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弱点をなくすのではなく活かす「マイノリティデザイン」

「弱さ」を生かせる社会をつくろう

本屋で目にした表紙のこの言葉がとても素敵でワクワクしたので読んだ「マイノリティデザイン」という本。

「弱さ」を克服するのではなく、社会にどう生かせばそれは強みになるかを考えるという「マイノリティデザイン」の発想には、誰もが活躍できる社会を作るためのヒントがたくさん詰まっていました。

そしてこの「マイノリティデザイン」という考え方。最近教育の現場で子どもの自己肯定感を高めるために使われる「リフレーミング」という心理学の考え方にとても良く似ていて、どっちも上手く使えたら自分の「弱点」をもっと好きになれるなあ、と思ったので少しまとめてみました。

マイノリティデザインとは

著者の澤田さんはコピーライターという職業ながら、マイノリティデザインの発想で人々の苦手やコンプレックス、障害を実際に武器に変える様々な取り組みを行っています。

中でも、運動が苦手という自分の弱点から発展させて創った「ゆるスポーツ」というジャンルは、よくメディアでも取り上げられているのでご存知の方もいるかもしれません。

澤田さんのお子さんは視覚障害を持っているそうです。
障害をもった息子や、運動が苦手な自分はどうすればスポーツが楽しめるのかと考える中で、「ゆるスポーツ」という新しいジャンルを生み出すことを思いつきました。

この「ゆるスポーツ」の素敵なところは、運動が苦手な人や障害をもった方を「特別扱い」せず、あくまでフェアなルールを設計しているところです。

「この人が決めたら得点が2倍」といった誰かを特別扱いする考え方では、弱点を強みにかえるとは言えません。

そうではなく、勝ち方や競技における強み(通常は「速い」「強い」「上手い」など)そのものを変えるという発想でルールが考えられているのです。

例えば「イモムシラグビー」という競技。みんながイモムシのように地面を転がったり這ったりしながら行うラグビーなのですが、この競技では普段足の障害などで歩くことができない方が大活躍するそうです。

なぜなら、彼らは普段から歩く代わりに家などでは地面を這って移動する機会が多く、イモムシラグビーの動きに慣れているのため、競技中も誰よりも素早く動くことができるそうなのです。

このように、既存の枠組みや社会を変革することで「弱点」を「強み」に変えてしまうのがマイノリティデザインという考え方です。

弱点を武器にする「リフレーミング」

この弱さを社会に活かす「マイノリティデザイン」の考え方は、最近教育の現場で、子どもの自己肯定感を伸ばすためによく使われる、心理学の「リフレーミング」の考え方によく似てるなと思いました。

「リフレーミング」とは、出来事や自分の特性を捉える枠組み(フレーム)を変えることで、自分が最初にもっていたものとは別の視点をもたせる方法です。

このリフレーミングの例としては、コップに入った水の話が有名なので、皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。

コップ半分に水が入っているのを見て、「半分しか」入っていないと思うのではなく、「半分も入っている」と捉えれば、状況は同じですが自分の心持ちは全然違ってくる、というものです。

このリフレーミングという方法、コップの例のように「状況を捉えなおす」使い方だけではなく、私たちの持つ「短所や弱点を強みに捉えなおす」時にも使うことができます。

例えば、僕はパッと思いつくだけでも弱点がたくさんあります。
優柔不断、飽きっぽい、喋りすぎてうるさい、断れない・・・などなど、あげだしたらきりがないです。

しかし、この弱点と思っていることもリフレーミングで視点をかえると

優柔不断→慎重で用心深い、
飽きっぽい→好奇心旺盛

喋りすぎ→頭の回転が早い、
断れない→相手の立場を尊重できる

といったように捉えることもできます。

自分の弱点だと思っていた特性が、見方をかえれば大事な武器になるんです。

自分の弱みを克服することは中々難しいし、大変なことだと思います。

だったらその弱点はどう捉えれば武器になるかを考えることに力を使った方が、心が軽やかになる気がしませんか?

すべての「弱点」は、僕らの「伸びしろ」

「マイノリティデザイン」という本には、このようなフレーズがありました。

すべての「弱さ」は、社会の「伸びしろ」。

この言葉を、もっと小さい視点で言い換えればきっとこうなります。

すべての「弱点」は、僕らの「伸びしろ」。

「マイノリティデザイン」と「リフレーミング」の発想を使って、僕も自分の「弱点」を「伸びしろ」にかえていけたらいいなと思います。

そうやって僕ら一人ひとりが自分の「弱点」をもっと好きになることができたら、社会も毎日も、今よりもちょっぴり明るくなっていくんじゃないかなと、この本を読んで感じました。

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