューズのことも詳しく書かれています。

この小説でキーワードの一つになるのが「ミッドフット着地」
昨今ランニングシューズは、ソール(底)が厚いシューズがどのメーカーでも主流になっています。

特につま先からかかとにかけて底の厚みが増すので全体的に前傾した姿勢になります。
前に蹴り出す時に反発力が増すので速く長く走れることができるのですが、一方でかかとから着地しやすい走法になりやすいという弊害があります。

かかとから着地すると膝が伸びた状態で着地してしまうのと、かかとの一点で衝撃を受けるため怪我をしやすくなるとも言われています。

ミッドフット着地とは足裏全体で着地することで衝撃を分散させることができます。
また、古来人間の走り方もミッドフット着地であり人間本来の走り方とも言われています。

実際どの走り方がいいのかは自分の骨格や好みにもよると思いますが、私自身もマラソンの後膝痛に悩まされており現在ミッドフット着地を試しているのですが先日30km走っても筋肉痛だけで脚の故障は全くありませんでした。

小説のモデルとなったと言われている埼玉県行田市の「きねや足袋」さんで実際にマラソン足袋が販売されているので買ってみようかなと思います。

小説を読んだあと、今ドラマを見ているのですが、これも毎回感動的ですごく面白いです。主演の役所広司さんの演技は、随所で言葉に表れない内面の感情をうまく表現しており、見ている人を共感させのめり込ませると思いました。

そしてこの小説とドラマを見て、マラソンやランニングに対するモチベーションがさらに高まりました。


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