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ミモザの花束と春のお告げ

先日、近所で仲良くしてもらっている素敵なご夫妻から、ミモザの花束をいただいた。この土地へやってきてから、毎年のようにお裾分けしてもらっている。

ご自宅にミモザの木があるそうで、私もお邪魔した際に実物を見させてもらったことがある。それは立派な木で、両手を広げても全然足りないくらいの大きさだった。

ミモザは黄色くて小さな可憐な花と、細かい葉をいくつも付けているのが特徴。毎年ミモザをもらうまでは知らなかったが、ミモザは鮮度によって見た目が全然違う。木から切りたてのときは花が「ふわふわ」していていかにも花粉が舞いそうな姿だが、切ってから数日経つと花は「ぎゅっと」硬くなって小さくまとまる。

イタリアでは3月8日を「女性の日(フェスタデラドンナ)」というらしく、その日に男性から女性にミモザの花をプレゼントする風習があるそう。素敵。

その話を夫にしてみたら「日本には母の日とか敬老の日ってあるけど、単純に女性に感謝する日ってないよね」と言っていて「確かに」と思った。日本と外国の違いは、なんでもない日常にこうやってそっと隠れている。

そんなミモザは私にとって、春のお告げを象徴するものの一つだ。

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春のお告げといえば、先日うちの庭でうぐいすが初めて「ホーホケキョ」と鳴いた。その声を聞いて、思わず感嘆の声をあげてしまった。もうそんなに時間が経ったのか。この前2024年になったばかりだと思ったのに。

さらに庭を見渡せば、もう「ふきのとう」が出始めているではないか。年によってはふき味噌を作ったりもするけれど、今年は日常の料理だけで手いっぱいだから作れないだろう。

そして「花粉症」だ。嬉しくはないが、これも春を告げるものの代表。例年に比べて少ないでしょう、なんてお天気ニュースでは言っているけれど、花粉症の身としてはあまり関係なくツライ。私は喉のイガイガが最も気になるタイプで、顔をしかめたくなるほど痛痒くなる。

もう春はそこかしこに来ているな。

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ご近所の方からもらったミモザの花束。大きめの花瓶に入れて宿に飾ってみた。

日本には女性にミモザを贈る「女性の日」は浸透していないけれど、3月14日のホワイトデーは比較的知られている気がする。

今年バレンタインデーに、夫にはフェアトレードのチョコレートをあげた。「ピープルツリー」というメーカーの商品で、価格は高めだけど理念が良いからたまに買っている。あと原材料が有機素材だったり、白砂糖の代わりにミネラル豊富な黒砂糖を使っていたり、パッケージが手描きでかわいかったりするのも好き。

そのお返しとして少し早めのホワイトデーに「米粉と米ぬかのビスコッティ」をもらった。無添加でおいしい。真面目なお菓子作りをしている会社って応援したいよね。

ミモザはもらっていないけど、こうして私好みの食べ物を理解してくれている夫には感謝しなくては。Grazie!

そのとき必要なことに必要な分だけ、ありがたく使わせていただきます。