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「人見知り」ってごく自然なことなのかも

今回は、「人見知り」をする人は、それが自然であり、自分が特別だと思わなくてもいいという話です。
 

私たちは、知らない人を目の前にすると、漠然とした怖さや緊張を感じます。
これは正常な反応なので気に病む必要はありません。
 
「人前で堂々と」
「自分の殻に閉じこもるな」
「人付き合いが大事」
 
などなど、人見知りでいることに後ろめたさを感じる風潮がまだまだ残っているように思います。
 
慣れることで変えていけるところはありますが、人見知りであることそのものを気にする必要はありません。
 
今回は、人見知りでも、ちょっと気が楽になる話。




あるテレビ番組のアンケート調査では、「自分は人見知り」と答えた割合は60%以上にも上るそうです。
この数字がどこまで正確かわかりませんが、世の中には自分のことを「人見知り」だと思っている人は少なくなさそうです。
 
ですので、ご自分が人見知りだと思っている方は、まずは自分だけではないと認識しましょう。
 
 
知らない人を目の前にすると、漠然とした怖さや緊張を感じるものです。
これは、ごく自然で正常な反応だと考えられます。
 
人間の進化の過程を考えると理解できます。
 
原始的な生活を営んでいた時代では、同じ村に住む、顔見知りとだけ付き合っているほうが生き延びる可能性が高かったのです。
 
村から出て知らない人間と付き合うと、どのような目に合うかわからず、リスクが高かったはずです。
 
そのような生活を長い年月続けた結果、私たちの脳は、「知らない人は危険である」という回路を発達させてきたのです。
 
 
小さい子どもで考えるとわかりやすいです。
知らない人に平気な顔でついていってしまったら、危険ですよね。
 
このような自分の身を護る脳の回路は、大人でも変わりません。
 
人に恐怖を感じるのは、生き延びる可能性を高めるために進化の過程で発達してきた脳の特性なのです。
よって、正常な反応なので気に病む必要はありません。
 
 
それと、人見知りする場面で起こりがちな人間の心理も加えてお話します。
 
自分が緊張していることが相手に伝わっているという思い込みです。
緊張というのは自分の内側の状態ですが、その緊張が外側の他者に伝わっていると思い込んでしまうのです。
 
このような、自分の考えや気持ちが実際以上に他人から見透かされていると思い込んでしまうことを、心理学では「透明性の錯覚」と言います。
 
自分では緊張していても、周りの人からは緊張しているようには見えなかったと言われた経験はないでしょうか?
 
人見知りに関しても、透明性の錯覚が働くことがあります。
それによって必要以上に緊張してしまうのです。
 
このような心理も知っておくと、気持ちが楽になれると思います。
 
 
 
以上のように「人見知り」には、進化の過程による理由があり、また緊張を増大させる透明性の錯覚も関係しています。
 
「人見知り」自体は、特別なことでもなんでもないと理解しましょう。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
 
 
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小林いさむ|公認心理師

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