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「PERFECT DAYS」

あなたにとってパーフェクトな1日とは、
どんな1日だろうか?

■あらすじ

東京渋谷の公衆トイレの清掃員、
平山は押上の古いアパートで一人暮らしている。
その日々はきわめて規則正しく、
同じことの繰り返しのなかに身を置いているように見えた。
ルーティンは孤独を遠ざけるものかもしれない。
けれど男のそれはどこか違ってみえた。
夜が明ける前に近所の老女が掃除する竹ぼうきの音が響く。
それが聞こえると男はすっと目をあける。
少しのあいだ天井をみつめる。おもむろに起きあがると薄い布団を畳み、
歯を磨き、髭を整え、清掃のユニフォームに身をつつむ。
車のキーと小銭とガラケーを
いつものようにポケットにしまい部屋をでる。

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ドアをあけて空をみる。
スカイツリーをみているのか。光を見ているのかはわからない。
缶コーヒーを買うと手作りの掃除道具をぎっしり積んだ
青い軽にのって仕事へむかう。
いつもの角でカセットテープを押し込む。
カーステレオから流れてくるのは
The Animals のThe House of Rising Sun。

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いくつもの風変わりなトイレを掃除してまわる。
その日はひょっとすると声をひとつも出していないかもしれない。
掃除を終えると夕方にはあのアパートに戻る。
自転車に乗り換えて銭湯へゆき、
いつもの地下の居酒屋でいつものメニューを頼み、
そして寝落ちするまで本を読む。
そしてまた竹ぼうきの音で目をさます。
男の人生は木のようだった。
いつも同じ場所にいて動かない。

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同僚のタカシのいい加減さをどうして憎めないのか。
いつものホームレスの男が気になる。
清掃のあいまに見つける木漏れ日が好きだ。
フィルムを現像してくれるこの店はいつまであるだろうか。
銭湯で出会う老人が愛おしい。
古本屋の女性の的確な書評を聞くのも悪くない。
日曜だけ通う居酒屋のママの呟きが気になる。
今日はあいにくの雨だ。それでも予定は変えない。
そんな彼の日々に思いがけない出来事が起きる。
そしてそれは彼の今を小さく揺らした。

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■感じたこと

この映画を見て、まず最初に感じたこと。それは、自分の幸せを自分自身が知り、それを体現していく毎日こそ、幸せなものはないと。

平山の生き方が私たちの世界とは違う世界で生きているように感じた。スマホひとつで出来るようなことを、一つ一つの物を使って生きている。

カセットテープで音楽を聴いたり、フィルムカメラで写真を撮ったり、古本屋で本を1冊買ったり。スマホがあれば、すべてできる。

私たちの生活はスマホによって、便利な世界になった。便利にはなったが、小さな幸せに気付くことができなくなった。便利を求めすぎ、何か窮屈な世界を生きているような感覚に。

便利にはなったが、幸せを感じにくくなった世界。誰とでも繋がっているようで、繋がっていない世界。未来や過去ばかりに気持ちが取られ、今ここを生きにくくなった世界。

今あるものを、今味わい尽くし、五感をフル活用しながら生きる。それが、私たちが幸せに生きるためのシンプルな答えかもしれない。

平山の生活に何か羨ましさを感じた。世界が急速に変化し続けても、幸せの形は変わらない。

幸せとは何だろう。普通とは何だろう。自分の人生とは何だろう。今を生きるとは何だろう。

とても自問自答したくなる映画であった。これだけセリフの少ない映画を初めて見た。だからこそ、たくさんの余白があり、考えさせられることが多くあった。

いつもしているルーティンは同じように見えて、実はすべて同じではない。全く同じ日なんて、存在しない。その小さな変化や違いに気付きながら生きることが、小さな幸せに気付けることなのかもしれない。

■幸せは、もうそこにあった。

今当たり前にあることがどれだけ幸せなことか。失ってから気付くのがほとんど。失う前に今あるものに幸せを見出す。

幸せはどこにあるのか探すのではなく、探さなくてももうすでに私たちは手に入れている。

幸せは増えるものでも減るものでもない、目に見えないもの。そんな幸せに気付いて生きていくことが、究極の幸せなのかもしれない。

今日は天気がいいな。そんなちっぽけなことでも、幸せを感じることができる幸せ感度のセンサーを高めたい。

私たちに足りないものはない、もうすでに足りているのだ。

本日も最後まで読んでくださりありがとうございました!!!

【今日の格言】

自分の人生を”小説”だと捉えてみる。
昨日までは「過ぎたページ」
味わうべきは「今のページ」
その今のページが積み重なって、
あなたの物語になっていく。


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