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物食日記

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美味しいもの、美しいものが好き。 散歩とスナップに夢中。
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自然菜園デビュー

自然菜園デビュー

つい先日、夢叶って葉山町内で無農薬畑をお借りできることになりました。江戸時代から続く「いさむファーム」さんが所有する農地の一部。元は田んぼだった場所で、粘土質の土壌。

4、5年前に友人のめぐるさんがここで畑をやっているのを見せてもらい、また、やはり友人のレイジローさんがニホンミツバチ養蜂の巣箱を畑脇に設営する場に立ち会い、自分もこの畑で野菜を育ててみたいと熱望。その願いをいさむファームの早苗さん

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草刈り、天職かも

草刈り、天職かも

花を育て管理するのが、今の主業務。畑での仕事がひと段落すると、広大な園路でのひたすら草刈り三昧な日々が続きます。土あり、泥あり、レンガを積んだ花壇や大小のガラ石あり、舗装面ありの多様な道と周辺。

刈払機で草刈りをやっている人はおわかりかと思いますが、なかなかに手強い環境です。金属のチップソーはすぐに磨耗して切れ味を失い、ナイロンコードはみるみる減っていきます。とりわけ後者は頻繁なナイロンコード交

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流撮したくて

流撮したくて

あらゆる撮影テクニックのなかで練習が必要っぽいのが「流し撮り」(以降「流撮」と略)。横方向に動くものを主被写体としてピントを合わせつつ、背景はボカし&ブラして主被写体の疾走感を表現する技です。「撮り鉄」さんの間ではわりとポピュラーで、存在はなんとなく知ってはいたんですが、自分の日常ではトライする機会がありませんでした。この流撮をやってみたいと思ったのは、2007年7月発行の雑誌『BRUTUS』62

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mossで昼寝

mossで昼寝

鎌倉ほどではないにしても黄金週間の葉山は観光客で大賑わい。基本は家にこもって安息に徹したくとも堪え性のない自分は飽きてしまって、以前から企んでいたプランを実行。90年代に入手した米国moss(モス)のコンパクトなタープ『The Tent-Wing』を持ち出しての昼寝を楽しみました。

場所はこの連休中も観光客は皆無。犬と散歩する地元民がちらほらのビーチ。葉山町との境に位置する横須賀市秋谷の某海岸。

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35MMのクッキー缶

35MMのクッキー缶

紙媒体だけでなく、さまざまな製品のパッケージからショップやブランド全体のディレクションまでトータルに魅力的なデザインを創造するグラフィックデザイナー平林奈緒美さん。その仕事ぶりの大ファンだから、先日新宿駅の「イイトルミネ」内にオープンしたクッキーの店「35MM(サンジュウゴミリ)」のパッケージについての平林さんによる投稿にビビッと感応。

この店のエクステリア、スタッフのユニフォーム、紙袋、直径3

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斜光の江戸散歩

斜光の江戸散歩

5月の連休後半は東京佃島の実家に顔出し。ついでに都内で気になっていた場所もパトロール。いちばん訪ねたかったのは、リスペクトするスタイリスト長谷川昭雄さんが個人的に気に入って通い、雑誌『POPEYE』最新号でスポットライトを当てた空間、墨田区立川のワインショップ「倉庫」である。

小さな町工場や昭和初期の商家が残るエリア。縦横に整然と走る広い道は車や人の通行が少なく、静穏としたムードにとても心休まり

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雨の水曜日はバケット買い

雨の水曜日はバケット買い

またまた雨の臨時休日。なんだか今春は水曜日に雨が降る確率が高いように思う。日給月給の造園仕事。これで収入がさらに減ってしまうなぁと塞ぎ込みたくなるけれど、お天気商売なんだから仕方ない。火曜と水曜限定で開いている町内のパン屋「Conaya」さんに行こうと沈みそうな気分をスイッチしました。

羽織るのは雨天時のバイク通勤着でもあるガイコッテンの合羽。フランスやアラスカの漁師にはユニフォームみたいな存在

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理想のコイルコード

理想のコイルコード

今の造園現場では鬱蒼と雑草茂る藪に入って草刈りをする機会が多い。その際、刈払機では笹竹など手強そうな硬い植物の茎は腰道具のひとつである剪定鋏であらかじめ伐り払っておくのだけど、ホルダーから出し入れしているうちに気づかず地面に落としてしまうことがままある。刈った雑草の山に紛れこんでしまうと見つけるのは大変だ。そのまま行方不明になったのは二度三度ではない。鋏は必需品だから、新品の買い直しを迫られるが、

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おおらか巾着縫いで繕う

おおらか巾着縫いで繕う

10数年前に買ったイラン・マースレー村の手編み靴下。買い付けは南青山の「グランピエ」が行っているけれど、これはそれらのなかから鎌倉「もやい工藝」がセレクトし、毎冬恒例の『あったか展』で扱う控えめな柄の一足。ざっくりした太い糸で編み組みされ、温かくて素足にとても心地よいのは手仕事ならでは。気持ちいいなぁと毎日、ルームソックスとして履いていたら、ひと冬で踵部に大きな穴が空いてしまった。見た目は丈夫そう

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春のital life

春のital life

週末に近所のビーチで憩うとき、街へ散歩に出かけるとき、カブで小さな旅を楽しむとき、たとえばそうしたご機嫌な晴れやかなシーンではちょっとお洒落して気分を華やかに昂らせたくなります。ぼくの場合、選ぶ服はパタゴニアのヴィンテージウェア、もしくは天才服飾アーティスト、竹ピーさんが創作するital life(アイタルライフ)のパンツやTシャツになります。

黄金週間のはじまりに、東逗子のアトリエを公開し、ま

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鎌倉で呑むならば

鎌倉で呑むならば

雑誌『湘南スタイル』やフリーペーパー『湘南ビーチFMマガジン』など湘南・三浦地域の紙媒体制作に編集者、ライター、カメラマンとして携わっていたのは15年以上前のこと。当時はこのエリア最人気の鎌倉の記事が強く望まれていたから地元民が贔屓にする店や良さげな新規オープン店がないか定期パトロールし、自腹で飲食や買い物してはリサーチ&吟味していた。賑わいが苦手な自分だが、仕事モードで観光客でごった返す小町通り

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黒七輪の夜

黒七輪の夜

春から秋にかけて日没後も暖かな時季になると我が家ではときどき七輪BBQを楽しみます。

まずは庭で炭火を熾し、火力が落ち着いてきたら土間のダイニングへ移動。かれこれ20年くらい愛用している黒七輪は御茶ノ水の自然食材店「GAIA」で購入し、電車で葉山まで持ち帰ったもの。今も作っているのかな?と調べたら、愛和県三河の瓦職人・高橋さんが手がけるものと同型なので、たぶんこれだと思います。黒七輪を作れる職人

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ワークマンのロードテスト

ワークマンのロードテスト

1,900円という驚きの安さで手に入れたワークマンの高耐久シューズ『アクティブハイク』。街、山、海での履き心地はどうなのか、長時間歩いて確かめてみた。あくまで個人の感覚なので、他の誰かには参考にはならないんじゃないかな、と前置きしつつ私感を記したい。

鎌倉小町、若宮大路の雑貨店「beach dog cafe」店主ウオズミさんの真似をして、この一足を買い、別売の中敷『マシュマロイン インソール』を

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I LOVE 海岸植物

I LOVE 海岸植物

潮風にさらされ、極度に乾燥し、水分は皆無に等しい。ビーチは植物の生息環境としては地球最悪かもしれない。でも、そんな過酷な場所であえて根をおろすスーパータフな植物が居る。

本当のところは人間にはわからないんだけど、他の種との生存競争を避けるべため、なるべく他のなわばりとバッティングしない地を選び、台風などの大波で一夜にして全滅のリスクを背負いつつ、種の継承と拡張を計っていると推察されてる。

その

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