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「一日一言」まち事業経営基礎編

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毎日一日一言ずつ、地域で事業を進める上で必要なことを整理していきます。
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再挑戦可能な余力を持てる
撤退戦略があってこそ戦略 2016.2.29.

再挑戦可能な余力を持てる 撤退戦略があってこそ戦略 2016.2.29.

経営戦略において、撤退戦略は基本中の基本。撤退のオプションを容易していない戦略は、ある意味において戦略とはいえない。

地域事業においても、「始める前から撤退の話なんて縁起でもない」とか「ここまできたら止められない」などといった話で、突き進んで大失敗を起こすことは少なくない。

そして、撤退戦略の内容として重要なのは、「再挑戦可能な余力を持てる」レベルで撤退できるか、である。これを勘違いしている場

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浮き沈みを超えられる地域が
本当の成功を収める 2016.2.28.

浮き沈みを超えられる地域が 本当の成功を収める 2016.2.28.

地域事業においても、当然ながら常に浮き沈みがある。

常に順調な地域事業などはなく、初期には良くても、その後に不調な時期が訪れたりする。一時の成果をもって成功事例などとは言えず、常に浮き沈みをこえていける地域こそ本当の成功を収める。経営は常に発生する浮き沈みを前提として、それを乗り越える変化に対応することである。

一時期の成果を収めることさえできないというのはそもそものやり方に問題があり、また一

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一過性の報酬は逆効果 2016.2.27.

一過性の報酬は逆効果 2016.2.27.

地域での取組みにおいて重要なのは、報酬モデル。

昔から報酬とモチベーションの研究は経営分野ではよく行われていて、極めて重要な問題は「一過性の報酬は逆効果」であるということである。

そもそも地域での取組みでモチベーションを崩壊させる一番の原因は、このような報酬とモチベーションの関係についての無理解から発することが多くある。それはどういうことか。

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人材投資なくして利益なし 2016.2.26.

人材投資なくして利益なし 2016.2.26.

地域における取組みで「人材」が大切だという話は、昔からよく言われる。人材が要だ、やはりいい人材がいないといけない、という。ある人は、外者・若者・馬鹿者がいるとか言ってみたりする。

しかしながら、それらでいう人材はなんか偶発的なラッキーで生まれるものとどこかで思っていないだろうか。

人材が大切であるといいつつ、本当に地域内外の関わる人材に適切な投資をしているだろうか。

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お金が集まらない時には、合理的理由がある 2016.2.25.

お金が集まらない時には、合理的理由がある 2016.2.25.

地域における取組みにおいて、「お金がなくて出来ないんです」といったようなことを言われることがある。「常にお金がない」といわれることもある。

この手のお話は、そもそもお金が「ある」「ない」と考えているところからも、かなりその仕組みについて勘違いしている節がある。

そもそも自分にお金がないと事業ができないのか。確かに自分にお金があることがベストだが、そんなに富豪めいた人ばかりが、地域で事業を仕掛け

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「負担者受益」が基本 2016.2.24.

「負担者受益」が基本 2016.2.24.

地域事業で重要なもののあまり初期に触れられない問題として、赤字になって失敗した時の撤退策と、さらに黒字になって儲かった時の利益処分のあり方である。

特にどうしてもお金についての話を、先立ってできない、むしろそのような話は公の場でするものではないという、誤った風潮が日本には色濃くある。表向きは崇高な理念を語りながらも、けど実際はやはり事業によって生まれるお金の行方は誰しもが気になっている。

その

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低コスト体質が継続性を決める 2016.2.23.

低コスト体質が継続性を決める 2016.2.23.

事業の継続性を担保するために重要なのは、低コスト体質である。

安易に設備を充実させたり、必要以上に大きな施設を持ったり、すぐに人を増やすみたいなことを繰り返していって高コスト体質になっていくと、継続性を担保することが極めて困難になっていく。

ではどのような低コスト体質を作るのか。

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利益こそ攻めと備えの自由資金 2016.2.22.

利益こそ攻めと備えの自由資金 2016.2.22.

地域での取組みに必要な資金。それは自由な資金である。

「必要なものに」「必要な時に」「必要な中身で」投資することが可能な資金があるからこそ、刻一刻と変化していく地域において効果的な事業を作り出すことができる。

しかしながら、常に自由資金がない場合には、都度必要な資金を人から出資してもらったり、銀行から融資をしてもらわなくてはななかったり、あるいは行政から補助金を拠出してもらったり、と常に資金を

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少売上・高粗利が重要 2016.2.21.

少売上・高粗利が重要 2016.2.21.

かつて大きく成長する段階では、資本力がある企業が極めて優位だった。
なぜならば成長が一定予測される中で、資金不足の時代にも資金調達を円滑に行うことが出来、さらにそれによって先行投資を大胆に行い、伸びる市場において次々とシェアを獲得していけば、自ずと経営効率も高まっていくというスパイラルが存在していたからだ。

そのようなロジックの中では中小零細企業の競争力を高める方法は極めて難しい局面に立たされて

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需給で立場は逆転する 2016.2.20.

需給で立場は逆転する 2016.2.20.

世の中において、全てのことに「需給」が存在する。

商品サービスは言うまでもなく、都市インフラなど公共分野においても同様である。何らかの商品・サービスなどを必要とする需要側と、それらを提供していく供給側である。

需給関係は互いに綱引きのように変化する。何かが足りなければ、供給側が優位に立てる。逆に充足すれば、今度は需要側が優位に立てる。

このシンプルな変化をしっかりと受け止め、自分たちのやり方

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戦略は策定ではなく
変更に力を入れるべし 2016.2.19.

戦略は策定ではなく 変更に力を入れるべし 2016.2.19.

地域絡みの事業には、様々な「戦略」「計画」が存在している。

これらのいずれも大いなる問題なのは、これを作る時には莫大な予算をかけ、地域外のコンサルなども入れて策定するものの、運用段階に入ると、今度はこれら戦略に縛られていき、早期に成果が出ないことが明らかになっても、ひたすらそれを守ろうとするところである。

戦略の役割は、「現在地点」と「目標地点」との間をつなぐ合理的シナリオである。これを関係者

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固定費は固定収入で賄う 2016.2.18.

固定費は固定収入で賄う 2016.2.18.

事業収支を考える際に、まず気に留めなくてはならないのは「固定費」である。固定費は絶対にかかるわけで、この固定費をまずは稼げなくては、事業の継続性は担保されない。

補助金事業で失敗する一つは、補助金という時限的な変動収入で、固定費さえ賄うからである。家賃などの固定費を変動収入が賄うモデルであるかぎり、事業は安定化しない。

それでは、どのような事業設計にするのが、安定化もし、成長した際の利益率も確

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出資者は少数に絞るべし 2016.2.17.

出資者は少数に絞るべし 2016.2.17.

地域で事業を始める際に、資金調達は大きな壁となる。

事業の見込みをつけ、必要な資金を「投資」もしくは「融資」で集めるのが、事業として行うまちづくりの基本である。補助金はダメなのは言うまでもない。

しかし投資・融資という資金の話は、意思決定というガバナンスが紐付いていることに注意しなくてはならない。資金を出してもらうということは、その意思決定に何らかのカタチで関与することになる。

それでは、投

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権限を与える勇気 2016.2.17.

権限を与える勇気 2016.2.17.

取組みを始めた頃は少人数で回していくことがとても大切。

集団意思決定に最初から持ち込み、色々な人に協力してもらうにしても、皆で決めていくなんてことをしていたら話は全くまとまらない。

しかしながら、一定時期を超え、取組みが成長し、事業性も高まっていくと、徐々に人を入れていく、さらには全て誰かが意思決定するのでは回らなくなる。

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