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『源氏物語』好きがオススメする現代語訳作品7選

ごきげんよう、霜村夕季です。

大河ドラマ『光る君へ』、観てますか?
平安貴族の日常が雅やかかつ昼ドラ的に描かれていて、私は色んな意味で楽しんでます。笑

その主人公、紫式部が書いた作品が、かの有名な『源氏物語』ですね。

先日、私はこんな記事を書きました。

こちらでは漫画化作品を紹介したのですが、

『漫画ではなく文章でもっとじっくり源氏物語を味わいたい!』

という方には、わかりやすく現代語訳作品をオススメしたい…!
素晴らしい作品がたくさんあるのですが、いくつかオススメをご紹介したいと思います。

現代語訳の有名どころ7選

①瀬戸内寂聴 訳

『源氏物語』

こちらが全帖完訳のシリーズ。
原文に主語を補い尊敬や謙譲などの敬語表現を大切に描かれている作品で、まるで平安時代の女房が昔語りをしているような、優しい口語表現になっています。多少の加筆はあるものの、ほぼ原作に忠実。
出版社から「中学生にもわかる言葉遣いで」と要請されたそうで、実際、非常に読みやすかったです!

瀬戸内さんは、他にも源氏物語の本を出されてます。

『寂聴 源氏物語』

瀬戸内訳の全54冊を1冊に再編集した作品。何冊も集めなくてもこれ一冊で大筋は済んじゃいます。笑
表紙のデザインも綺麗です。(ジャケ買い党)

②角田光代 訳

『源氏物語』

瀬戸内訳とは対照的に、こちらは敬語表現を除いてあり、文体が非常にシンプル•あっさりなので、小説を読む感覚で読めます。原作にも忠実。
また、解説なども本文中におさめてあるので、非常に理解もしやすいです。
表紙がとってもオシャレですよね!(ジャケ買い党)

③林望 訳

『謹訳 源氏物語』

国語学者の方なので、熟語などやや難しい表現を使われている印象。一文一文が原文と同じく長い。
だけど、学術的にみればこれが教科書的というか、定説と思えてくる魅力のある作品です。

④ウェイリー 訳

こちらは源氏物語を100年前にアーサー・ウェイリーが英訳したものを、日本語に再翻訳した作品。
光源氏=シャイニングプリンス・ゲンジですよ?
女御・姫=レディやプリンセスですよ?
ぶっ飛びました。笑
普通の現代語訳とは違った、英国の香りがする新鮮な訳です。同時に、表現のわかりやすさも逸品なので、入門編としても楽しめると思います。
これもまたクリムトの表紙が美しい!(ジャケ買い党)

⑤谷崎潤一郎 訳

『潤一郎訳 源氏物語』

『細雪』や『痴人の愛』などの著者、谷崎潤一郎さんの作品。
訳者の感情などが入らない点で原文に近いのですが、その分少し難解です。そして文体が格調高いというか、やや堅いというか。私は谷崎作品ファンなんでそれで良いんですけどね。
2、3冊目に挑戦するのに良い作品かもしれません。

⑥与謝野晶子 訳 

『全訳源氏物語』

歌人の与謝野晶子さんの作品。
少し古い日本語での表現であり、解説等も無いため、アドバンス編としてご紹介します。
ちょっと自分への投影?というか物語との一体化?してる部分や恋愛寄りの表現がみられるので、何というか“与謝野さんらしい”訳だと思います。

⑦田辺聖子 『私本 源氏物語』

こちらは現代語訳、…ではなくもはやパロディです。笑
物語の流れはそのままに、バリバリの関西弁で話させたりコミカルに描いています。
六条御息所=『六条のオバハン』て言うてしまいます。笑
原文に忠実かと言われるとちょっと?なので2冊目以降にオススメですが、とっつきやすさはピカイチなので、1冊目にお読みになっても楽しめると思います。
田辺さんは通常の現代語訳『新源氏物語』も出されてますので、そちらもぜひ。

あなたはどの『源氏物語』が気になる?

気になる作品、ありましたか?
文体との相性や好みも人それぞれ。
ピンとくる作品があれば、ぜひ手に取ってみてください。

ちなみに、私は瀬戸内寂聴さん派かな?
敬語やその他の表現が優雅で、平安貴族の物語を語るには雰囲気ピッタリだと思っています。まわりくどいと言われる点も、逆に良い。
ウェイリー版や田辺聖子さんの私本も好きです。



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