期は待たない

褒められた記憶もない思い出せるのは怒られた記憶

あるいは顔色を伺って出した本心ではない解答

期待なんてその時は分からなかった

当たり前のことを当たり前にできなかった

逃げるなんてその時は分からなかった

ただ自分に期待せず動き回っていた

そんなことをしているうちに自分への興味は無くなっていた

自分とは、周りとは、視線とは、意思とは

考えられる事を考えているうちに

やっぱり期待はどんどん小さくなった

そしていつしか、他人に期待することを覚えてしまった

そんなことをしても無駄な事は分かっていた

自分に期待しないのに他人に期待した

自分の首をじわじわと絞めていくのがわかる

自分への「無期待」  首に手をかけ

落ち込み他人への「期待」強く絞める

意識が遠のく中「もうやめよう」

という声が響く誰でもない自分の声が

分かっている分かっている

そこで首から手が離れ天を仰ぎ壁に寄りかかり嗚咽混じりに「ごめんなさい」と呟く


もう抜け出せないかもしれない

いつまた首に手がかかるのか怯えながら

期待を繰り返す

最後まで読んでくれてありがとうございます。 スキしてくださるととても嬉しいです。 してくださらなくても、目を通してくれてありがとうございます。