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一度に一つずつ

シングルタスクで物事に取り組むように意識しています。気を抜くとすぐにマルチタスクで複数のことを同時に処理したくなりますが、そのような時は砂時計をイメージするようにしています。

砂時計の砂は一粒一粒落ちていきます。どんなに急ぎたくても一粒ずつしか処理されません。3分かかるものは3分かかるのです。仮に砂以外の何か(これを別タスクと考える)を同時に落とせば、その分落ちきるのに時間がかかるのです。

「いや、マルチタスクで複数の処理を平行して進めることはできるぞ。例えば、料理とか」

たしかに。

しかし、この場合、複数の処理を同時に平行して進めているようにみえて、料理をしている人そのものに着目すると、複数のタスクを細かく分解して、整理し、並べ直して直列に一つ一つの処理を逐次実行しているのです。あくまで、同時に処理する(できる)のは一つ、です。

よく誤解されますが、マルチタスクは複数の処理を同時に取り扱うことで実現するのではありません。そうではなくて、シングルタスクで一度に一つの処理を行うことで複数のタスクを処理できるようにタスクの処理の仕方を設計(分解、整理、並べ直し)して実現するものです。段取りをつけると言ってもいいと思います。

段取りをつけずに、砂時計を無視して複数の処理を同時に行うことではマルチタスクはできません。マルチタスクにはシングルタスクが基礎にあるため、シングルタスクで処理がうまくこなせないとマルチタスクはできないのです。

まとめると、

シングルタスク:
 処理を一つずつ集中して逐次的に処理する

マルチタスク:
 まず複数のタスクの処理の仕方を設計してから、処理を一つずつ集中して逐次的に処理する

誤ったマルチタスク:
 いきなり複数の処理を同時に処理する

ということになります。こう考えると進捗を間に合わせるためにメンバーを急かして(誤った)マルチタスクを強要するマネージャの有害さもよく分かります。マネージャの仕事は急かすことではなく段取りを組むことです。

砂時計を無視した人間理解をしないように気をつけたいです。

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