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書評:モリエール『孤客(ミザントロオプ)』

モリエールによる人間の性格の二面性への皮肉

今回ご紹介するのは、フランス文学よりモリエール『孤客(ミザントロオプ)』。

清廉潔癖を胸とする男と軽佻浮薄な女の恋を取り巻く喜劇である。

モリエールの描く人間像は皮肉が利いていて面白い。

清廉潔癖も度を越せば唯我独尊となり、自分をも他人をも縛る性質となる。軽佻浮薄な八方美人は詰まる所「自分可愛さ」の裏返しでしかない。

こうした警句が短編の中に見事に描きぬかれている。

本作は『タルチュフ』に見られた王権への阿諛追従も特になく、喜劇としての完成度は高い作品であった。

読書難易度:★☆☆☆☆
喜劇完成度:★★★★☆
皮肉徹底度:★★★★☆
トータルオススメ度:★★★★☆

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