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ユートピア都市の書法 クロード=ニコラ・ルドゥの建築思想【法政大学出版局】

小澤京子 著
A5判/286頁/4,000円+税

ルドゥの建築と都市をめぐる構想は、「文字」と「言語」、「語り」についての方法論の模索でもあった。
幻視的や奇矯といった形容とともに《呪われた建築家》とされてきた従来の像を刷新し、その特異性の本質を明らかにする。建築の起源としての幾何学性志向、都市構想と性愛、性的建築と身体管理、書物の構造が出来させる仮構的な都市空間──。
新たな言語創造者による「都市の書法」の追究とともに、時代の認識と欲望のあり方を炙り出す。

フランス革命期,新たな社会体制における都市を構想した建築家クロード=ニコラ・ルドゥ(1736〜1806年).

本書は18世紀後半の社会思想とルドゥの関わりに着目.
その提案は「来るべき時代」のための建築として,現実社会から一歩進んだところに位置していたと筆者は言う.
当時の性の意識と教育の必要を受け,紙上に計画された「オイケマ」からは,彼が現実の公衆道徳の管理意識という命題にどう対峙し,仮想の都市に表現したかを伺い知ることができる.

建築史では語られてこなかった類の社会思想への着眼と,それを形態化する過程から建築家を理解する試み.(ゆ)


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