見出し画像

「言葉の獣 1巻」より。

こんにちは!tamasiroです。

毎日、欠かさず「言葉」を使います。
声で、文字で、使わない日は一生の内でもわずかしかないのではないでしょうか。
あまりにも身近すぎて意識したことがありませんでした。
会話をする事、歌う事、喜ぶ事、悲しむ事、そして読む事。
言葉を進化させてきた文明の歴史は、奇跡。
時には言葉に打ちのめされることもあるけれど、有難さのほうが圧倒的に強く思います。
言葉があるから、大切な人と語り合うことができる、本が読めるという恩恵です。
巡り会うことがない人の思いを知ることができるということ。
偉大な研究や、考察、知識を分け与えてもらえるということ。
言葉って素晴らしいです。
文字としての言葉だけではなくて、手話や音での交流も、やり方が違うだけで言葉の一種だと思っています。
意思の疎通を可能にする手段。
それが「言葉」の仲間たちかな、と思います。
では、もしも「言葉」が「獣」として見えたなら?
私の周りはどんな「獣」がいるのだろう?

著者様は 鯨庭 さんです。
発行はリイド社となります。
コミックです。


東雲は「言葉」を「獣」の姿で見ることができる。
取り繕った耳に心地よい「言葉」すらも東雲の見る「獣」は本心を再現したかのように真実の姿を見せる。
薬研の関心は“詩”にある。世間から見た“詩”は独特の世界だと思われている。高校の同級生には理解してもらえないことが多い。
二人はクラスメイト。
特に仲が良かったわけではないが「言葉」への関心が二人を結びつける。
東雲の話を聞き薬研は「言葉」に深い思考を巡らせ、たどり着いたのは「言葉の生息地」と東雲が呼ぶ森の中。
「獣」の姿をとった「言葉」があふれる場所だった。
現実に見たこともない不思議な獣たちであふれる森の中で、二人はたくさんの「獣」について考えることになる。
人により違う「頑張れの獣」。
襲いかかる「誹謗中傷の獣」。
SNS世界の情景と「獣」たち。



いつもそばにある「言葉」とは何なのかを、深く考えさせられるお話でした。
続巻です。


正しい言葉遣い、正しい文章。
幼いころから指摘される言葉遣いや理路整然とした文章は、相手に正確に伝えるという意味では大切なことです。
しかし、言葉遣いと文章構成さえ良かったら正解かというと、それだけではないと思います。

選び取る言葉には自然と個性が出ます。
話し方や心は雰囲気を作り出します。
相対するすべての人に、隠したいすべてを気取らせないことはとても難しいです。
だからこそ普段から、悪意のある言葉を発しないように、人の不幸を願うことや妬む心を持つよりも、自分を成長させることに心のベクトルを向かせたいと心がけています。

自分の言葉がどのように相手に伝わっているのか、残念ながら目視で確認はできません。
人を攻撃するよりも冷静さを。
陥れる言葉よりも認める言葉を。
逆もあります。
攻撃する言葉や陥れる言葉からは距離をとり適切な対応を。

もしかしたら、言葉で相手を傷つけてしまうかもしれないけれど、相手を支える言葉になるかもしれない可能性を、無下にはできません。
だから諦めずに、視野を広げる努力を重ねて、様々な経験を積んで「言葉」の可能性を信じていきたい。
とてもとても難しい課題ですが。

東雲のいうところの「美しい獣」の言葉を紡げたらいいな、と思います。
薬研のように、「言葉」について考えることをあきらめないでいようと思います。

伝えたい相手のために「言葉」を選ぶこと。
それはまるで、教訓のようであり、願いのようであり、「言葉」を使った祝福のようだと感じました。


わたしの「言葉の獣」を見てみたい。


最後までお読みいただきありがとうございました。
今日が素敵な一日となりますように😊

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?