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【small design】はじめに

僕は
『世の中のモノを小さくしたい』
と思っている
工業製品は基本的に規格化されたモジュールで組み立てられている
そのモジュールは平均値より余裕を持たせたサイズが使われることが多い
それは世の中には平均より大きな人もいるからだ

誰でも使えることを考えると当然
“大は小を兼ねる”
という理論になってしまう

そう考えると、みんなが使えることを重んじるあまりにほとんどのモノは
“平均よりも余裕を持ったサイズで作られているのではないか?”
という仮説が生まれる


僕はこのような社会に対して
『小さいことで生まれる豊かさ』
を表現したいと考えている

単に小さい(=small)といっても、その手法は様々だ

これから
『小さいことで生まれる豊かさ』
について様々な分野や視点で観察していきたいと思う


はじめに扱うのは、
躙口(にじりぐち)

千利休が茶室の入り口に設けた、二尺二寸(60〜70cm)程度の足元にある引戸を設けた戸である

茶室には、躙口を潜るように入室する
小さな入り口から入ることにより内部に入ると異世界に来たような感覚になる

またくぐるという動作には、誰もが頭を下げる必要があることから、ここから先は身分に関係なく平等にお茶を楽しむ空間であることを示唆しているとも言われている

作法とか茶室的な理屈はあるのかもしれないが、私は入り口を小さくすることだけで、空間に入る際にくぐるという動作が生まれ、新たな空間に入るワクワク感みたいなものが生まれることが面白いと思う

たったそれだけで?
と思うことで暮らしに豊かさが生まれることがあるのだ

私が
小さいことで生まれる豊かさ
に可能性を感じた体験である

当たり前だと思っていることを、小さくしてみることで新たな豊かさが生まれるdesignを考えていきたい

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