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人間関係を楽にする「俯瞰力」

「あの人は私にいつも嫌がらせをする」
「私を嫌っているに違いない」
 
こんなふうにとらわれて、特定の人との人間関係で悩むことがあります。
「私に嫌がらせをする嫌な人」とばかり考えて、その人へのネガティブな感情しか湧かなくなります。
 
私たちはこのようなときに一つの視点にとらわれて相手や状況を見ているかもしれません。
 
視点を広げて見ることで、案外寂しい人なのだな、相手なりの理由や背景があることなどがわかる場合があります。
それによって、自分のとらえ方や相手との接し方が変化して、人間関係が楽になります。
 
このように一つの視点にとらわれずに俯瞰してとらえることができると、人間関係の悩みはずいぶん軽くなるのです。
 
今回は人間関係を俯瞰する力についてお話します。




俯瞰力とは、物事や事態、思考を全体的に眺めることができる力のことです。
 
「鳥の目」に例えられます。
鳥のように高い所から広い範囲を見下ろすことで全体像をとらえることができるのです。
 
人間関係における悩みは、この俯瞰した視点がなく、狭く状況をとらえていることに起因することが多いように思います。
 
そのため俯瞰力が人間関係を楽にします。
 
人間関係を俯瞰するとはどういうことか。
 
 
例えば、
職場の上司が私にだけいつも冷たい。
 
他の部下には親切に仕事を教えるのに私には全く教えてくれない。
それでミスをすると、嫌みな感じで注意される。
私だけ上司に大事にされていない感じがする。
 
意地の悪い上司だと。
 
 
この場合、私という自分の視点だけで上司との関係をとらえています。
そこで上司の視点に立って私を見てみます。
 
他の会社で自分よりも経験を積んで入社してきたこの部下は、自分にとって脅威の対象だ。
この部下は自分に頼ることをせずに仕事をこなしていく。
 
自分は上司という立場で背伸びをしているが、本当は極端に自信がないのだ。
この部下が頑張って自分を超える存在になると自尊心が傷つく。
 
 
そのような上司の視点を想像できると、私はこのように思うかもしれません。
 
上司は自信がないのか。
実は私自身も自信がない人間で、自分の力で仕事をすることで背伸びするところがある。
本当は人に頼りたい気持ちを見せずに頑張ってしまう。
 
 
そこまで気づいたら、今度は俯瞰して状況をとらえるために第三者の視点で二人を見ます。
 
すると、お互いが自信のなさから距離をとっていることが洞察されます。
もう少しお互いを頼ることができれば、関係は改善されるとわかるのです。
 
 
このように
①    自分の視点だけではなく
②    相手の視点にも立ち
③    さらに第三者の視点で全体をとらえる
 
すると、関係性を俯瞰してとらえることができます。
 
 
NLPでは第三者視点を持つワークがあります。
 
イメージを使います。
向かい合った3つのイスを用意して、
イスに座り、自分の気持ちを相手に伝え、
相手のイスに座り、気持ちを伝え返す、
これをくり返した後に
中立な第三者の視点で二人に対してコメントする。
(過去記事参照『苦手な人とうまく関わっていくための「第三者の視点」』)
 
3つのポジションを体験するこのワークで人間関係を俯瞰する力を養うことができます。
一人でもワークは可能ですが、セッションの形をとることでそれぞれのポジションに深く入り込めます。
 

 
今回は、一つの視点にとらわれずに全体を俯瞰する力が人間関係を楽にするという話でした。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。


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小林いさむ|公認心理師

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