見出し画像

マイベスト!ドキュメンタリー映画10選

みなさんこんばんは。
一つの記事を書くのにかなり時間とエネルギーを使うため、最近は怠けていました…すみません(言い訳)

今回は、少し肩の力を抜いて好きなドキュメンタリー映画について語ろうと思います。

みなさんはドキュメンタリー映画はご覧になりますか?
なかなか手を出せないジャンルですよね。「つまらない」とか「難しい」と思いがちだと思います。僕も映画ファンになるまではそう思っていました。
でも今はボーッとみたいときには「ドキュメンタリーみたい!」という感じになりました。もちろんドキュメンタリー映画もちゃんと観なくてはいけないんですが、劇映画に疲れるとみたくなるんですよね。

そんな中、今までみてきたドキュメンタリーのうち気に入っているものを10作品紹介したいと思います。

もしここにあげたもの以外でオススメがあればコメントで教えてください!


10位 シークレット・ラブ 65年後のカミングアウト(2020)

 Netflixで配信されている作品です。今ほど同性愛に寛容でない時代からずっと愛し合ってきた女性二人が、65年の時を経て周りにカミングアウトし、改めて愛を確かめ合うというドキュメンタリーです。
 パートナーだと堂々と言えず、隠して生きるしかなかった、そんな社会を憎らしく思ってしまいます。性格の違う二人、時には言い争ったりととてもリアルで人間らしいんですよね。それでいて最後は可愛らしい。
 マイノリティが周りにいないと言う人、最近の流行り、そんな言説がまかり通っている世の中ですが、「いない」んじゃなくて「言えなかった」んですよね。昔からマイノリティは隠されてきたんです。この作品をみたらきっと分かるはずだと信じています。

9位 FYRE : 夢に終わった史上最高のパーティー(2019)

 同じくNetflixの作品ですが、打って変わって本作は野次馬的に面白い娯楽ドキュメンタリーと言っていいでしょう。新興企業によって華々しく企画され、豪華なアーティストを呼ぶ予定だったファイアー・フェスティバル。しかしその実態はボロボロ、テントはペラペラで食べ物はパン一枚、新興企業の経営者は直前で逃亡、次々とアーティストはキャンセルととんでもない惨事となりました。
 これをみるとそうなるのも当然、主催者ビリーの愚かさに呆れかえります。インフルエンサーを駆使した宣伝、ミレニアム世代特有の価値観など今の時代を反映した面白いドキュメンタリーでした。素直に「バカだなぁ」と笑ってみられる作品です。

8位 セルロイド・クローゼット(1995)

 DVDが廃盤になっており、なかなか観られなかった作品です。何気なく渋谷TSUTAYAに行ったら置いてあって即借りました。
 映画初期から現代まで、マイノリティ表象を網羅した記念碑的作品です。『お熱いのがお好き』『ビクター/ビクトリア』などの有名作はもちろん、『ベン・ハー』でもマイノリティ描写があるのは初めて知りました。『噂の二人』の描かれ方について、シャーリー・マクレーンが反省していたのが印象的でした。
 映画史においても非常に重要な一作だと思います。見慣れていた映画でも、本作を鑑賞することで新たな発見が生れるのではないでしょうか。

7位 RBG 最強の85才(2018)

 アカデミー賞にもノミネートされたこの作品は、アメリカの女性最高裁判事であるルース・ベイダー・ギンズバーグのドキュメンタリーです。リベラル派の判事として数々の業績を残してきた彼女は、2020年に亡くなりました。その生涯はフェリシティ・ジョーンズ主演で映画化(『ビリーブ 未来への大逆転』)もされました。
 とにかく人気があった人なんですよね。人気ラッパー「ノトーリアス・B.I.G.」をもじって「ノトーリアス・R.B.G.」とも呼ばれ親しまれていました。彼女の静かだけど芯の通った佇まいが本当に素敵なんです。本当に強くて賢い人です。旦那さんもすごく素敵なんですよね。
 彼女の業績を追いつつ、普段の生活も垣間見ることで、彼女の人間性の素晴らしさを実感できる作品です。惜しい人を亡くしましたよね。ジェニファー・ハドソンの主題歌も素晴らしいんです。ぜひ皆さんエンドロールまでご堪能ください。

6位 ゆきゆきて、神軍(1987)

 日本のドキュメンタリーも負けていません。巨匠・原一男の代表作を選びました。とにかく異様な作品なんですこれ。
 過激派アナーキスト奥崎謙三を追った作品で、まずこの奥崎という人が強烈。正しいと思うことはとことんやり遂げる性格、警察沙汰になっても全く気にしません。過激な言葉で追求を続けるその剣幕はもはや狂気さえ感じます。
 それに負けない強固な原監督の撮影もすごい。彼のダイナミックな言動を余すところなく映し出していく。この人の主張に賛否はあると思いますが、異様な迫力がある作品です。『全身小説家』もすごかったなぁ…

5位 レニ(1993)

 ドイツの女性映画監督レニ・リーフェンシュタールの伝記映画です。レニ・リーフェンシュタールと言えばヴェネツィア映画祭金獅子賞『オリンピア』で知られますが、同時にナチスのプロパガンダ映画『意志の勝利』などもつくり、ヒトラーと懇意だったことでも知られています。
 戦後はそれが責められ映画界から追放されるような形となり、一本しか亡くなるまでに公開されませんでした。
 しかし『意志の勝利』や『オリンピア』を観てみると、彼女は天才的な映画センスを持っていたことが分かります。本能的に気持ちのいい編集リズムが分かっていたんですね。画角や構図も完璧、それがナチスのプロパガンダでなければ褒め称えられたことでしょう。
 当時はまだ女性監督が少なかった時代です。ナチスに迎合しても復帰できた監督はいます。しかし彼女はダメでした。そこには少なからず女性差別があったのではないでしょうか。
 そんなレニ・リーフェンシュタールの生涯を追った本作、かなり長いのですが、虚実入り交じる本人の話も含め、非常に興味深く面白い作品でした。現在一般的には観られない彼女の作品も使われていたりと貴重です。日本でも話題になり、キネマ旬報外国映画ベストテンにも選ばれています。

4位 ハーヴェイ・ミルク(1984)

 こちらも伝記映画です。ゲイとして初めて公職に選出されたハーヴェイ・ミルクのドキュメンタリーです。後に『ミルク』として映画化され、ミルクを演じたショーン・ペンがアカデミー主演男優賞を受賞しました。
 劇映画も素晴らしいのですが、こちらのドキュメンタリーも必見です。彼の劇的な人生を振り返り、不幸な最期を追悼します。RBGと同様に得がたい人だったと実感させてくれる一作です。
 『ミルク』でもハイライトとして演出されていた名演説では泣きました。そしてその後の感動的なシーンも実際にみると、いかに彼が尊敬されていたかが分かります。アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞も受賞しており、誰もが認める素晴らしい作品ではないでしょうか。

3位 ハニーランド 永遠の谷(2019)

 北マケドニアのドキュメンタリーです。アカデミー賞では国際長編映画賞、長編ドキュメンタリー映画賞に同時ノミネートされた史上初の映画(その後『コレクティブ 国家の嘘』『FLEE フリー』も達成)となりました。
 とにかく映像が美しい!上の画像でも分かりますよね。養蜂のシーンのみならず生活の全てが本当に美しいんです。
 そしてドキュメンタリーとは思えない劇的な展開に驚愕しました。ドキュメンタリーには演出はあるのですが、それにしてもこんなこと起こる!?という展開が待っています。
 こんな映画は二度と作れないだろうと断言します。最高に映像が美しく、映画としても面白い。北マケドニア映画、今キてます!

2位 収容病棟(2013)

 中国ドキュメンタリーの巨匠ワン・ビンの大長編です。精神病院を舞台に約4時間ひたすら映し続けます。
 精神病院とは名ばかり、まるで監獄のような施設なんです。尿はたらいに、まともな治療もせずほったらかしの環境が恐ろしい…
 何が怖いって、自分もこの環境にぶちこまれないとは言い切れないことです。狂気と正気は紙一重であり、いつおかしくなっても不思議じゃないんですよね。
 まるでその場にいるかのように映し出される画面を見ながら正気を保つのに必死でした。色んな意味で心底怖い映画だと思います。

1位 顔たち、ところどころ(2017)

 ドキュメンタリーという括りがなくても生涯ベスト級の作品です。ヴァルダの作品はいつも私を暖かく迎えてくれます。優しく、そして鋭い。それがヴァルダです。
 これは一回り以上年下のアーティストをJRとフランス各地を旅するというロードムービーなんですが、最高にアーティスティックな感性を刺激してくれます。大きく拡大された写真が貼られた海辺、街、工場…全てが忘れがたい光景です。
 人間の力強さ、暖かみをこれ以上なく美しく描いた傑作です。
 そして終盤、ゴダールよ…ヴァルダを悲しませちゃあかん。でもゴダールらしい。
 ヴァルダのユーモアとJRの心地いい関係性、各地で出会う人々、全てをヴァルダは愛します。心がホカホカする、そんなドキュメンタリーです。


ということで今回はドキュメンタリー映画について語ってみました。
今後もみたいものがたくさんあるので楽しみです。
皆さんのオススメも是非教えてくださいね~

この記事が参加している募集

おすすめ名作映画

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?