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キモノって何?

昨日、なんとなく眺めていたTwitterで、目に留まったのがこのツイートだ。

この現状に対し、遺憾だ!文化の盗用だ!と感じる以前に、え?そのネーミングはやめてください…と正直引いてしまった。

芸能界に疎い私でも、キム・カーダシアンという名前とレッドカーペットを歩く姿くらいは、テレビやファッション誌等で見かけたことがある。
そんな人物が日本の着物が本来どんなものであるかを知らないはずもないであろうし、見るからに着物に影響を受けてデザインしたものではないのは明らかだ。

世界的に活躍しているキムならば、最低限日本文化、着物への敬意を払ってほしかった。
もし仮に、自分の名前に似ているからという安易な理由で「キモノ」が用いられたのなら腹も立つし、全世界の言語の中で「KIM」のつく言葉なら、いくつか候補に挙がったはずだ。また、日本が好きで、日本風のブランド名をつけたかったというのなら、キモノよりも「ハダギ」「モモヒキ」といった名前の方が下着ブランドの名前としてしっくりくる。

ただし、彼女が補正下着ブランドを立ち上げたことをとやかく言うわけでもなく、むしろ多様性を意識したであろう色とサイズ展開はほめてあげたい。


■着物の定義とは?

確かにインスタグラムや海外のファッションサイトなどを見ていると、ペラペラの和柄っぽいプリントがされた羽織や、水着の上にきるような透けたローブ(robe)にまで「KIMONO」というタグ付けがされていることに驚く。
そして同時に、それは着物じゃないんだよなぁ…と嘆くと、大抵は「私たちのはジャパニーズスタイルのキモノじゃない!」と訴えてくる。

たとえ「着物」の由来が「着るもの」であり、衣類全般を指す言葉であったとしても、それは西洋から「洋服」という文化が入ってくる以前の話で、今日では「和装」「和服」としての意味で用いられるのが一般的だろう。

また、食文化も同じく、外国から日本に伝わり、独自の工夫や進化がなされ、カレーライスやナポリタンといった「日本食/洋食」が生まれている。


それでは、これらの「KIMONO」とカテゴライズされている服は…?

本当に日本から伝わったのだろうか?

日本の着物にインスパイアされたのだろうか?

単に売れるからという理由だけで、以前からあった単なるローブを「KIMONO」と呼んでいるだけではないだろうか?

このような人たちには、イチ日本人として、着物は着物!ローブはローブ!と声を大にして言いたい。


■キムノ下着をきっかけに

2013年12月に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されている。

それ以来、国内外にある本場の和食を謳った”ニセ日本料理店”が無くなったというわけではないが、食文化としての「和食」の意味合いや調理法、素材へのこだわりなどを再認識するきったけになったのではないだろうか?

悪用を防ぎ、これ以上”勘違いキモノ”を世界に流出しないためにも、着物の定義をもう一度確認し、着物が持つ役割やすばらしさを保護し、伝承していく必要があるはずだ。

そして「着物=下着」といった誤ったイメージを広めないためにも、キム・カーダシアン自身には商業的な目的としてではなく、着物本来の意味を再度学んでもらいたいと思う。


▼追記noteを載せました!

下着ブランド名に「キモノ」、日本文化への侮辱と批判が殺到 米タレント


▼こちらから ネーミング変更の呼びかけに賛同できます!
Say No to Kim Kardashian's "KIMONO" /Change.org

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