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【死相のクロスワード】

 

 人は、誰しもいつかは死んでしまう。遅いか早いかの違いなだけだ。僕には、誰にも言えない罪がある。罪の意識など随分と昔に忘れた。いや、忘れるしかなかった。自我の崩壊を防ぐためと言えば、カッコイイのかもしれない。僕の人生は罪に苛まれ続けた。記憶とは残酷なもので、更には固い鎖で繋がれている様に感じた。目に前には、幼女の死体。何故こうなったのか、僕の理解は、ある死刑囚の手によって理解する事となる。その結果、更なる苦しみが待っていた。
 (洋二君は何も話さなくていいからね。)この言葉を信じたあの日から鎖に繋がれたのかもしれない。正しさを理解できていれば少しは違ったのかもしれない。
 ?【洋二さん!起きてください。】耳元で声をかけられた僕は、思わず飛び起きた。

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