もう一度会いたい
チョコレートは
どうして
こんなにまでも
ハーッと
吐息がもれるまでも
口の中でとろけた瞬間
まさに
甘い世界へ
私を誘(いざな)うのだろう
疲れた時
「脳」が糖分を求める…
と言うが…
確かに
すべての感覚…
何かを感じるのは
「脳」でしょう
甘さを感じる時
ふと
目をつぶっている
人は
ひとつの感覚に鋭敏になる時
他の感覚は
閉ざされる
その唯一に浸りたい
そんな時を
とても充分に
感じさせてくれるチョコレートの中でも
昔々
一番大好きだった…
「Nutty」
あれ？
いつの間にかなくなった
「Bacchus」と「Rummy」と
３人で
セットではなかったかな？
最近は
冬が訪れる頃
「季節限定」と銘打って
チョコレート菓子売場には
緑の箱の「Bacchus」と
ピンクの箱の「Rummy」が
山積みになる
「待ってました」という声を
聞いているような
存在感
でも
もう遠い昔かもしれないけれど
そこには
「Nutty」もいたのに…
もっとひっそりだったけれど
今はいない
もう一度会いたい
私の心の声が届いたのか
数年前に
それこそ
超期間限定で
発売された箱入りの「Nutty」
再会を喜び
二度と会えないかと思い
まとめ買いしたりしたが…
ちょっと様相が違っていた
ビニールの個包装
銀紙をまとっていない
今時…かもしれないけれど
チョコレートは
やっぱり
薄い銀紙をそっと破るあの瞬間が
至福の時なのに…
もう一度
あの「Nutty」に
会いたい