こんにちは、しえです。今回も見てくれてありがとうございます！

今ね、私騒音に悩んでるんですよ・・。

賃貸マンションに住んでいるんですが、こんなこと初めて。それまでは騒音なんて気に止めたこともなく、平和に暮らしていました。それがもう今、真下の部屋から聞こえる響くようなドンドンという物音と、声（夜の）にめちゃ悩まされています。

下の階からのドンドン音の中、こう思いました。「スペイン人って家での集まりとか大好きやけど、騒音対策ってどうなってんねやろ？」「スペインにも騒音問題って絶対にあるはず」「隣人トラブルってどうやって解消してんねやろ？」考えだしたら止まりません。

オタクはもちろん調べてみました。調べたところ、あまりのメンタルの強さ・考え方の違いに唖然としました。騒音に悩んでいる方はもちろん、スペイン人の考え方を知りたい方はぜひ。

そもそもスペイン人は宵っ張り

まず大前提として、スペインの方々は日本人とは生活リズムがかなり異なります。日が沈むのが遅いこともあるのか、基本とっても宵っ張り。22時頃に夕飯を食べ、週末はそこから飲みに出かけたりします。

宵っ張りなのは大人だけでなく、小さな子どもたちもそのリズムで生活しています。ベビーカーの中の赤ちゃんが22時過ぎて起きていたり、親がコーヒーを飲んでいる横の広場で子どもたちが遊んでいるなんてことも日常茶飯事。というか、変なことでも珍しいことでもありません。

こんな宵っ張りのスペイン人でも騒音問題はかなりあるようで、”Ruido（騒音）”　”Vecinos（隣人）"で調べてみたら出るわ出るわ。新聞記事から体験談、弁護士事務所の事例まで山のように記事が出てきました。やっぱりどこの国の人も抱えてる悩みは似たりよったりのようです。

スペイン国民の22％が隣人の騒音に悩んでいるという現実

2024年2月4日のこちらの記事によると、スペイン国民の実に21.9％が隣人、または外からの騒音に悩んでいるという衝撃の結果が。21.9％という数字のソースとなっているのはスペイン国立統計局の発表なので、信頼するには十分です。国の機関だしね。

私、スペインの方って割と音への耐性ってある方だと思っていたんです。自分たちも結構声が大きいし、話をするもの大好きだから。大きな音をたてながら走る車も頻繁に見かけます。

街中では集合住宅の1階にバルがあったりお店があったりするところも多く、人の出す音はある程度許容しているのかな、なんて勝手に考えていたのでこの数字は衝撃でした。

が、日本に目を移してみるともっと衝撃な数字が。日本でアパート・マンションの騒音に悩んでいる方の割合はなんと78.2％！めっちゃ高いやん・・。やっぱりスペインは、ある程度騒音に寛容な国なのかも。

騒音に対する法律がきちんとある！すごいぞスペイン

数字だけ見ると日本人よりは遥かに騒音に対する耐性があるように見えるスペインの人々ですが、はっきりとした基準が設けられているということが判明しました。音に対しての法律があるんです。

騒音に対するLey del Ruidoは、2003年に施行された法律。音を出しても良い時間が明確に定められている上、隣人に聞こえる音の大きさが昼間は何デシベルまでOK、夜は何デシベルまで大丈夫と決められています。

時間は各Comunidad autónoma（スペインの自治州）ごとに異なるようですが、おおよそ朝8時から夜の9時、10時と決められています。昼間は35デシベルまで、夜は30デシベルとなっているとのこと。

35デシベルって同じ部屋の中で2人が普通に喋っている声の大きさくらいのようなので、昼間でもお隣さんに丸聞こえの声の大きさで話さないでね、楽器の練習なども夜9時、10時までねということですね。

法律違反にはかなり重い罰金が課せられる！

この騒音に対する法律は一応形だけ存在するものではなく、騒音に悩む私のような人をしっかり守っている様子。

日々続く騒音問題に警察が介入するのは普通のこと！日本だと管理会社や大家さんが間に入って問題解決にあたって動くことが多いですよね。騒音で警察を呼ぶのはなんとなく気が引けてしまいますが、スペインは警察の介入がとても多いようです。

警察が騒音の元となっている部屋の外や、通報者の部屋から音量を測り、その後注意をしてくれます。その際個人情報をしっかりと把握し、罰金の対象になるのだそう。
この罰金は、法律で決められた音量をどれだけ超えているかで金額が変わります。

一番軽いプラス5デシベル以下の場合であっても、罰金は750ユーロ。日本円にするとなんと約11万円！！これは重いですよね！
騒音として聞こえていた音量が上がるごとに罰金が上がり、最大3000ユーロまでとのこと。日本円で約50万円ほどです。50万円！！これだけの罰金がかかるとなれば、騒音問題も減りそうです。

法律に頼れない騒音対策が異次元だった

夜遅くまで大きな声でおしゃべりをしていたり、大音量での音楽には厳格な対応をしてくれるスペイン警察。ですが、警察も介入できない騒音ってありますよね。音量的には罰金を課せるほど大きくない、でも睡眠を邪魔するには十分・・・代表的なのが、大人の夜声ね。セクシーボイス。

これ本当に迷惑なんですけど、隣人に言い出しにくいうえにスペインの警察が動けるほど大きな音でもない。さてスペイン人たちはこの危機をどう乗り切るのか？と思ったらかなり斜め上の対策を取っていました。

スペイン式騒音対策！皮肉とユーモアを交えて書かれた手紙

こちら地方新聞にも取り上げられていたツイート。投稿者は変わったお隣さんやご近所トラブルなどを取り扱うアカウントです。こんなアカウントが存在する時点で面白いのですが、こちらの投稿はかなり秀逸！

夜な夜なご近所さんのセクシーボイスに悩まされていたこの方、とうとう手紙を出しました。その内容がこちら

怒りたい気持ちをぐっと堪え、ユーモアを交えて書かれた手紙。ご近所さんだしコミュニケーションで解決したいという気持ちが感じられますよね。日本だったらこれで多少は静かになるでしょう。空気を読むことは、日本人が世界一長けていますし、こんな手紙をもらうなんて、私だったら考えただけでも恥ずかしい。

でも、そうは行かないのがスペイン。なんと手紙を受け取ったご近所さんからお返事が。

恥ずかしくないの？手紙を受け取った側のメンタルが強すぎる

いや強過ぎません？耳栓をプレゼントしてるってことはお隣さんに声で迷惑をかけていることも分かっているはず。分かっていながら、この対応ですよ。メンタル強すぎるやろ。頼むから扉は閉めてくれ。

ツッコミどころ満載のこの投稿ですが、この後このご近所さんたちがどうなったのかは新聞にも記述がないので知る由もありません。ものすごく気になりますが、きっとこの調子で手紙のやり取りを続けてちょうど良い感じに収まったと信じています。知らんけど。

もちろん手紙や大家さんの注意喚起で収まることも多い

上記でご紹介したのはスペインでも底抜けに明るいレアケースで、普通に注意喚起やコミュニケーションで解決しよう！というのが主流のようです。

ただ、日本のように相手を顔を見ないで、自分は名乗らないで解決しようとするのは少ないみたい。しっかりコミュニケーションを取って、同じマンションに住む他のご近所さんとも話し合って解決策を探りましょう、それでダメなら大家さん、大家さんでダメなら弁護士という流れが警察が介入できない場合の騒音対策のようです。

何事もまずコミュニケーション。受け取る側がいるので意図したことからズレることもありますが、それならさらに綿密にコミュニケーション。いかにもスペインらしい解決方法です。

騒音は迷惑だけど、コミュニケーション能力とメンタルの強さはぜひ見習いたい

今回はスペインにおける騒音問題と法律、実際の対応をまとめてみました。改めて、スペイン国民のコミュニケーション能力の高さとメンタルの強さを思い知らされました。このように軽やかにしたたかに対応できれば、騒音のひとつやふたつに悩まされることは減りそうです。

今日も私の下の階の人はドンドン謎の音を立てています・・ちょっとアメちゃん買ってくるわ。下の人がスペイン人ばりのメンタルの持ち主じゃないことを祈りながら。