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【エッセイ】デザインという性能


最近のケータイ電話はスマホが主流である。
私のようにインフォバーフォンを愛用している層は
かなりニッチであろう。

昔は、日本特有のガラパゴスケータイがとても面白いと感じていた。
機種によってショートメールができたりできなかったり。
画像が送れたり送れなかったり。
色んな形があったり。
本当に、色々あった。

色々ある中から、この機種をぜひ選んでくださいと
宣伝されるケータイの形はどれも面白かった。

その中でも私は深澤直人さんのニシキゴイが大好きだった。

とてもかわいい



今でもスマホには目もくれず、ニシキゴイ(真ん中)を愛用している。

昔も今も、
欲しているのは深澤直人が作ったデザインだった。

スマホの時代、インフォバーフォンを使っていると
不思議がられる。
機能に大きな違いがあるのは確かだ。
でもそこはニーズの問題だと思う。
私は多くの機能があっても分からない。
電話とメールさえできればいい。

かと言って
ガラケーの形が好きなわけではないし
スマホの形が嫌いなわけでもない。
深澤直人のデザインが好きなだけなのだ。

ガラケーやガラホと違い、機能にほとんど大差がなく
見た目も大体同じのスマートフォンが主流になって
みんなは何に惹かれてその機種を選んだだろう。

これを持っていることがステイタス、という
ブランド品を身につけるような感覚だとしたら

それは私がニシキゴイを選ぶ感覚に等しい。

ケータイが商品棚の片隅から、
私を選んでくださいと「差」をアピールする時代は終わり
似たような機能とビジュアルの中で生き残る戦略が
「私を好きになって、私のブランド、その企業理念さえも」
作戦なんだろうと思う。
例えば、Appleのように。

その中で私は
深澤直人のデザインという
ブランド価値に全振りした。

その割にすぐバケツの水の中に
ニシキゴイを落として

防水ではなかったらしく
液晶にずっと線が入ったままに
なってしまったが

サポートが終了するまで
壊れないように使うよ。

サポートが終了した後も
家に飾るよ。

使いたい。
持っていたい。
ずっと一緒にいたい。

そう思わせるデザインは、もはや性能だと思う。



ここまで読んでいただきありがとうございました。
すてきな今日を。



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