みだらな鳥 【川柳15句】
腹這いで歌えイスラエル国歌
寒そうなブロッコリーに下駄はかす
ゆうべからクレオパトラの鼻がない
ヒロユキの指が落ちていたベンチ
滋賀県のどこもかしこもケモノミチ
留萌市のカーブミラーが哭いている
向日葵が喰わされている菜葉飯
純金の部屋で魯迅に囲まれる
ヘーゲルがみだらな鳥になる正午
口下手な弁証法が美しい
満月に哭かされているエルサレム
ハンマーで叩かれている真珠湾
天上の磨りガラスから酢の香り
沈みゆく舟に指紋が浮いている
骨壷のモノマネドリが鳴きやまぬ
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