人と会話をしていると、この人は本当にちゃんと自分の話を聞いているのかなと思うことがあります。
とくに適当にアドバイスして終えようという気が見え見えのとき。
 
人の話を聞くというのが人間関係で最も重要ですし、聞いていますよというメッセージが伝わらなければいけません。
 
しっかり話を聞いているというメッセージは、話を聞いて答える前の「間」によっても伝えることができます。
今回は、その「間」についてお話します。

しっかり話を聞いていることを示すには、話を聞いてから答える前にほんの少しの間を置くことが有効です。
 
何かしら意見や考えを答える前の間です。
 
間を置かずにすぐ答えると、十分考えずに適当なことを言っているのではないかと受け取られることがあります。
あるいは間延びしてから答えると、言い逃れをしようとしている印象を与えかねません。
 
相手の目を見て、ほんの少しの間を置くこと。
これがポイントです。
 
 
相手の意見に同意する答えの時は、自分のことをわかって受け止めてもらえた印象を与えます。
なおかつ反論する答えのときでも、十分に考慮してくれた上での意見という印象を与えます。
 
ここがこの方法の良いところです。
 
 
不祥事を起こした人の謝罪会見で、記者からの質問に早すぎる回答、または遅すぎる回答をしていると、どこか言い逃れをしているようにも見えてしまいます。
 
まっすぐ見てほんの少しの間の後に答えると、誠実な印象を受けるは、なんとも不思議ですね。
 
 
 
今回は、相手の話をしっかり聞いていることを示すために答える前にほんの少し間を置くという話をさせていただきました。
 
 
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小林いさむ｜公認心理師