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某遊園地の催眠ビジネスのからくり

 某企業の企画書の資料説明で脳と催眠を説明した項目をベースに詳しくNoteにてリメイクし記事化しました。

 それではどうぞ↓

 人間が「幸福」や「快感」を感じると『βエンドルフィン』と呼ばれる”脳内麻薬”と呼ばれるホルモンが大量に分泌されて”心地よさ”が生成されます。
 コーヒーのカフェイン、タバコのニコチンなどの摂取による視床下部(ししょうかぶ)の快楽中枢の物理的な刺激でも分泌を行うことが可能だと言われています。部屋の空間いっぱいにコーヒーの匂いなどを漂わせて「匂い」で【コーヒー】を摂取したときの場面を思い出させてリラックスさせるのもありだと思いますが(催眠でいうトリガーとアンカー)、そのようなことを行わなくても、”店内やオフィス内の飾り付けやちょっとした仕掛け”を行うことでこちら側に有利に催眠状態に誘導することが可能です。

 某遊園地は上記の誘導が上手く変性意識状態(催眠状態)に入りやすい子ども(前頭葉の活動が不十分?)から20代の前半の男女をターゲットに人間の五感(視覚 / 聴覚 / 嗅覚 / 味覚 / 感覚)を現実社会からなるべくシャットアウト(情報遮断)させ、一旦空っぽにさせた状態から再度遊園地側のみの情報を顧客の脳へ埋め込んでいきます。
 普段目に入る学校や職場、車やサラリーマンや各家庭などの現実ごとを考えさせる思考力をできるだけ低下させています。
 催眠に関する書物などでは12歳以下の子どもは前頭葉の活動が不十分だと言われているため”感受性が高い”と言われています。なので催眠術にも掛かりやすく素直な子、騙されやすい子が多いです。テレビの世界と現実の世界の区別がつきにくくなり現実世界でテレビのヒーローのまねっこをしてしまい喧嘩になったりケガをさせてしまうことがあります。

 人間は視覚から入る情報が87%、聴覚が7%、嗅覚が2%、味覚が1%、感覚が3%と数値化されているそうです。催眠術や催眠療法では「眠りなさい」という暗示を掛けて行きながら被験者の視覚情報を一旦遮断させ深い催眠状態へ導きます。
 通常の人間が五感を遮断されると普段受けている外部からの情報が入らないため一種の変性意識状態に入ります。有名な実験としてマギル大学のヘブ博士の防音カプセル「チャンパー」、アメリカ国立精神衛生研究所のジョン・カニンガム・リリー博士の「アイソレーションタンク(遮断タンク)」があります。
 某遊園地ではこれらことを完璧に再現することは非常に難しいですが、(暗闇メインのジェットコースターやそのほかのアトラクションなら可能かも)代わりに園内には集中してしまうゲームやパズル要素のある仕掛けを施しておいたりすることで人は興味をそちらへ惹き込ませ、いつの間にかその世界へと完全に入って行ってしまうのです。まるで催眠でいう「固定凝視法」(一点を集中させて掛ける方法)と似ていますよね。途中で自社のオリジナルコンテンツで楽しめることができれば顧客は快感と幸福感を味わい段々と自社のことが好きになってしまうのです。
 彼らが上手だなと思ったところは離島に遊園地を作ったことです。ここは重要なところで周りが市街地であれば集中することができたとしても”我に帰る”ことができてしまうからなのです。なのである一定の集中が途切れてしまうところでは気分が落ちたり十分に楽しめなくなります。テレビゲームも同じです。一点の集中です。

 催眠でもセッション中に急な来客やアクシデントやトラブルがおきた場合、被験者の催眠が解かれてしまい「Sihirliさん催眠解けました」と言われてしまったことがなんどかありました。その時のインタビューでは「人が来たのでその人のことが気になったら腕が動いてしまった」というものです。
 それを防ぐ為に遊園地側は周りには”何もない”または”少ない”、”観えない”工夫を施したのは催眠状態である人を現実に戻らせないことです。

 企業の店舗のコーナーづくり、配置、POPなどで一定の集中楽しくなる仕掛けリラックスできる環境を設けることで快感空間を生み出し好きなる店舗を開発することができます。

 もちろんのこと接客や対応も気は抜けません。

 余談ではありますが、こういった仕組みは夜の世界のお店でも同じことが言えます。”基本的”には窓がなく室内から外は観えないようになっており、薄暗く間接照明やギラギラとしたシャンデリア、そしてスーツやカッコいい格好をした大勢のイケメンの男の人たちに店に滞在している間はチヤホヤされているのでハッキリと言えば非現実で漫画の世界が現実になったようなものです。

 商売であるにも関わらず本気だと思いこんでしまい恋してしまうのです。(人のことはいえないですが、もちろん例外で付き合う人もいたりします)
 気づいてしまったときには後悔しかありません。

 『快感』を「エサ」に依存させ、気づいたときには『逃げられなくなっているか』『捨てられてしまう』かどちらかになってしまうのですから、危なそうなものには気をつけることです。批判を聞くと敵視するのは自分の『快感』を失いたくないからです。周りに似たような人間がいると一斉に攻撃体勢が出来るのでより”結束力”が深まり逃げ出せなくなる環境が出来てしまいます。これが、悪徳なカルト宗教などで使われる古典的な洗脳手法です。

 こういった技術が悪いことで使われるのをたまに耳にするのですが、催眠を使う人間としては非常に心が痛いく悲しいですね。人を幸せにする使い方をしましょう。包丁と全く同じです。

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