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【レジリエンス】感謝の心で、乗り越えられる。

レジリエンス」という言葉を知っていますか?

私は、不勉強で知りませんでした。

つい最近、会社に届いた研修案内のタイトルに「レジリエンス」が含まれていて、隣の席の先輩(50代男性)と「なんだろうね~?」と話していました。

すると偶然にも、読みかけだったこちらの本の中に詳しく描かれていました。

山中教授と成田先生の対談形式の本です。

レジリエンスとは

つらい出来事があったとしても、しなやかに対応して生き延びる力。
例えば震災とかで大変なことが怒ったときに、希望を失わず立ち直る人もいるし、長く立ち直ることができない人もいる。そういう立ち直る力のことをレジリエンスと言うんだ。

山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る

「立ち直る力」「乗り越える力」等の事を言うそうです。

私は10代の頃から本を読んだり、不幸や天災のニュースを見聞きする度に
「何があっても大丈夫!と思える人」「何でもプラスに捉えられる人が一番強い」と感じてきました。

子供に対しても、学力の高い大学へ行くとか、権威のある仕事に就いて欲しいとかそんな事よりも、この「心の強さ」を持った人に育てたいと思います。

3つのパーツ

その「乗り越える力」は3つのパーツからできているそうです。

①自己肯定感
②社会性
③ソーシャルサポート

3つのうち「自己肯定感」と「社会性」は後から上げる事が難しい。
一方で「ソーシャルサポート」はトレーニングによって鍛える事ができる。

ソーシャルサポートとは

「周りの人に助けられているっていうことを実感する力」
つまり、「おかげさま」と思える力。

山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る

ありがとうの力

本の中で繰り返し、レジリエンスの「ソーシャルサポート」
「おかげさま力」は「感謝」で鍛える事ができると書かれています。

特に山中教授は「感謝」について何度も発言をされていますが、特に印象的だったのは、この部分。

「ありがとう」を言われて、そこで自分の存在価値を確認している。自己承認を得ています。いろんなことが制約されて生きづらさが増す時代が続いたとしても、「ありがとう」が言えて、「ありがとう」を言われる関係性を築けたら前向きに生きていける。

山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る

「有難う」という言葉は大切だよ!と書かれた本は沢山ありますが、具体的に感謝が心にどう影響しているか?
「感謝の因数分解」みたいで、凄く納得感がありました。

感謝について語られる部分の中に、お母さまのエピソードがありました。

山中教授は高校時代に柔道部に来た教育実習生に投げられて「肘の骨が折れる」というアクシデントに見舞われたそうです。

その時に先生から電話が来てお母さまが「うちの子がちゃんと受け身をしなかったからだと思います。悪いのはうちの子ですから」と答えていたそうです。

山中教授はお母さまに対してこう話していました。

「いいことはおかげさま、悪いことは身から出たサビ」
そんな生き方を教えてくれた気がします。
(中略)
ついつい逆になっちゃうでしょ。
うまくいったら「俺が頑張ったから」って思って、うまくいかないと「あぁ、みんなが手伝ってくれないからだ」とかって思っちゃう。
そう考えてしまうと、うまくいかなくなったときに解決策がないというか、立ち直る術がなくなっちゃう。

山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る

もし我が子が学校の先生に投げられて骨折したら「悪いのはうちの子ですから」って言えるかな?
自信はないけど、先生を責めたり憎んでも何も解決しない。

「いいことはおかげさま、悪いことは身から出たサビ」
私も、そういう気持ちを大切にしたいなと思いました。

「助けて」を言える事が自立である


どんな人も「自立」する事が重要。
だけど、自立って何だと思いますか?と聞くと多くの人が「何でも自分でできること」と答えるそうです。

だけど成田先生が障害を持つ方に「自立とは?」を問うと

自分ができないことをちゃんと理解して誰かに「助けて」って言えること。

山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る

と仰るそうです。

できないときは「助けてー」って周りの人に言えばいいのよ。それなのに、「ええかっこしい症候群」があると、ヘルプ・ミーを言えない。
つまり、「ええかっこしい」は、ピンチに陥ったとき、人間のマイナス要因になるんです。
(中略)
常にええかっこしようとすると、ネガティヴな事実や課題と向き合えない。すると、問題解決できなくなっちゃう。ヘルプを頼めるのは、人が生きていく力のひとつ。

山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る

確かに、「自分でできること」と「自分でできないこと」が判断できれば、抱え込んで潰れてしまう事はなくなりますよね。
近年、心の病気が増えていますが「助けて」と言える人になる事は重要だと思いました。

お陰様、身から出たサビ、助けてと言う。
この3つが、私が本の中で見つけた「レジリエンス」を鍛える源でした。

子育てには正解がない

正直な事を言うと、この本はお二人の思い出話やご自身の子育てに関するエピソードも多く、1か月近くかけて少しづつ読んでいた事も加わり、途中から「この本から何を得たくて読んでるんだろう?」と、離脱しそうになりました。

でも、レジリエンスの話題で付箋を貼り、最後に山中教授が書かれた「あとがき」を読んでから、この記事を書くにあたってもう一度読み返しました。

子育てには正解がないのに、正解を追い求めすぎると、どこにもたどり着けずに堂々めぐりをしてしまう気がします。
子どもが親にいちばん言ってほしいのは、
「あなたのことを信じている。たとえ物事がうまくいかなくても、私たち親だけは最後まであなたを信じる
という言葉ではないでしょうか。

山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る


今まで沢山の子育てに関する本を読み漁ってきて、私自身も
「正解を追い求める母」になりがちだと思います。

でも、あらゆる本に影響されるのではなく「ここは取り入れられる」とか「本当にそうかな?」とか、本と対話をする事。
何よりも目の前の子供を観察して、信じる事を大事にしようと思いました。


この本は「レジリエンス」をテーマに書かれた本ではなく、子育て全体に関して沢山の事が書かれていました。
きっと読者によって響く部分が違うと思います。

少しでも興味を持たれた方は是非読んでみて下さい。
そして心に響いた部分を教えて頂けたら嬉しいです。

最後までお読みいただき有難うございました。
今日も素敵な一日になりますように☆彡


〈余談〉
この記事を書いている途中、4時台に長男が起床してしまい勉強に付き合ったり、朝ごはんを用意したり…で、何度も中断しました。
書き終えないまま一日がスタートしてしまい、物凄く気持ちが悪かったです。
私にとって「朝いちばんにnoteに思考をリリースする」という作業が今では欠かせない習慣になりました。

リリースするだけではなく、皆様からのスキ!やコメントがとても嬉しく思います。
いつも本当に有難うございます。

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