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最高の人生を送る唯一の方法、それは、〇〇を大事にすること

こんにちは、清水陽介(@smzyuskmental)です。


先日、こちらの本が発売されました。

毎度おなじみ、鈴木祐さんの新著、『最高の体調』でございます。

「パレオさんの新作だ!!」ということで、発売後すぐさま読んだわけですが、やはり神本でしたね。

というのも、この本では、

「結局のところ、やる気、不安、肥満、体調あたりのよくある不満って、だいたい原因は同じなんだよね。だったら、その共通項となる課題をクリアしていけば、最終的にもっともいい人生に近づくんじゃない?」

みたいな考えをもとに、”最高の人生を送るための方法を、科学的に導き出そう!”みたいな内容が書かれてまして、本人もおっしゃっているように、まさにパレオな男の集大成的な本。

で、パレオさんの本は、毎度ながら科学的根拠もりもりなので、全力でおすすめできる本なのですが、その中でも「友達がいないと、死ぬぜ」みたいな部分が面白かったので、メモ。


section①
孤独は人を殺す

寿命を決める要因は色々あるわけですが、最近の科学で確定してきたのは、「寿命を縮めるのは、”孤独”!」ということ。

つまり、友達がいない人は早死にしやすいというわけです。引きこもりブロガーにとっては、結構やべえお知らせですね。

これはブリンガムヤング大学が2010年に行なったメタ分析。この研究では、およそ30万人を平均7.5年間も追ったデータを集め、「人の寿命の長さを決めるのは何か?」を調査。

メタ分析ということで、信頼度は高めです。で、この研究によってわかったのが、

・もっとも寿命を延ばす効果が高かったのは、ダントツで「良好な友人関係」だった!

・友達が多い人は、友達が少ない人と比べて22%も長生きしていた。

・「良好な友人関係」は、禁煙、ダイエット、運動などの健康的な習慣よりも、寿命を延ばす効果が高い。

という感じ。意外な結果ですが、要するに、寿命をもっとも左右していたのは、日々の健康意識よりも、「友達がいるか」の方だったわけですね。

ということは、どれだけ健康に気を使って暮らしても、仲の良い友達が少なかったら、リア充よりも早死にしてしまう可能性あり、なわけです。これは健康オタクにとって、非常に重要なお知らせであります。


さらには、ハーバード大学ではもっと膨大な規模の研究が行われておりまして、この研究では、1939年から開始して75年間、合計724人の人生を追跡して、「人の人生を幸せにするのって、なに?」ということを調査。

TEDにロバート・ウィルディンガー教授の動画が出てますね。

約80年も研究が続いたこと自体に驚きなわけですが、この動画をざっくりとまとめると、

・若者の80%は「お金があれば人生ハッピー!」、若者の50%は「有名になれたら人生最高!」と思っている。

・ところが、研究の結果を見ると、最も幸福度と健康を左右していたのは「人間関係」だった。

・50代で人間関係が良好だった人は、そうでない人に比べて、80歳の時の健康状態が明らかに良かった。

・仲の良い友達が多い人は、そうでない人に比べて、約3倍も仕事で成功しやすく、年収も高い傾向にある。

という感じだったそう。とにかくもう、「人生は友達が一番大事!」という感じのデータですね。さらには、ロバートさん曰く、

75年間の研究ではっきりとしたことは、僕らを健康に、そして幸福にしてくれるのは、富や名声でもガムシャラにはたらくことでもなく、”良い人間関係に尽きる”ということです。これが結論です。

刺さりますねぇ。要するに、「結局人生で一番大事なことって、”友達と過ごす時間”なんじゃない?」ということが、75年間の研究でわかったわけです。

個人的に、これは非常に納得のいくところ。というのも、僕は2日に1回くらいのペースで友達と食事かドライブに行くのですが、「これがなかったら結構つまらない人生だよなぁ」と思うこともしばしば。

もちろん、お金を稼ぐことや知識を増やすことは大事なわけですが、これらのために「友達と過ごす時間」を蔑ろにしてしまっては、元も子もないよね、ということです。


というわけで、section①としては、「とにかく、孤独は真剣にヤバい。友達を作れ!」という感じ。


section②
でも、友達が多ければいいってもんでもない

ただ、友達がたくさんいればいいってわけでもなく、大事なのは”親密な友達”がいるかどうか。というのも、まず第一に「人の脳の容量的に、仲良くできる人数は限られてる」ということがわかっております。

これはオックスフォード大学のロビン・ダンバーさんが提唱している「ダンバー数」というものがありまして、これを超カンタンに言うと、

人間の脳の容量的に、友達の数は「150人くらい」が限界!

というもの。

たとえば、仮にTwitterのフォロワーが500人いる人でも、顔と名前が一致するのはせいぜい150人くらいだよねー、みたいなイメージです。とにかく、どれだけ友達を増やそうと思っても友達の数には限界があるよ、という話です。


で、この「ダンバー数」は昔からあって有名だったのですが、2014年にダンバーさんはこれをさらに深掘りして、「もっと深い仲の友達はどうなってるん?」ということを研究してみたそう。この研究では、学生の電話記録を1年半追跡し、人間関係の変化を調査。

で、この研究で分かったのが、

ほとんどの学生は、親友の数が常に”5人くらい”に保たれていた。

とのこと。たとえば、「親友が5人いる人に新しい親友ができたら、親友が6人になるんじゃなくて、誰か1人が選抜落ちして、新しい親友がその枠に入る」みたいなイメージですね。つまり、「親友はマックス5人まで!」というわけです。

これって結構リアルな数字ですよね(笑)。というのも、思い返してみれば、小学校時代、中学時代、高校時代、大学時代と、それぞれのフェーズごとに「二人っきりで遊ぶし、なんでも話せる友達」って、だいたい5人以内だった気がします。もちろん仲のいい人は他にもいたわけですが、「親友」って意味では、この"5"という数字は非常にしっくりきます。

つまり、「友達がたくさんいても、親密な仲になるのは5人くらい」という話です。


また、先ほど紹介したハーバードの75年間の研究では、

・人間関係で大事なのは、”量”よりも”質”だった!

ということも分かっております。つまり、人生で大事なのは、「友達の数」ではなく「親友の存在」だと

たとえば、「1000人の友達がいて親友は0」よりも、「友達は少ないけど親友は3人いる」の方が、よりハッピーな人生を送れるわけです。


そんなわけで、これらの話をまとめると、「友達が少なくても、親友だと思える人が5人いれば十分だよ。リア充に嫉妬しなくていいんだよ!」ということが言えますね。

たとえば、「俺、LINEの友達が1000人いるぜ」みたいな人を見ると「友達たくさんいていいなぁ」と思うことがありますが、さっきのダンバー数的に考えれば、仮に1000人の友達がいても「親友」と呼べる人は結局5人くらいに絞られるわけです。

なおかつ、先ほどのハーバードの研究によれば、人生で重要なのは「親友」なわけなので、つまりは「友達が5人しかいなくても、その5人と深い仲になれれば、幸福度に全く問題はないよね」というのが、結論になるわけです。

僕は「広く浅くよりも、少ない友達と深い仲になりたい派」なので、これが科学的にも証明されたぞということで、非常に良いお知らせであります。


というわけで、section②としては、「友達が沢山いるかよりも、親友と呼べる友達がいるかの方が大事!」という感じ。フォロワーが多けりゃいいってもんでもないわけです。


section③
友達と親密な仲になるための3つのコツ

ここまでをザックリと振り返ると、

①人生は友達がもっとも大事!

②もっというと、5人くらいの親友がいることが大事!

という感じでした。

で、「じゃあ、どうしたら友達との仲を深めれるのか?」という部分が大事になるわけですが、本書では”友達と親密な仲になるためのコツ”が3つほど紹介されています。ここだけカンタンに拾っておきましょう。


友達との仲を深める条件①
「時間」

「仲を深めるには共通点探し!」「相手の目を見ろ」といったアドバイスはよく聞きますが、意外と見落としがちなのが「時間」。科学的には、「コミュニケーションがある程度下手でも、長い間を一緒に過ごせば、ほぼ確実に仲良くなれる」ということがわかっています。

たとえば、心理学者のロバート・ボーンスタインさんの行ったメタ分析によれば

・特別なにかをしなくても、一緒に過ごす時間が増えるだけで好感度は増す

ということが分かっています。つまり、誰かと仲良くなるのに、わざわざ飲み会に行ったり、二人で出かける必要もなく、単に「会う回数」を増やせば自然と仲良くなれるんだ、と。

たとえば、「趣味は合わないし、性格も合わないけど、めっちゃ仲良い」みたいなのは、だいたいこの「時間」によるものだったりするわけですね。


また、「具体的にどれくらい長く過ごせばいいの?」みたいな話もありますが、カンザス大学のジェフリー・ホール教授の研究によれば、

・”見知らぬ人”から”親友”になるまでは、だいたい「200時間」かかる!

・仕事以外のプライベートな時間を一緒に過ごすほどいい。

みたいな事も分かっているので、要するに、「友達との仲を深めたいなら、ランチに誘ったり買い物に誘ったりして、まずは200時間を目安にプライベートな場で会う回数を増やそうぜ」という感じですね。


友達との仲を深める条件②
「同期行動」

友達との仲を深める2つ目のポイントは「同調行動」。これはカンタンに言うと、「誰かと一緒に同じ動きをする事」です。2016年にオックスフォード大学で行われた実験によると、この「同調行動」によって友達との仲が深まるんだそう。

で、「具体的にどうやって同調行動すればいいの?」みたいな話ですが、スタンフォード大学のスコット・ウィルターマスさんによると、同期行動のコツは以下の2点

①全員が近い場所で行う事

②同じタイミングで、同じ行動をする事

この条件を満たせばなんでもオッケーとのことです。

たとえば、「斎藤さんゲーム」みたいなのはまさにコレですね。

「①全員が近い場所」で、「②同じタイミングで、同じ行動」をしているわけですので、見事に条件に合致。学校とかでこういうゲームをすると一気に距離が縮まるのは、この「同期行動」に理由があったわけですね。


友達との仲を深める条件③
「親切」

本書で紹介されている3つ目のポイントは、「親切」。正確に言うと、「好きな相手に利益を与えること」みたいな意味です。

これは以前書いた『影響力の武器の解説シリーズ』の「返報性」と同じ話ですね。要するに、「相手と仲良くなりたいなら、まずは自分から信頼することで、相手も信頼してくれるよ」という話です。

これは考えれば当然で、やはり「この人は裏切らない」と思える人にはこちらから信頼したくなるものです。また、本書ではこんな言葉が紹介されてます。

”彼は人を好きになることが好きだった。だから、人々は彼のことを好きだった”

マーク・トウェイン

まさに、好意の返報性を言い表した良い言葉です。


まとめ

というわけで、今回をカンタンにまとめると

section①
人生でもっとも重要なことは「友達と一緒に時間を過ごすこと」

section②
人間関係で大事なのは、”友達の数”よりも”親友の存在”

section③
友達と親密になるための3つの条件

①とにかく、一緒に過ごす時間を増やすこと。
②斎藤さんゲームのような「同期行動」をやってみる
③まずはこちらから相手を信頼すること

という感じでした。

要するに、「深い関係の友達とちゃんと遊ぶのが大事!」って感じです。

本書ではこのほかにも、「日頃のストレスってどう対処したらいいの?」とか「遊び心を持つにはどうしたらいいの?」みたいな面白い話がたくさん紹介されていますので、興味のある方はぜひ「最高の体調」を読んでみてください。めちゃくちゃおすすめです。


というわけで、また次回のnoteでお会いしましょう。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。


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参考








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