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『本を通して人とつながる』本のオアシス 石堂書店 店長 石堂智之さん

本をツールに人と人がつながる本屋BARを開催する石堂さん。どんなきっかけからそのコミュニティーをつくるようになったのでしょうか。本屋を営む傍らでコミュニティーを運営するという行動力の根底にある、石堂さんの深い洞察力と問題意識に迫りました。

プロフィール
出身地:横浜市
活動地域:横浜市
経歴:大学時代土木を専攻。しかし世の中のニュースをみて途中で建設業界に魅力を感じなくなる。卒業後、野菜配達の仕事などを経て商売の面白さに関心持ち始める。実家の事情で地元に戻った時、その地元の人達の温かさに触れ、2代続いていた石堂書店の店長に就く。以来人と人がつながれるコミュニティーを作っている。

『本を介して人とつながる場をつくろう!』

Q.どんな認識の変化やあり方の変化が今の活躍につながっていますか?

石堂    大きなきっかけは家の事情で地元に戻ってきたことですね。それと家庭環境のことも大きいです。子供のころ、家庭環境がよくなくて、家に帰りたくないなって思ったり、家族との食事も笑いながら楽しい食卓どころか、別々の部屋で食べていたくらいです。それがすごいショックでどうしようもできない無力さも感じながら、ずっと悩んでいたんです。人とはどうあるべきなのかや、家族とはどうあるべきなのか、社会までは考えてなかったけど、家庭のあり方は自分なりに考えましたね。そしてその環境は自分の中で反面教師になって、その後そうじゃないものを目指していこうとするようになったので、なにか考えるときはそのときの経験が土台になりました。でもそういう意識だと、世界の貧しい国のこととか、殺人事件や警察沙汰の事件とか、自分ではどうしようもないことが目に飛び込んできて、そういうものを何とかしたいって思うようになりましたね。

家庭や目に入る事件は明るくない一方で、大学の研究室とか部活とか、自分はそとにコミュニティーを持っていたし、仕事を始めてからは一人暮らしをするようになったので何とかバランスを保つことができていました。そんな中家の事情で地元に戻った矢先に、高校生が駅で電車に飛び込んで自殺するという事件が起きて、それがとても衝撃的で自分には何か他人ごとには思えなかったんです。そういった出来事と、実家に戻ってからは本を扱うようになった事から、本は人とコミュニケーションできるツールにもなるし、コミュニティーをつくろうと思いました。いろんな年代や職種の人が来て、自分はこういう本が好きなんですって言える場、本じゃなくてもいいけど自分のことが語れる場、そのままでいいんだよって認めてもらえる場所とか、そういった場を創りたいというところにつながりました。

記者 とても素晴らしい問題意識ですね。本屋さんでそんな場を持っているというのはすごい魅力だと思います。

『人と人がどんな関係を築くべきか、その関係性を提供できるサービスが必要』

Q.AI時代に生きる人にどんなニーズがあると思いますか?

石堂    やっぱり人と人がどういう関係を持っていけばいいのかとか、そういうところを大事にしていくサービスがどんどん出てくると思います。自分たちもそういうところを目指してるつもりなんですけど。やっぱり1+1が2じゃなくて3とか4とか5とかなるような関係性や、お互いがお互いを大事にできる関係性とか、関係性の中に愛とか優しさとかがあることがすごい大事になると思います。

AIが普及すると職を失ったりとか、やりきれなくなってしまう人も出てきて、経済では言い表せない格差が出てきてしまうと思います。そういうときに享受を受けてる人間たちがちゃんと救えるかどうか、その人たちをちゃんと持ち上げていけるかどうかが大事。そうじゃないともっと殺伐な、もっとすごい事件が起こる可能性もあるんじゃないかなと思いますし。だからもう時間がないんですけど、そうなる前になにか手を打たないといけないのかなって。家族がいなかったら先生とか友達とか、町の人とか、そういうところで何かつながりを見つけていくことが大切だと思います。

記者 今の時代は人間関係が希薄になっているのでAIが普及してくるともっと大変なことになりそうですよね。だからこそこれからは人と人の関係性に着目する必要はありますね。

『個人の悪いところをコントロールして超えていくには、個人の変化が必要。そしてそのためにも変化のきっかけになる発見が大事』

Q.人と人との関係性を創っていかないといけないって言ってましたが、どんな原因があって今のままでは危ないって思ってて、どんな風にそこの原因を突破して理想の関係性を構築できるって思ってますか?

石堂
 個人レベルの問題だと思うんですよね。自分の中にもいい部分と悪い部分があって、みんなにもそれぞれある、そしてその割合もそれぞれ。その悪いものが出てきたときに、まずは個人レベルで見つめることができて、コントロールできるのか。そしてちゃんとそれを超えられるのか。世の中は争いが絶えないですけど、やっぱりそうはあって欲しくないと思ってるですよね。やっぱり人と人が出会ってお互いが支えあったり認め合ったりできるためには、個々のレベルで内的変革のようなものが必要になってくるんじゃないかなって思います。そしてそういうものを気づかせてくれるきっかけは、自然の中にいっぱいちりばめられていると思います。いろんな人やそのいろんな人の活動にふれたり、今までの本や文献の一言を見たりして、正されるとかもあると思います。気づき方はそれぞれあると思うんですけど、一人ひとり責任を持って発見していかないといけない。そしてその変革を進めていくためにはその発見の術を変えていかないといけないと思う。それができるかできないかで全然違った未来になるんじゃないかなって思います。

記者    確かに人間の内側の変化は絶対必要ですよね。とても共感します。その変化のためにも様々な発見を蓄積していくことは、きっと豊かな人生にもつながりますよね。

『協力しあえる建設的な関係性をグローバルに』

Q.今の時代をどんな風な時代にしていきたいですか?

石堂
   つながっていく時代にしたいと思いますね。それぞれみんな頑張っていると思うんでそういう人たちがつながって、救われて。SNSとかも使って、いいつながり方をしていく。そして協力してでかいものを生み出していける建設的な関係性をグローバルに築ける時代にしていきたいですね。

記者    今まで3つほど質問してきましたが、一貫して人と人がつながる必要性をおっしゃってますね。人とのつながりは豊かな人生を歩む上で欠かせないので、AIの普及する今の時代だからこそもう一度見直す必要がありますね。

本日はどうもありがとうございました。

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■編集後記
インタビューを担当しました岸本です。お話をお伺いするために石堂書店さんにお邪魔した時にいろんな本を紹介していただきましたが、それだけでも楽しく交流することができ有意義な時間を過ごさせていただきました。オーナーの石堂さんは素晴らしい問題意識とコミュニティーをお持ちで、温かい場をつくっていける方だと思いました。これからもご活躍をお祈りしたいと思います。

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この記事はリライズ・ニュースマガジン“美しい時代を創る人達”にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36

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