「ブラック校則」改善のために熊本市が行った全国初のスゴイこと

熊本市は校則作りに子どもを参加させることに決めた

『地毛が茶色なのに無理やり黒髪に染められた』

『下着の色は「白」指定で、守っているか先生が直接確認してくる』

このような理不尽な校則は「ブラック校則」と言われ、最近メディアでもよく話題になっています。

ここまで酷くはないにしても、皆さんも学生の頃、「意味がわからない!」という校則に悩まされた経験はありませんか?

僕の高校は髪型に厳しく、ヘアワックスも禁止だったんですが、天然パーマで髪がふんわりしてるだけで、
「お前、ワックスつけてるだろ?」
と指導室に呼ばれることがいつも納得いきませんでした。

最近になって、いくつかの自治体がこういった「ブラック校則」を見直す動きをみせているのですが、

その中でも熊本市の取り組みが「スゴイ!」とうなるものでした。

何をしたのかというと、

理不尽な校則を変えるどころか、校則作りのルールそのものを変えてしまったんです。

校則を決める権利を持っているのは、基本的には学校の校長先生です。
この校長先生が権限を持つ校則作りの規則を改定し、次の3つのルールを加えました。

・校則は必要かつ合理的な範囲内であること

・校則の制定・改廃に教職員、児童生徒、保護者が参画すること

・校則を公表すること

この中で特に注目してもらいたいのが、

「子どもを校則作りに参加させること」

これを法的根拠のある規則に書き加えたことは画期的なことで、恐らく自治体レベルでは全国初のこころみではないかと、熊本市の教育長も話していました。

校則作りは社会参加への練習の場

すでに存在している「ブラック校則」は、熊本市が作成した「校則・生徒指導のあり方の見直しに関するガイドライン」にある下の3つの項目に当てはまる場合は、必ず見直すことになっています。

①生まれ持った性質に対して許可が必要な規定
例)地毛証明書の提出を求めるなど

②男女の区別により、性の多様性を尊重できていない規定
例)制服に男女の区別をつけて選択の余地がないなど

③健康上の問題を生じさせる恐れのある規定
例)服装の選択に柔軟性がないものなど

ただ「ブラック校則」を無くすだけであれば、ここまですれば充分にも感じます。

ではなぜ、熊本市は校則づくりに子どもたちを参加させることをルールに加えたのでしょうか。

先程のガイドラインには、校則見直しに取り組むための目的としてこう書かれていました。

自分たちの決まりは、自分たちで作って、自分たちで守るという民主主義の基本を身に付けながら、自ら判断し行動できる児童生徒を育成することを目的とし、校則・生徒指導のあり方の見直しに取り組みます

つまり、子どもたちに将来、一人の大人として民主主義の社会に参加できる力を持ってもらうという、大きな目的が設定されているんです。

校則づくりは、そのための練習の場として捉えているんですね。

子どもたちにどのような大人になって欲しいのか。

その成長した姿のイメージや教育理念が根底にあるからこそ、校則を見直すだけではなく、その見直しに子どもたちも参加させるという発想が生まれたんです。

子どもの成長にとって大切なことは何か、しっかり考えられた素敵な方法だと思いました。

熊本市の校則に関する取り組みは、まだ今年の4月から始まったばかりですが、子どもたちが校則作りに参加することで得られるメリットが証明されれば、一つの大きなモデルになるはずです。

そこからこの取り組みが全国に拡がることになったら。
そう考えると、何だかワクワクしませんか?

ちなみに熊本市は、昨年の一斉休校の時にいち早くオンライン授業を行う体制を整えるなど、最近は先進的な取り組みを多く行っています。

オンライン授業については本でも紹介されていて、すごく面白いです。

子どもたちを中心に考え、素敵なことにどんどん取り組む熊本市の教育に、ぜひ皆さんも注目してみてください。

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