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水は人生のテーマ。水路を次世代に繋げたい(水路珈琲 竹内裕治さん) / ノーザンオカヤマのオモシロ人vol.7

ひさしぶりの「ノーザンオカヤマのオモシロ人」連載記事の更新です!今回は、山村で「水路珈琲」を営む竹内さん。実は竹内さん、岡山県のこだわりの旅やお店が紹介される人気情報誌『オセラ』の最新号の表紙を飾っています。県北のみならず、全県で注目されている方なのです。

初めましての皆さま、申し遅れました。私は衆楽舎のPR担当のHaruです。衆楽舎では、岡山の県北一帯を「ノーザンオカヤマ」と呼び、その魅力を独自の視点で発掘・発信しています。そして、コチラのnoteでは、われわれがノーザンオカヤマで発掘したオモシロ人を多くの方に知っていただきたく、不定期連載でお届けしています♪
過去記事はマガジンにまとめてありますので、ぜひご覧くださいね!

連載「ノーザンオカヤマのオモシロ人」とは?
私たち衆楽舎が独自の視点でノーザンオカヤマの魅力を発掘・発信し、『人』を通じてその魅力を知っていただく連載です。衆楽舎が考える「オモシロ人」とは、”地元を面白くしたい!地域の人と楽しく繋がりたい!”と、何かを実践したり挑戦しようとしている人たち。経歴、年齢、性別、そして在住歴も問いません。


水路珈琲 竹内裕治さん

築100年古民家のコーヒースタンド

竹内さんのお店は、"え?こんなところに?"と思わず声が出てしまうほどの場所にあります。

冬はこんな雪景色に!

ここは、真庭郡新庄村(しんじょうそん)。岡山県の西北端に位置し、鳥取県に隣接する村です。古くは出雲街道の宿場街「新庄宿」として栄えました。明治5年の村政施行以来一度の合併もない村というのは珍しいのではないでしょうか。人口約1000人、380世帯と県内では最小の自治体。大半が山林であり、野鳥の宝庫としても知られ、希少な動植物も数多く生息しています。岡山県では唯一「日本で最も美しい村」連合に加盟しています。

竹内さんは、2019年に津山市からこの村の築100年ほどの古民家にご家族で移住されたそう。ここでコーヒーを焙煎し、週2日コーヒースタンドを営業しています。
ね、どんなオモシロビトなのか、とても気になってきたでしょう?
では、早速お話を伺いましょう!

19歳からコーヒーの道に

[衆楽舎Haru]竹内さんは、真庭郡新庄村でコーヒー豆の焙煎やドリップをされていますが、どういう経緯なのでしょうか?

[竹内さん]出身は津山で、学業を終えた後に京都に出ました。その頃からコーヒーに興味を持ち、カフェで働きたいと思うようになりました。それで京都のカフェで働いていたのですが、数年後に「店長にならないか?」とのお誘いをもらったのです。その時、「将来どうしたいのか?」を真剣に考えました。考えに考えた結果、店長の誘いは断り、津山に戻ってお店をやろう!と決心しました。それが28歳の時。津山の山下で「コーヒー食堂レインボー」を開業しました。

※ご参照:レインボーの頃のインタビュー記事です↓

その後、35歳で「水」を求めて、新庄村に移住し、「水路珈琲」として焙煎業やイベント出店などをやっています。

[衆楽舎Haru]ずっとコーヒーに向き合っているのですね!京都に出る前からコーヒーに興味があったのですか?コーヒーとの出会いは?

[竹内さん]津山での学生時代は、サッカーとBREAKDANCEとHIPHOPしかやってないですね。勉強なんかほとんどした記憶も無く、高校まではプロサッカー選手を夢見ていました。

コーヒーとの出会いは、津山での学生時代、19歳の頃です。出会ってすぐにミルで豆を挽いてドリップし、その2週間後には手網で焙煎をしていました!

[衆楽舎Haru]行動が早いですね!

人が豊かに生きるために必要な「水路」を次世代に繋ぐ

[衆楽舎Haru]現在の地には「水」を求めて、と先ほどおっしゃいましたが、「水路珈琲」という店名にはどういう思いが込められているのでしょう?

[竹内さん]人が生きていく上で必要不可欠な物の一つが水です。人がその水を取り入れ、生活を豊かにしたのが「水路」だと考えています。人間が豊かに生きていくために必要な「水路」という存在をより良い形で次の世代に繋いでいきたいと思い、「水路珈琲」という名を屋号にしました。水は自分にとって人生のテーマみたいなものですから、それを忘れないように目に見える形にしています。

[衆楽舎Haru]なるほど。そもそも人が生きるための必要な存在ですもんね。それを「水路」として、次世代に繋ぎたいという想い、とても感銘を受けました!

津山への熱い思いは若い頃から

[衆楽舎Haru]京都に出る前までは津山にいた訳ですが、その頃はノーザンオカヤマをどう思っていましたか?

[竹内さん]学生時代を過ごしていた当時から津山への思いはかなり強く、18歳から徳守神社の神輿も毎年担ぎ続けてるくらいの"レペゼン津山っ子"です笑。津山が好きな思いは今も変わりません。ただ、好きな場所や風景が時代と共に変化していくのは寂しく感じることもあります。

[衆楽舎Haru]レペゼンってヒップホップ用語で「根っからの」って意味ですよね?さきほど、学生時代はサッカーとBREAKDANCEとHIPHOPばかりと言っていましたが、今でも全てお好きですか?

[竹内さん]好きなものは、アサラト、サッカー、ダンス、料理、植物、まだまだ好きなことが増えていきそうです!

[衆楽舎Haru]わお!ネルドリップでコーヒーをいれる姿を見ると、勝手に物静かな文化系と思っておりましたが、いろんなジャンルの趣味をお持ちなんですね!アラサト…?ってアフリカの楽器でしたっけ?とても気になるのですが。

[竹内さん]今はイベントなどで演奏する事はほとんど無いですが、実は20年前からずっとやってる楽器です。焙煎中もやるし、家に居る時もほとんど毎日やってます。ほとんど手遊びと一緒ですね。
この楽器のおかげで全国に沢山の知り合いが出来ました。

*水路珈琲さんインスタのリールに演奏シーンがいくつかポストされています!ラップとの相性もいいですね!気になる方はぜひチェックを♪

[衆楽舎Haru]竹内さんの感じるノーザンオカヤマらしさって何ですか?

[竹内さん]
色で例えると、紫と灰色が混ざったようなイメージかな。
岡山県北の人達は控えめで目立ちたがらない人が多い印象があります。でも、人には言わない強さや芸術感覚を持っている人を沢山知っているので、そういう所は岡山県北らしいかなって思います。

[衆楽舎Haru]ノーザンオカヤマの魅力は?

[竹内さん]自然環境と人の性根。

[衆楽舎Haru]自然環境は本当に素晴らしいですよね。「人の性根」について詳しく教えていただけますか?

[竹内さん]例えば、面と向かって会うと恥ずかしがったり人見知りだったり等あると思いますが、心の深い部分では人懐っこかったり優しい部分があるところですかね。
簡単には自分をさらけ出さないあたりの部分に岡山県北人の性根の深さを感じますし、そうゆう簡単じゃない部分が好きなところでもあります。

[衆楽舎Haru]そう言われるとそういう方が多い気がしますね。
一番好きな場所は?

[竹内さん]野土路トンネルを蒜山方面に抜けた時の大山と蒜山の山々

トンネルを抜けたあとの大山と蒜山

[衆楽舎Haru]わー!トンネルを抜けるとこんな景色に出会えるのですね。山陰と接するノーザンオカヤマならではの景色ですね!
では、反対に短所と思うことはありますか?

[竹内さん]モビリティの多様性が少ない。例えば、津山の街中のごちゃごちゃした道を当たり前のように一人しか乗ってないファミリーカーが沢山走ってたり。移動手段を選びやすくなれば、目や耳に入ってくる情報の質が変わってくると思います。

コーヒーを通じた「にぎわい再生」への貢献

[衆楽舎Haru]竹内さんは新庄村での活動のほか、いろんなイベントにも出店されていますよね。昨年秋に津山の城下で開催されたイベント「珈琲と、〇〇〇(エトセトラ)Wonder-full days」(津山まちじゅう博物館コンソーシアム主催)でも人気がありました。

新聞記事には竹内さんの姿も

[衆楽舎Haru]あの場所は市有地ですが、民間が活用しやすいように整備し、県北の中核拠点として、コミュニティーづくりに活用される計画との報道もあります。手応えのようなものはありましたか?

[竹内さん]あのイベントだけじゃなく少しずつ津山や岡山県北でコーヒーカルチャーが爆ぜてきてるように感じます。地元のお客さんを取り合う関係性にならないように、これからは県外や海外からのお客さんも取り込んでいくべきだと感じています。

[衆楽舎Haru]おっしゃる通りですね。

津山ネタでいうと、津山藩医で洋学者であった宇田川榕菴(うだがわようあん)が幕末の頃に西洋の書籍の翻訳を行い、「酸素」「水素」などそれまで日本になかった言葉を生み出したのですが、「珈琲」という漢字を生み出したのも有名なお話ですよね。オランダ語のkoffieに漢字を当てただけでなく、「珈」は女性の髪につける玉飾り、「琲」は玉飾りの紐の意味も込め、枝に連なる真っ赤なコーヒーの実も表したとされています。

[竹内さん]実は宇田川三代のお墓とうちの実家のお墓は10mも離れておらず、小さな頃からおばあちゃんにお墓参りさせられていました。(偉い学者さんのお墓じゃけん拝んどきなさいと言われてました)

そんなことでも親近感を持っていたんですが、宇田川榕菴の命日と自分の誕生日が同じ(太陽暦の6月22日)というところにもご縁を感じています。

[衆楽舎Haru]なんと!であれば、「コーヒーで津山を盛り上げよう!」という企画にはもってこいの方ですね!「珈琲×津山」関連は今後も増えそうです。

われわれ衆楽舎の拠点である田町文化STORE(津山市田町)でも水路珈琲さんのコーヒーを提供しています。先日も軒下でポップアップをしていただきました。田町文化STOREとのお付き合いも長いですが、きっかけは?

田町文化STOREでのポップアップ

[竹内さん]津山の山下でお店を始めた時に、オーナー嶋尾さんがお客さんでよく来てくれていました。「何か面白いことしたいなー」って言ってたら、いつの間にか田町文化STOREができていました! 喫茶曲がりも同じような感じでした。

[衆楽舎Haru]嶋尾さんも衆楽舎のメンバーとして、ノーザンオカヤマを一緒に盛り上げているわれわれの大切な仲間です。衆楽舎への活動について何か感想ありますか?

[竹内さん]まだ見ぬ知らぬ面白い人達をどんどんDIGしていってください!

[衆楽舎Haru]ありがとうございます!類は友を呼ぶってことなので、竹内さんの周りに面白い方がいらしたら、ぜひ推薦してください笑。竹内さんのアサラトについても追々DIGさせてくださいね♪

夢はグアテマラ

[衆楽舎Haru]では最後に、これからの夢をお聞かせください。

[竹内さん]グアテマラで珈琲農園を運営し、自社所有のコンテナ船で世界中の国に珈琲豆を販売することです!この目標は26歳の時から変わっていません。

[衆楽舎Haru]若い頃から変わらぬ大きな夢を持っていらっしゃるのですね!ぜひノーザンオカヤマとグアテマラを繋ぐ架け橋になってください🎵


岡山のコーヒートレンドは「オセラ」最新号をチェック!

竹内さんのお店や活動については、最新号の「オセラ」をチェックしてください。岡山で盛り上がるコーヒートレンドについての大特集は必見です。数多のコーヒー店が紹介される中、表紙を竹内さんが飾っているのは嬉しいですね!

そしてそして、『「珈琲」という文字をんだ町、津山を歩く。』という8p企画では、われらが「田町文化STORE」、そして「喫茶曲がり」などが紹介されています。津山の最新ガイドとしても保存版にしてください〜。

津山特集ページ

水路珈琲さん最新情報

◆ 住所:真庭郡新庄村4930 (電話なし)
◆ 営業日時:金土の10:00-15:00(冬季はイベント出店)
    コーヒー豆のネット販売あり

水路珈琲さんインスタ↓
(インスタにアラサトの最新演奏動画がpostされるかもしれませんよ!)

桜の時期には、新庄村の桜通りで期間限定の屋台出店をされるそうです。

新庄村は、春は桜、秋は紅葉、冬は雪と、四季折々の景色に恵まれ、水にこだわる竹内さんが惚れ込んだ場所。竹内さんに会いに行きがてら、ぜひ訪れてみてください🌸

こちらは、久米郡美咲町の古民家宿otoで開催されたLIVEイベントでの出店の様子。ノーザンオカヤマを中心に各所でイベント出店されていますので、竹内さんに出会ったら、ぜひコーヒー指南をしてもらってください。美味しい豆や淹れ方について、優しく教えてくれますよ♪


ノーザンオカヤマ セレクション

最後は、衆楽舎おなじみ音楽コーナー。今回ご登場いただいた竹内さんに、ノーザンオカヤマを感じる曲を教えていただきました。

紅桜&J-REXXX 『MY TOWN』 

昔から一緒に音楽やってた地元の後輩です。色々知ってるからこそ染みますね。(by 竹内さん)

MVでは、吉井川、城見橋、えびす横丁、神楽尾と津山のあちこちが舞台になっています。どこがどれか全部分かったら…あなたも「レペゼン津山っ子」!

紅桜&J-REXXX 『MY TOWN』 


衆楽舎とは

ノーザンオカヤマ(岡山県の県北部)の魅力を独自の視点で発掘・発信しています。名称は、岡山県北の中心都市である津山市の大名庭園、「衆楽園(しゅうらくえん)」を由来としつつも、敢えて「シュウガク」と読むことで、大衆音楽のように「沢山の人の楽しみ」という思いを込めました。

岡山県在住・出身の音楽好き、グルメ好き、旅好き、洋服好き、インテリア好きの仲間が集結し、それぞれ本業を持ちながら、エリアの文化的な魅力をアップさせること、そしてその魅力を紹介、応援することを志しています。津山市の田町文化STOREというカフェ&ギャラリーを拠点に、文化交流のハブとなるイベントなどの場作り、リノベーションによる新しい拠点の開発、また、住まい作りによる移住者支援など、様々なことにチャレンジしています。

田町文化ストアではイベント盛りだくさん!

ここでは企画が盛りだくさん。DJ、夜カフェ、ハーブティスタンド、月一軒下アペロなど。営業日時やイベント内容は田町文化ストアのインスタをチェックしてくださいね!


衆楽舎おすすめ情報は衆楽舎インスタにアップしています。

入居者募集中のアトリエ付きアパートメントについてのお問合せもそちらのDMからどうぞ。ぜひフォローをお願いします♪

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衆楽舎のPR担当、Haruでした。



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