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肉食文化にまつわる社会問題について

明治時代から始まったとされる肉食文化。この肉食文化が、水不足や地球温暖化などの社会問題を生んでいるのを知っているだろうか。

20世紀はイラン・イラク戦争、湾岸戦争、スーダン内戦など、化石燃料が原因で戦争が引き起こされてきた。

しかし、21世紀は、水資源が戦争の原因になると推測されている。

現に2015年から紛争が続いているイエメンも、最近の研究によって、実はその原因の背景は水不足も大いに関係していると言われている。

水不足と言えば、アフリカやアジア諸国のような貧しい国が飲み水や生活水の確保のために、水を汲みに行っている映像をテレビなどで見た事があるように、貧困国に見られる話と思うかもしれない。

しかし、我が国日本は、水不足に最も苦しむ国の一つになると言われている。

質量保存の法則の通り、地球から水がなくなる事はないと思うかもしれないが、現在70億人いる人類は、2055年には100億人を超えると推測されており、人類の47%が水不足に悩まされるとユネスコにより発表されている。

地球は水の惑星といわれるほど水が多く、地表の7割を水が占めている。しかし、そのほとんどが海水であり、氷河や地下水を抜けば、人類が使用できる淡水の割合は0.01%しかない。

日本では現在、水道を捻れば水が出るため、水不足と聞いても想像しづらいが、人類は少ない水資源を分け合って生きていかなくてはならないという事はわかると思う。

更に、0.01%(量にすると4000立法km)の淡水の使用割合は、農業用水が7割を占めている。

その中で最も水を使用しているのが、畜産業なのだ。

次に問題になっているのは、ファストファッションと呼ばれるようなアパレル業が、主にコットンをの栽培や、染色として工業用水を使用しており、これに関しても様々な闇がある。

今回は話しが逸れてしまうので、多くは触れないでおく。

畜産業の中でも、主に牛や豚、鶏といった家畜の飲み水、またそれらの家畜の飼料の栽培に大量の水を使っている。

水不足を考える上で、バーチャルウォーター(仮想水)という考え方が重要になる。

バーチャルウォーターとは畜産物や農産物の生産に要した水の量を、畜産物や農産物の輸出入に伴って売買されていると捉えたものである。

例えば、200gのビーフを作るのには、約3000リットルの水が必要になる。これは人1人が飲む約5年分の飲料水だ。

また、牛丼1杯作るのには、1890リットルの水が必要になる。

ここまで書いても、日本で水不足というとピンとこない人が多くいると思うが、日本はこういった牛や豚、鶏といった肉を、高い割合で輸入に依存している。

それは言い換えると、海外の水資源に依存しているという事になる。

海外で、水不足により家畜が育てられないとなると日本はどうなるのか、という事を考えればわかると思う。

だからといって、ビーガンやベジタリアンといったものを推奨したい訳ではない。

世界では、イギリスやヨーロッパ諸国を中心に“Meet free monday”といって肉なしの月曜日にしている人が約2000万人ほどいるらしい。

島国育ちである日本人であるならば、意識的に夜ご飯を肉から魚にするのもいいのかもしれない。

また、一匹一匹を丁寧に育てている畜産業の方も日本には多くいるので、国産の肉を食べたりするのもいいかと思う。

大切なのは、こういった社会問題をまずは知る事だ。そして、それを家族だったり、友人、SNSなどで発信する事だ。

肉を食べないという極端な事までしなくても、こういった社会問題を知った上で、それとどう向き合うのか。

我々が生きるこの地球、そして我が国日本を守るのは我々の役目だ。

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