「病んでる」という便利な言葉の負の側面について

最近というかここ数年、自身のメンタルの不調を「病んだ」「病み期」などの言葉で誤魔化(済ま)して、Twitter等で呟いて発散する風潮が広まっているなと感じます。(若い人の間では特に)

結論から話させていただくと、病んで周りの誰かに話を聞いてもらって楽になること自体は悪くないのですが、
「病んでる」だけだと思い込んでいたものが本当の精神疾患だった場合、話を聞いてもらうだけでは改善しない可能性があるということです。

それどころか、相手の迷惑になっているんじゃないか、本当は相談されたくないんじゃないか、なんて妄想めいた考えまで浮かび、精神状態が悪化することもあるかもしれません。


そしてこの記事を書いている私もまたそのうちの一人でした。
病みツイートや死にたい等のツイートを定期的に垂れ流しては友人や後輩に心配してもらい、相談に乗ってもらったはいいものの楽にはならず、相手に迷惑をかけているのが申し訳なくて
「相談に乗ってくれてありがとう。おかげで楽になったよ。迷惑かけてごめん」
というような返信しかできず、「こんなことを呟いて嫌われるんじゃないか」「せっかく相談に乗ってもらったのに楽になれないことが申し訳ない」

もちろん、自分が苦しい気持ちを発散したり、誰かに聞いてもらって本当に楽になっていたり、自分はこれほど心配されているのだから生きようと思えていたり、プラスに働くこともあるかもしれません。


ですが、病みツイートをする自分に自己嫌悪が湧く、話しても改善しない、相手に嫌われていないかが気になるといった状況に繰り返し陥り、改善している気がしないのならば、一度プロのカウンセラーや精神科へ相談に行ってみるのもよいのではないかと思います。


繰り返しになりますが「病み期」だと思っていたものが本当に精神疾患だった場合、当たり前ですが、周りに話を聞いてもらうだけでは治りません。
疾患にもよりますが、病気ならばお医者さんに頼って、薬を服用する必要が出てくるかもしれません。


最初のステップとして周囲へ相談してみるのは大事ですが、本人がその状況を「病んでる」だけで片付けてしまい、その裏に病気が隠れているのに気づ
けないという事態
は意外と多いのではないでしょうか。


実際、私はTwitterやLINEで友達にたくさん相談に乗ってもらっていたのにもかかわらず、自殺未遂を図ってしまいました。
そして精神科へ入院中に双極性障害との診断を受け、無事に退院してこのnoteを書いています。


診察や薬の処方といったことは専門家である医師にしかできませんが、逆を言えば苦しい胸の内を最初に受け止められるのは身近な人にしかできません。
その段階で「病んでる」で片付けてしまう前に専門家に行ってみるという選択肢を提案する(あるいは本人がそれを視野に入れておく)というのも一つの手だと思います。

双極性障害という病気の説明については今回は割愛させていただきますが、この病気は若い人が発症する場合が多いそうです。

通常,双極性障害は10代,20代,または30代で発症する

MSDマアニュアルプロフェッショナル版


「病んでる」という言葉は手軽に使える便利なものであると当時に、その裏にある本当の病気を包み隠してしまっているのではないか
と思います。


なんだか教訓めいた感じになってしまいましたが、「病んでる」の意味について今一度考え直すべきではないかと思い、この記事を書かせていただきました。


お読みいただきありがとうございました。

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