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「国を問う」ということ

 今日はオンラインレッスンの日。今日はウクライナの方はお休み。クルドの方のレッスンをしました。2人のレッスンはパワポ教材を作ってやっているのですが、進度を合わせて適宜語彙などは変えますが、ほとんど同じものを使っています。少しずつ話せるようになってきたので、会話の時間を多く取るようにしています。今日の話題は「季節と1年のイベントについて説明できるようになる」というCan-doで行いました。が、早速失敗・・・

 それぞれの季節、四季、メインイベントとなる語彙を確認してから自分の国にどんなイベントがあるか、私の質問に答えながら説明していくというレッスンでした。が、そのイベントの選び方から失敗。ウクライナの方はキリスト教なので、冬にはクリスマスが大きなイベントとしてあります。そしてウクライナでは2回クリスマスがあるらしい!12月と1月!それも初めて知りました。クルドの方にも同じように、同じスライドを使用して「お正月、クリスマス、年賀状・・・・」などの語彙を説明して話そうとしたら・・・・クルドやトルコはイスラム教なのでそもそもクリスマスなどしない・・・・「はっ!」としました。そうすると相手から「ラマダン!」との声が。そうだ!クリスマスじゃない!トルコの、クルドの大切なイベントと言えばやはりラマダンだ!と思ったのです。そしてもっと根本的な問題として、クルドの方に、「トルコでは・・・」と言って国の話を聞きだすことに毎回戸惑います。「国を持たない世界最大の民族」と言われるクルドの方々。私がボランティアで教えている方もトルコから来てはいるが、クルドの方です。この方々に「国のことを聞く」というのがとても難しく、デリケートな問題であることを毎回感じます。今回は途中から「クルドではどうですか?」という言い方にしました。本当に難しい。日本語学校では「どこから来ましたか?」「あなたの国では〇〇ですか?」という問いが基本で当たり前のように聞かれているが、対難民、避難民の方の日本語教育となると全く事情が異なるということを改めて感じました。ウクライナの方に「国では・・・」と聞くのもどうしたらいいのか迷うことがあります。まだまだ知らないことがたくさんありますね。

 「難民日本語教育」の専門家になりたい、という希望があるのなら、もっともっと勉強しなければならないと感じました。そして同時にクルドやウクライナの方からいろいろな新しいことを知ることができて、改めて日本語教育はおもしろいなと感じました🐈

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