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産業の突然死。自動車業界の未来を考える

ある日突然、業界自体が消える。
21世紀になってから、このような事象が結構起きてるな〜〜と感じます。

例えば、デジタルカメラ
つい最近までフィルムカメラに変わって、デジタルカメラの時代が一世風靡しました。ところがスマートフォンが出てきて、画素数がデジカメと遜色ないレベルまでになると、売り上げがガクッと落ち、多くのデジタルカメラを作っているメーカーが苦戦を強いられています。

例えば、本屋
これもAmazonが出てくるようになって、”普通の本屋”だけでは生き残れないようになってきました。TSUTAYAもカフェとの併設など、空間を売るというコンセプトへの転換を余儀なくされています。また本という物理的な物自体も、電子書籍が広がるにつれ、紙というものの需要が減ってきております。

このようにイノベーションにより、全く違う業界の企業が産業のパラダイムを変えることで、従来の企業が生き残れなくなる、ということが起きています。
そして次のターゲットは自動車業界なのではないか?と言われています。

自動車が辿る運命はPC、スマホを見ればわかる!

自動車は現在、ガソリンエンジンで動く出荷が殆どです。
そしてガソリンエンジンの自動車を作るのは非常に高い技術力が必要です。
実際に自動車生産をリードしている国は日本、韓国、ドイツ、米国と先進国ばっかり。
部品や組み立てなど、生産において様々なノウハウやサプライチェーンの確保が必要になるからです。
ただこの技術優位で勝てるのはガソリン自動車が主流の間だけ、と感じています。なぜなら、これから電気自動車になると求められる技術も変わるし、生産の構造もガラッと変わるからです。

電気自動車はガソリンエンジンの1/100の部品で組み立てできる!

ガソリン車に比べて電気自動車は格段と組み立てが容易になります。
なぜなら必要部品数は1/100だからです。
さらに動かすにあたって、ガソリンは電池になるので、省エネの基準、それは電池の性能ということになります。
そうなった時に勝てるのは自動車メーカーでしょうか?
いや、おそらく電機メーカーになる可能性があります。
実際にトヨタは電池の開発にあたって、パナソニックと合弁を作っています。それは自社の従来の技術だけでは勝てないと判断したからだと考えられます。
また組み立ても電気自動車になることで非常にシンプルになります。
一説によるとスマートフォンとかPCを組み立てるのとさほど変わらない工程で作れてしまうみたいです。
すると、勝てる会社はスマホやPCの生産大国である中国・台湾。HUAWEIやASUS、ホンハイなどが強くなってくる可能性があります。

中国は本気で電気自動車に力を推し進めるだろう

個人的な見解として中国と米国が揉めている原因の根底には5Gの覇権争いと、この自動車産業のパラダイムシフトがあると感じています。
世界の1/4の自動車市場を中国が占めているので、中国としては他の国に開放をせずに自国で完結するように法整備をすることになります。
現在の中国のIT企業は、外資が入らないように法整備したことで成長できたと言われています。そう考えると、成功体験のある中国は自動車でも同様に電気自動車に有利な法整備をして、且つ外資の会社を締め出す可能性があります。そうすることで自国の技術を上げていっていずれ世界で戦う力をつけていきます。スマートフォンで実現したように。

日本の経済も危機的な状況に。。。

日本人の観点で見ると、このままだとトヨタは本気で変わらなければ日本はめちゃくちゃ厳しくなると感じています。トヨタに部品を提供している企業は国内に数千社あります。電気自動車にシフトすることは、そのようなサプライヤーとの関係を断つことになります。となったときに日本経済に与えるインパクトは計り知れません。
電気自動車に移行しないと会社として生き残れない、ただそれを推し進めると関係会社は危機に陥る。いずれも苦渋の決断です。
とはいえ、あと5年で結果が出るでしょう。
そうなった時にどの国、どの企業に軍配が上がるか。とっても楽しみです。



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