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さり気ないフードロス対策の気持ちが美しい

先日、伊勢志摩に旅行に行った際、お昼時に「おふくろの味」との看板に惹かれ何気なく入った地元の定食屋さん。

お店の外には鉢植えのお花がたくさん、そしてお店の中に入ると、常連客がおひとりのみ、テーブルには野草を生けて上手に飾ってある。

そして壁にはメニュー短冊を含めて数多くの情報が。
あまりに多すぎるので女将さんにお勧めを聞いてみる。

そうすると、「初めて来たのならせっかくだから海賊定食を召し上がれ😊」。そして「世間では雑魚と名前を呼ばれない魚だけど、美味しいから食べてみて」と。

メッセージボードに指をさして今日の雑魚を説明。

「市場には出ていない」とあるけど、鱧は高級魚だと認識だけど

わたしは、お勧めの「海賊定食(1,000円)」をオーダー。

女将さん曰く、「海賊定食のお魚は、水揚げされても様々な理由で廃棄処分されるかわいそうなお魚。おまけに雑魚とまで呼ばれて。」

「美味しいけど、骨が多かったり鱗が硬く調理しにくいものや、市場に出すには漁獲量が不十分なものや、知られてないもの、との理由だけなんだけどね。」

「そういったお魚を多くの人に食べてもらいたいと思って料理してるんです」と。


そこで少し魚食に関してググってみると、

日本の海面漁業の漁獲量は1990年に約957万㌧、その後減少を続け2022年には約289万㌧と約1/3にまで減少。
そのうち「未利用魚(いわゆる雑魚)」は全体の約1/3の約100万㌧が廃棄されていると推定。
漁獲量の多い上位5魚種の漁獲量と前年度減少幅は、まいわし61.3万㌧(▲4.2%)、ほたてがい34万㌧(▲4.5%)、さば類31万㌧(▲28.5%)、かつお17万㌧(▲28.6%)、すけとうだら16万㌧(▲8.2%)。

source:農林水産省、クローズアップ現代

日本人は魚を食べなくなっていたんですね、そして廃棄する魚が漁獲量の約1/3とは驚きです。
今年はほたてがいの漁獲量減少懸念、このままではマズイ😣と。

そんな話をしているうちに、その海賊定食が運ばれてきた。

5種類のお魚、ブダイの煮付け以外は魚の名前をわすれた😣
ブダイの煮付け、鱗落しが手間というけどプリっと身がしまっていて美味しい
3種の焼き雑魚、教えてもらったけど名前を忘れた😣
雑魚のマリネ、魚の名前は?😭

食事をしながら壁をじっくり見ると、「アメリカワシントンホワイトハウスにて」とか「G7伊勢志摩サミットで握りました」とか「サッカーのカズ(三浦知良さん)や野球選手やお相撲さんの写真」が。

聞いてみると、どうやら息子さんがお寿司を握っているとのこと、立派な自慢の料理人に育ったようです。

その後、厨房で料理をしていた大将も出てきて女将さんと一緒に、「この辺は海女さんがアワビのために海藻を食べるウニを駆除する」等の蘊蓄うんちくが止まらない。

そんな話に常連らしきお客さんも会話に加わりながら、なにやら入れ歯を外して何かをし始めてるΣ(・□・;)

アットホームな自由な雰囲気に居心地が良いのでしょうね。

どうやら地元のためにも廃棄される雑魚を食材にして地元民の憩いの場にしている感じ。

このお店では鱧は雑魚との認識、確かに小骨が多く熟練技が必要なので、今は高級魚として流通するようになったんでしょうね。
このように地元のため、魚のために、フードロスが出ないように頑張っている姿は美しい!

朝ドラ「らんまん」で雑草という名の草は無いといっていたが、同じように雑魚という魚も無いんですね。みんな名前がついている。

わたしもこれからどんどんお魚を食べようっと😋


他に、時間があればカーテンで仕切った一人用特別室という部屋があったり興味深く知りたいことや教えてほしいことが沢山あったけど、話が止まらなそうだったので切り上げる。

「無料コーヒー、ご自由にどうぞ」と書いてあったけど手を付けずに。。。


【ご参考】
この記事で紹介したお店
店名:「おふくろの味 ふじみや」
住所:三重県志摩市阿児町鵜方1284




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