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クリエイターのサラリーマン化という矛盾

クリエイターと聞くと何を想像するだろうか?
例えば、映画監督や作曲家だってクリエイターと言えるだろうし、
デザイナーやコピーライター、プログラマーだってクリエイターだと思う。

その名の通り、クリエート(create)する人で
創造する人、創り出す人のことを指す言葉だが、
クリエイターには様々なタイプがいる。

よく言われていたのが、
0から1を作り出すタイプと、
1から99にしていくタイプ。
99を100にするタイプがいるという事。

あくまでもイメージ。
0-1は設計や生み出す人 1-99はそれを再現して加工する人
99-100はその素材やパーツで仕上げる人。それ以外にも沢山あるけど。。。

会社に所属してもっとも重宝される人間は
どのタイプだろう?

アホみたいな話だけど0から100を生み出せるタイプじゃないだろうか。

理由はシンプルで、
作れない人から見ると「生みの大変さを自分事化できないから」
(とくにクリエイティブは属人化が激しいため)
0から100までが一元化されていると考えがちなところにあるのではないだろうか?

在職時代の話

在職時代にWEBチームがあって、
私が入社当初はコーダーと紹介されていた。
時がたって、WEBチームに新メンバーが入った時に、
新入社員の方の言葉が今も脳裏に焼き付いている。

「私のことはプログラマーと呼ばないでください。
 コーダーでもなくエンジニアです。
 もっと詳細に言うなら、フロントエンドエンジニアと呼んでください。」

聞いた当初は一緒だと思ってよくわからなかったけれど、
次第にその真意も納得できるものに変わっていく。
要は扱う専門性、対応できる分野の違いが大きく異なるのだと。

そして、それは品質やパフォーマンスを保証する免許のようなものなのだと
気づかされるきっかけになった。
コピーライターの人がディレクターのような仕事をこなしているのに、
絶対に、名刺の肩書をコピーライターから変えない人もいるような感じ。

今の時代、自称クリエイターは腐るほどいるけど、
実はプロ意識をもって仕事をできる人はそう多くない。
特に現代では営業でクリエイティブの提案を扱うことも多く、
様々な専門性を兼業しなきゃいけないのが難しいところだと思う。

会社に勤めると正直なんでもやることになる。(会社次第)
ディレクションも、デザインも、イラストも、WEBデザインも、合成も、レタッチも、撮影も、動画編集も。。。
何なら絵が描けるからという理由で絵コンテとかも経験してきた。

経験は詰めるけど。。。色々なところに弊害も


クリエイターのサラリーマン化の矛盾

さてタイトルに戻って「クリエイターのサラリーマン化」が
どうして矛盾と言っているのか、
理由はシンプルに、取り扱う人間・管理する人間が、
そのパフォーマンスを制御しきれていないところが
一番の要因と主張したい。(実際難しいのだけど。。。
また、制作会社と言いながら代表はクリエイティブ出身でない人も
多くいるのが現実。

ディレクターの中には絵が描けなく、
ビジュアルを作ってもらって初めてディレクションに移る人も多くいる。(1~99 or 99~100のタイプ)

こういった部分からクリエイターが0から100の仕事だと思い、
制作物の価値や貢献度を業績と照らし合わせても、評価も主観的なものになりがちで、
制作の見積もりも営業の理解度によって値段のムラが出てしまう。
だから利益もムラが出やすく、一定の規律を効率的に回していく
一般的なサラリーマンの形態とは相性が悪いのだろうなと感じてきた。

例えば、組織として成熟している会社は各担当が決まっており、専門性が高くなる傾向の印象を受けていて、
学生時代の就活中に聞いたのは、ボタンデザインだけでずっと仕事をする人もいると耳にしたときは冗談だろうと思ったけれど、
今ならその意味の重要性も理解ができる。

自分が理解できることだけを基準にしてしまうと、何処かで歪が生まれる。
だから少しでも未知に興味を。不可解に感心を。
お互いが理解しようとすることがクリエイティブの本懐だと信念をもって。
これからも可能性を広げていきたい。

ある作品で見た話。他人との境界線は2本あって、
それぞれの境界線の間で話し合うことが大切という事。
一本だったら相手の領域に無遠慮で入ってしまうので摩擦が生じてしまう。

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