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JALとANAのブランドはどこが違うのか?

マレーシアに来ている。
 
去年の年末から月に一度、経営会議合宿のためにクアラルンプールに通うようになった。今回で8回目になる。今年に入ってから7回目。
 
クアラルンプールまでは羽田から直行便で7時間ほどで着く。夜の23時半に出発して、朝6時には現地に到着するので、飛行機がホテルの代わりになって、朝からスタートできるのがうれしい。時差も1時間しかない。飛行機の中で寝て、起きたら朝で、場所は日本からマレーシアに移っているような具合だ。もう8回目ともなると、熱帯雨林特有のムッとした気候が気になるくらいで、もはや海外にいるような気分も薄い。
  
飛行機はANAである。理由は簡単で、羽田からクアラルンプールに直行する便がJALにはなかったからだ。ANA派かJAL派というようなものがあるならば、僕はどちらかといえばJAL派で、どちらか選択できるときは特に考えもせずJALにしていた。先月のニューヨークはJALで行ったし、国内の移動も基本JALである。なにかイメージがあったのかもしれないけど、それを言語化しようとしたこともなく、ただJALかなぁとふんわり思うだけだ。
  
今年に入ってから毎月ANAである。すでに7回。一回7時間、飛行以外の時間を入れたならば、空港に入ってからラウンジで時間を過ごして飛行機に乗るから、一回あたり10時間くらいはANAタイムを満喫していることになる。ANAブランドを体験するには悪くない時間だと思う。
 
ANAは2012年にANAブランドを再定義して、ANA’s Wayという行動指針を打ち出した。これはインナーブランディングの成功事例として語られるもので、ANAで働く社員が自らの価値観を自らの言葉で表現した。それが、「あんしん、あったか、あかるく元気!」というものである。ANAで働く人たちがプロジェクトチームを組んで、たくさんの人が関わって生まれた言葉だという。また、この言葉が日々実践されるようなプログラムも組まれている。
 
JALにも行動指針はあるが、「ステークホルダーとの対話」や「お客さまとともに」というカタイ言葉で規定されている。JALは稲盛氏による再建がなされた時にJALフィロソフィという哲学浸透があったことが有名だが、これも内から生まれたものというよりも外から導入されたものだ。
 
正直、僕には「あんしん、あったか、あかるく元気!」という言葉がANAだけのものかどうかはわからない。JALにだって同様の印象を持つことが多い。だが、組織の内部から生まれ、実践され続けていることが大きな価値となっているのではないかと思う。今日1日を振り返って、「あんしん、あったか、あかるく元気!」だったか?と立ち帰れる場所があることがANAのブランドを強くし、ANAで働くことの意味や価値に気づけるのではないだろうか。


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