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読み解く健康ニュースNO.5【コーヒーと肺がんとタバコ】

こんばんは、看護師+アロマセラピストのyukinaです。
本日は、コーヒーの効能について調べていた時に見つけた研究を掘り下げたいなと思います。前職で肺がん看護、禁煙外来を担当していたこともあり、気になる話題でした。

小細胞肺がんのリスクが上がる

肺がんの中にも種類があり、その種類によって性格が変わります。
例えば進行が速いタイプ、薬が効きにくいタイプ。目立ったところに陣取るタイプなど、肺がんの中でもどの種類なのかが治療の分かれ道になります。

まずはこちらの図をご覧ください。

https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8047.html

一番濃い茶色にそれぞれご注目。毎日5杯以上コーヒーを飲む方は、どの種類の肺がんもリスクが上がっています。考え方としてはほとんど飲まない人を1とすると何倍になるのかという考え方です。
全肺がんで計算したものは1.26倍になっているのがわかります。

そして注目していただきたいのが〇の部分の小細胞肺がんの部分です。
他のグラフに比べて全体的に数値が上昇しているのです。

コーヒーはポリフェノールやクロロゲン酸など、予防医学的にも注目されている飲み物です。心臓、脳血管、肺の病気のリスクを下げる報告がされています。

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しかしながら、小細胞肺がんの発生リスクにコーヒーは関与しないようです。

小細胞肺がんの性格

小細胞肺がんとは、肺がんの中でも数は少なく10%くらいです。進行がとても速く、やる気があるので他の臓器への転移も早めです。ただ小さいうちに見つけることができれば、抗がん剤は効きやすいため、完治を目指すことができる方もいらっしゃいます。※抗がん剤で小さくして、最後は放射線療法で封じ込める。

抗がん剤の種類や容赦なく強いタイプを選択。
明日にでも入院できる?と告知直後に医師から容赦なく声をかけられているのを何度も見たことがあります。それだけ早く治療をしたい。強者なのです。

そして目立ちたがりな性格なのにも関わらず、かくれんぼが得意。

小細胞がんがよく出来る場所は、肺の入り口です。


肺の入り口(肺門部)

目立ちそうだからすぐ検診で気が付かれそう!と思われがちですが、こちらをご覧ください。

レントゲン写真

え?どこ?と、なるかと思います(笑)
この肺の入り口は、レントゲン写真では心臓と重なってしまいます。うまく隠れて、これで健康診断をするっと通り抜けたりしています。
「そこにいると思って見ればいるけれど、見逃しやすい」というのが本音です。

この小細胞肺がんは、タバコと関連する癌と言われています。ちなみにもう一つタバコ由来と言われている扁平上皮がんも、同じく肺の入り口に発生しやすいため、タバコが原因の肺がんになった場合は発見しにくい癌である可能性が高いのです。

肺のレントゲン写真を読み解くのは一番難しいと言われています。健康診断で肺がんを指摘され、病院を受診された際の資料に「よくこれ見つけたなぁ。」と専門医がつぶやいていたりもするわけです。

肺の病気で亡くなるということ。

肺は常に働いている臓器です。
身体の中に酸素を取り込み、その酸素は体の中ですべてを動かす原動力となっています。
肺の病気は、すべての原動力であるこの酸素の通り道を塞ぎます。例えば癌(がん)自体でふさがったり、痰(たん)が多くて塞がってしまうのです。

道路工事に例えると、車が一台も通れないくらいになり、からだの中の酸素が不足します。渋滞を作り出してしまうので、スムーズに息ができません。
この苦しさはきっとあなたの想像以上です。

あなたは今まで溺れた経験がありますか?


「苦しいから早く水面から顔を出したい。」

やっと顔を出せたと思ったら、
誰かに押さえつけられてまた溺れさせられる。


これをずっと繰り返すのが肺の病気で亡くなる最期の姿です。

ドラマで、こんな酸素マスクを使っているシーンを見たことがありませんか?
「これを使えば苦しいのはどうにか楽になるんでしょ?」と思いがちですが、これは不正解です。

人間の体は酸素と二酸化炭素とバランスをとることがとても大切です。その為、酸素の量をどんどん増やせるわけではなく、むしろ酸素を増やすことで二酸化炭素とのバランスを崩し、さらに息が苦しくなるようにプログラムされています。息が苦しいからと言って酸素をどんどん増やす。それは寿命を縮める行為です。

本人は溺れるような苦しい最期。
そして苦しい姿を自分の大切な方の目に残してしまうことになるのです。

人生の最期に苦しむの嫌じゃないですか?
大切な人に苦しむ姿、見せたいですか?
最期の姿は、遺族にはとても印象に強く残ります。

「もう遅いからタバコを止めても意味ないよ。」と、前職の時にたくさん言われました。私がこの記事を書いているのは、まだ意味があるからです。

1年後:呼吸機能の改善
5~9年後:肺がんのリスクが明らかに低下
10~15年後:様々な病気のリスクがタバコを吸わない人と変わらなくなる

厚生労働省eヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-08-001.html

というように長期的に見ると、たくさん意味があることに気が付いていただけるのではないでしょうか。

喫煙者とコーヒー

ライトスモーカーの方はコーヒーを1日3倍以上飲むことで肺がんリスクは減っているように見えますが、ヘビースモーカーになると再度上昇しています。

まとめ

コーヒー摂取と小細胞がんのリスクに関しては、上昇がみられるものの元々の喫煙による影響は完全に排除できていないという研究者さまの考えがあるるようです。
タバコを吸っている方を対象に研究も進んでいるようですがただコーヒーはその他の病気を下げるリスクも研究されているので、何事も中庸ですね。飲みすぎは注意かなと思って読み解きました。
気になる方は原文もぜひ読んでみてください。yukina

セラピストが読んだ研究


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